奈良公園で可愛い鹿たちに癒されよう

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奈良公園で可愛い鹿たちに癒されよう

奈良公園で可愛い鹿たちに癒されよう

更新日:2014/01/14 14:48

沢木 慎太郎のプロフィール写真 沢木 慎太郎 放送局ディレクター、紀行小説家

修学旅行で奈良を訪れた方も多いと思いますが、奈良公園といえば鹿。奈良になくてはならないマスコット的な存在です。奈良公園に生息している鹿は、国の天然記念物に指定されている野生動物ですが、「財団法人 奈良の鹿愛護会」が手厚く保護しています。気候も暖かくなり、お散歩日和のこれからの季節。奈良公園を散策しながら可愛い鹿たちに囲まれてみませんか?

浮見堂を背景に振り向く子鹿

浮見堂を背景に振り向く子鹿

写真:沢木 慎太郎

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約660ヘクタールの広大な敷地内に、興福寺や東大寺、春日大社、国立博物館といった観光名所が点在し、さらには若草山から春日山原始林までも取り込んでいる奈良公園。春日山原始林をはじめ、興福寺や東大寺、春日大社、元興寺は世界遺産にも登録されています。

この奈良公園には、約1100頭の鹿が生息。桜が咲き終わったこれからの季節は、赤ちゃん鹿が誕生するピークを迎えます。ただし、生まれたばかりの赤ちゃん鹿は保護施設で数か月の期間に渡って保育されるため、ある程度大きくなってからの公園デビューとなり、残念ながら見ることは出来ません。

写真は、奈良公園内の池に浮かぶ『浮見堂』。檜皮葺きの六角堂で、水面に写る姿が美しいです。浮見堂は桜や紅葉の名所となっており、夜間にはライトアップされます。

『浮見堂』の池のほとりに子鹿がいたので、「お〜い、鹿」と呼んでみたところ、「?」といった表情で振り向き、その瞬間をパシャリ。

たくさんの鹿がいる東大寺の南大門

たくさんの鹿がいる東大寺の南大門

写真:沢木 慎太郎

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奈良の鹿は日の出とともに行動し、鹿愛護会が用意したえさ場に移動。朝食を終えると、休憩する場所へと向かい、夕方まで過ごします。夕方になると、再びえさ場へと移動し、日没後は泊まり場で就寝。毎日、ほぼ決まったルートで移動します。

そんな野生の鹿ですが、人に一番慣れているのは、写真に写っている東大寺の南大門付近にいる鹿たち。好物の鹿せんべいを、今か今かと待ち望み、鹿せんべいを買おうと財布を出した瞬間から集団で囲んできます。

鹿せんべいを買ったら、速やかに鹿に与え、せんべいがなくなったら、「もう、おしまいよ」と言って万歳して両手を広げましょう。鹿せんべいをいつまでも持っていると、頭突されることもあり、たいへん危険です。

南大門は、奈良の大仏さまがいらっしゃる東大寺の正門。重層入母屋造の豪壮な門で、高さ25mで、鎌倉時代に再建されたものです。

門の両脇には、阿「あ」・吽形「うんぎょう」の2体の木造金剛力士(仁王)像(国宝)が安置されています。

奈良公園の鹿は神の使い

奈良公園の鹿は神の使い

写真:沢木 慎太郎

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奈良公園の鹿は、春日大社の神使とされています。

奈良の春日大社は平城京の守護のために768年に建てられたものですが、その際、茨城県にある鹿島神宮の祭神・武甕槌命(たけのみかづちのみこと)が神鹿に乗って奈良にまでやってきたと伝えられています。

神様の使者であるため、かつて鹿を殺めると厳しい刑罰を受けたそうで、誤って鹿を殺してしまった子どもが鹿の死骸と一緒に生き埋めになるといった伝説も残っているほど。なんとも恐ろしい話です。

今でも地元の人々は鹿に愛着と畏敬の念を持っているようです。

しかし、江戸時代には鹿が増えて、角で突かれるなどのトラブルがあり、寛文11年(1671年)から鹿の角を切るようになり、これが春日大社の近くにある鹿の保護施設「鹿苑(ろくえん)」で毎年10月に行なわれている“鹿の角きり”の始まりといわれています。

奈良の風物詩、鹿寄せ

奈良の風物詩、鹿寄せ

写真:沢木 慎太郎

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春日大社の近くには“飛火野(とぶひの)”と呼ばれる原っぱがあり、運が良ければ早朝にこの場所で、『鹿寄せ』を見ることができるかもしれません。

『鹿寄せ』というのは、簡単に言うと、ホルンによる鹿の餌付け。

奈良の鹿愛護会の会員の方がホルンを吹き始めると、森の奥から鹿が、どどどどどっ――と一斉に集まり、ご褒美にどんぐりをもらえるとあって、多い時だと100頭近くの鹿が寄ってくるそうです。

この写真の方は、新聞などでも掲載されたこともある奈良の鹿愛護会の会員さん。

そもそも、鹿寄せは明治25年(1892年)に、鹿苑の完成式典でラッパを吹いたことが始まりだとか。

戦前は進軍ラッパを使っていたようですが、戦時中の中断から昭和24年(1949年)に復活。進軍ラッパからホルンに変わりました。

ホルンのメロディーは、ドイツの作曲家ベートーヴェンの交響曲第6番『田園』のワンフレーズ。ベートーヴェンの曲を聴いて、鹿が集まってくるのは、なんとも優雅な風景です。

以前に、奈良の鹿愛護会の会長だった春日大社宮司さんが「奈良の牧歌的なイメージと似合う」という理由で『田園』の曲を採用。ホルンは昭和24年に中古品であったものを購入し、修理を重ねながら今まで大切に使われています。

このホルン、よく見ると指で押さえるピストンがないのです。ナチュラルホルンという種類のホルンで、息の入れ方で音程を変えるため、高度なテクニックがが必要なんだとか。

ホルンを演奏する写真の男性は「演奏はたいへん難しく、吹奏楽の方から指導を受けたこともあります」と話していました。この風景をいつまでも守り続けていただきたいものです。

写真を撮っていると近づいてきた子鹿

写真を撮っていると近づいてきた子鹿

写真:沢木 慎太郎

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奈良公園の鹿は、約1100頭の鹿が生息していますが、1年間で400頭近くが死亡しているようです。

主な原因は、交通事故が約100頭、病気が約200頭で、その他が約100頭。

奈良の鹿愛護会では、鹿の保護を呼びかけたり、傷ついた鹿の救助や治療を行ったりもしています。

写真を撮っていると、なんと子鹿がそばに寄って来てくれました。可愛いです。

けれども、奈良の鹿は野生動物。

春は出産後のメス鹿がわが子を守るため、秋にはオス鹿が発情期に入るため、季節によって気が荒くなり、人に襲いかかることも珍しくはありません。節度を保ち、これからも鹿と仲良く共存していきたいものです。

旅行で奈良に来られたら、寺院めぐりの合間に、可愛い鹿たちに癒されてみてはいかが?

掲載内容は執筆時点のものです。 2013/04/02 訪問

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