写真:沢木 慎太郎
地図を見る“奈良の大仏さま”で親しまれている「東大寺・金堂(大仏殿)」。金堂の北側に裏参道があり、情緒的な石畳の道が伸びています。白壁や土塀に囲まれた道で、この奥にある建物が「東大寺・二月堂」。“お水取り”が行われる舞台です。
写真:沢木 慎太郎
地図を見る春の季節には、ご覧のように淡い桜が咲き乱れ、素晴らしく情緒的な風景。
写真:沢木 慎太郎
地図を見る二月堂は、山の斜面に沿って建てられたお寺で、西側を向いて建っています。
写真:沢木 慎太郎
地図を見る石畳の裏参道を歩いていくと、二月堂の北側にある回廊(写真)からアクセスすることになります。たいへん急な石の階段。ここから見上げると、二月堂が山の斜面に建てられている様子がとてもよくわかります。
写真:沢木 慎太郎
地図を見るこの写真は、さきほどの回廊を登ったところ。右側が回廊で、左側が二月堂。中央に三角の屋根が見える建物がありますが、これが「東大寺・金堂」です。
写真:沢木 慎太郎
地図を見るこちらは二月堂の回廊から、「東大寺・金堂」を見た風景。遠く生駒山のなだらかな山並みが見えます。この山の向こうは大阪。陽が沈む西の方向に向かって二月堂が建っているのがよくわかります。
写真:沢木 慎太郎
地図を見るでは、二月堂の回廊をぐるりと回ってみましょう。
写真:沢木 慎太郎
地図を見るこちらは二月堂の中央付近。幾つもの釣燈籠(つりどうろう)がぶら下がり、情緒が漂います。“お水取り”の時期には、和服姿の女性が歩いている回廊を大きな松明が駆け巡ります。
写真:沢木 慎太郎
地図を見る春の季節には、回廊から桜を眺めることができ、古都・奈良の幻想的な雰囲気を楽しむことができます。
写真:沢木 慎太郎
地図を見る写真は、二月堂を見上げたもの。右に見えるのが南側の回廊です。左に見えるのが北側の回廊。二月堂は、山の斜面に沿って、前にせり出すように建てられています。
写真:沢木 慎太郎
地図を見るこの写真は、二月堂の真正面を撮影したもの。格子の扉の向こうに、ご本尊の「十一面観音」さまがいらっしゃいます。“お水取り”というのは、二月堂の前にある井戸から水を汲み、こちらの「十一面観音」さまにお供えする行事。回廊を駆け巡る巨大な松明は、水を汲んで観音さまにお供えするための道明かりとして灯されます。
写真:沢木 慎太郎
地図を見る二月堂の前に小さなお堂(写真左側)が見えますが、「十一面観音」さまにお供えする水を汲む井戸はここにあります。“若狭井”(わかさい)と呼ばれる井戸。観音さまに水を汲んでお供えするのは、人間の罪深さをおわびするためです。
人は、正しく生きようと思っても過ちや罪を犯してしまう。そんな人間が幸せに生きるためには、神仏を前にまず自分の罪深さをおわびすること。おわびして、それから幸せを祈ること。それが形になったのが、修二会であり、十一面観音さまにお供えする行法なのです。
写真:沢木 慎太郎
地図を見る修二会は、世界文化遺産に登録されている「東大寺」以外でも行われていますが、二月堂で行われる“お水取り”は規模が大きいために有名。毎年、多くの人々が訪れます。
修二会は旧暦の2月、現在では3月1日から14日までの14日間、執り行われます。この期間中は毎日、夜7時を過ぎると松明に火が点けられ、二月堂に独特の夜が訪れます。
2週間の期間中で、もっとも大きな松明が現れる3月12日の深夜(13日の午前1時30分ごろ)。若狭井から、ご本尊の「十一面観音」さまにお供えする“お香水(おこうずい)”を汲み上げる儀式が行われます。
奈良・東大寺「二月堂」の“お水取り”は、3月1日から本行入り。前行、本行を併せて約1カ月、準備期間を入れれば約3カ月以上という壮大な法会です。3月の本行期間中に毎日、灯されるのが“お松明”。太い竹の先に杉の葉などを束ねて大きな玉をこしらえたもので、夜の行を務める練行衆の足元を照らす明かりとして使われます。
3月12日に灯される「お松明」は特に大きく、“籠松明(かごたいまつ)”と呼ばれ、長さは約6メートル。11本の巨大な籠松明が、二月堂の回廊から外に向かって振り回され、炎が滝のように流れ落ちる光景は実に壮観で神秘的です。
炎の熱気が頬にまで感じられるほどの大迫力。蛍の乱舞のように火の粉が舞い散るたびに大歓声が沸き起こります。そこにあるのは、寒い季節を耐え忍び、春の訪れを歓ぶ多くの人々の笑顔。奈良・東大寺「二月堂」の“お水取り”は、古都に春を呼ぶ神聖な祈りです。
【お松明の開始時刻・本数・点灯時間】
■3月1〜11日、3月13日/開始時間は19時、本数は10本(約20分間)
■3月12日/19時30分、11本(約45分間)
■3月14日/18時30分、10本(約10分間)
写真:沢木 慎太郎
地図を見る奈良・東大寺「二月堂」の“お水取り”は、奇跡としか言いようがない歴史があります。なんと8世紀から一度も途切れることなく、多くの危機や苦難を乗り越え、約1300年間も脈々と現代まで受け継がれています。
平安末期では、平家の焼き討ちに遭い、奈良の大仏さまも上半身を焼失するといった大きな傷を受けましたが、ご本尊や本堂を失っても修二会は行われ、その魂を今日にまで伝承。また、太平洋戦争中や戦後の混乱期も行われ、常に日本人を勇気づけてもきました。
東大寺「二月堂」の“お水取り”が終わると、長く厳しかった冬の寒さがやわらぎ、関西に本格的な春が訪れ、美しい桜の花を見ることができます。
奈良・東大寺「二月堂」の“お水取り”。夜空を焦がすほどの猛烈な炎。この火の粉を浴びれば、1年を無病息災で過ごせるといわています。籠松明が現れる3月12日は、境内は多くの参拝客が集まり、大混雑。危険を避けるため、入場規制が行われます。
当日は午後4〜5時から、午後9時まで周辺の道路も交通規制されるので、電車・バスのご利用をおすすめします。3月12日の“お松明”を間近で見るには、早い時間から行かれるのが良いでしょう。また、防寒対策も必要。寒い中で長時間、立っていなければならないため、たいへんな労力が必要です。くれぐれも無理はしないで下さい。
なお、二月堂の見どころや奈良の観光スポットについては別途、記事にまとめていますので、ご興味のある方は関連MEMOに貼り付けたリンクからのぞいてみて下さい。
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(2023/11/29更新)
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