仁淀ブルーの生まれた日本最青の清流 〜面河渓(愛媛県久万高原町)

仁淀ブルーの生まれた日本最青の清流 〜面河渓(愛媛県久万高原町)

更新日:2015/05/01 15:53

津田 泰輔のプロフィール写真 津田 泰輔
近年、その青く透明な川の水が話題になり注目を集める仁淀川。その上流にあたり、愛媛県の石鎚山の麓近くにあるのが面河渓(おもごけい)である。
仁淀ブルーと呼ばれる神秘の水はこの面河渓に端を発する。
西日本最高峰の霊峰石鎚山の奥深くには、ここが日本かと言うような幻想的なブルーの楽園が広がっている。

ため息の出るほどの透明度「五色河原」

ため息の出るほどの透明度「五色河原」

写真:津田 泰輔

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面河渓めぐりの拠点になるのがこの五色河原。
石鎚スカイライン経由で道路の入口には大きく表示が出ているので迷うことは無いだろう。
この橋の下の水の透明度を見て欲しい。
川の底までくっきり見える上、引きこまれそうなほど青い水が流れている。
これだけ色濃く透明な水が流れる川は、日本全国を探してもそうそうあるものではない。

面河渓散策は本流ルートと鉄砲石川ルートの2つがあるが、今回紹介するのは本流ルート。虎ヶ滝まで片道約30分〜40分のルートだ。

断崖絶壁の横を通る

断崖絶壁の横を通る

写真:津田 泰輔

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本流ルートを進むとすぐに見えてくるのが、この大絶壁。
垂直に切り立った崖は大迫力。
河原まで降りていけるので、少し足をつけてみたりすることもできる。ぜひこの透き通った青い清流を間近で見て欲しい。透明な水ならば全国各地の山奥に行けば見ることができるが、これだけ不思議で美しい色をした川の水が見れるのはここ面河渓だけである。

川の中に入る時は深さにご注意を。透明度が高くて底が見えるので、一見すると浅く見えても実際はかなりの深さと言うこともある。

青く輝いているように見える

青く輝いているように見える

写真:津田 泰輔

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渓谷沿いの遊歩道を歩いていると、各所で川の美しさに驚かされる。特に川底の岩の色が白いせいか、そのブルーの色は際立って見え、まるで輝いているかのよう。
光の当たる角度や水の深さ川底の岩の色によって様々に色を変えて、見る人の目を楽しませてくれる。
まさに水色って言う色があるんだなと実感することだろう。

怖いくらいに深い色をした「熊渕」

怖いくらいに深い色をした「熊渕」

写真:津田 泰輔

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面河渓のある面河川は愛媛県から高知県へと流れ太平洋へと注ぐ川である。愛媛県側では面河川、高知県に入ると仁淀川と名前を変える。
仁淀川は平成22、24、25年度に全国1級河川の水質ランキングで1位になったことがあり、四国の清流と言えば四万十川を思い浮かべる人が多いと思うが、知名度は低いものの実は仁淀川の方が水質が良いのだという。

熊渕と呼ばれる滝壺のように少し水深のある場所に来ると、深い谷底で光が遮られることもあって、水の色はブルーから深いグリーンへと変わる。深い緑色なのに驚くほど透明で、見つめているとなんだか吸い寄せられるような恐ろしさがある。

本流ルートのクライマックス「虎ヶ滝」

本流ルートのクライマックス「虎ヶ滝」

写真:津田 泰輔

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遊歩道の最後は虎ヶ滝まで。ここから先は一応登山道らしきものが続いているが、ここからは危険な道のため一般の人はここで引き返して欲しい。
虎ヶ滝までは深い谷になっているので近づくことはできないが、手前の淵の水も青く透き通っていてとても綺麗だ。
この辺りまで歩いてくると、周りも深い谷底という雰囲気の場所になってきて、まさに秘境にたどり着いたような感じだ。

季節によって色が変わる

仁淀ブルーと呼ばれる青い水は季節によって見え方が変わる。それは天候やその日の水の流れ方によって変わるのだが、一般的に8月の終わりから1月頃までが最も青い見え方をするようだ。
日によってはエメラルドグリーンに見えたりするようだが、それは水の中の成分や藻などの影響を受けて変化するらしい。いずれにしろ透明度の高いグリーンの川もまた充分魅力的だろう。
四国山地の奥深く、交通の不便さを考えると日本で最も遠い場所の一つかもしれないが、この神秘的な青い流れはそんな苦労をしてでも一度は見る価値のある場所である事は間違いない。

掲載内容は執筆時点のものです。 2014/10/19−2015/04/19 訪問

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