和束町は、人口が5,000人程度の小さな町ですが、茶の生産に力をいれていて、その生産量たるや、宇治茶全体の生産量の約半分とも言われています。近年は町に広がる茶畑を観光資源としたハイキングやサイクリング、農業体験など、数々のアクティビティが楽しめることでも知られ始めています。
町にはいくつかのビューポイントが設けられていて、石寺、撰腹、釜塚、原山の茶畑は特に有名。眺める場所や、角度によって、様々な表情を見せるのが茶畑。当日の天気によっても、その印象は随分と違ったものになります。
茶畑の中に入るのは禁止されていますが、そのすぐ傍まで路地が続いているので、美しいお茶の畝を間近でみることができます。
ぜひ、自分だけのお気に入りのスポットを探しに、町を散策してみてください。
(本文下MEMOに「いいとこ和束〜茶源郷〜」へのリンクがあります)
町の中心に、こんもりと盛り上がった丘があり、和束町はその丘を中心に広がっています。この丘こそが、聖武天皇の息子、安積親王の陵墓なのです。天皇家の墓が、こんな山奥にあるというのも不思議なものですが、実は和束町は、かつて日本の都だった恭仁京の近くに位置しているのです。
現在も、お参りをすることができる安積親王陵。綺麗に保たれているその陵墓をみれば、和束町の人々が、1,000年以上もの間、この陵墓をいかに大切に扱ってきたかがわかります。
注目すべきは、その参道。なんと、両側が茶畑なのです。お茶に囲まれた陵墓なんて、全国でもここにしかないものかもしれません。
もうひとつ、注目したいのは、町の南にある八坂神社の大杉。この杉の樹齢は、1,300年以上ともいわれ、その幹の太さに圧倒されること間違いありません。町を見下ろす高台に位置するこの杉。辺りは大変静かで神秘的な雰囲気が漂っています。
和束町の景観を楽しむのであれば、ぜひ、お勧めしたいのが自転車による散策。茶畑に近づくことができる農道や細い路地は大変狭く、車でアクセスするのは一苦労ですが、自転車であれば心配はいりません。
丘が多いので、ビューポイントに辿りつくまで一汗かいてしまいますが、それもサイクリングの醍醐味のひとつ。丘を登り切れば心地いい風と眼下に広がるライトグリーン茶畑が疲れをいやしてくれるでしょう。
和束町は、ヒルクライムの大会が行われているほどサイクリングが盛んな町。自転車への理解も深く、休日ともなれば多くのサイクリストで賑わいます。町の中心にある和束茶カフェではレンタサイクルを実施。和束町の見どころが網羅されたサイクリングマップも無料で手に入れることができますので、手ぶらで来ても大丈夫です。
和束茶カフェは、町の情報発信センターや、お茶の直売所もかねた総合施設。
柔らかい木目調の店内には、市場に出回る前の、最も新鮮な和束茶が所狭しと並べられています。和束オリジナルのグッズやお菓子も販売され、見ているだけでも楽しめます。
しかし、やはりお勧めしたいのは、お茶そのもの。窓辺にあるイートインスペースで楽しむ事が出来ます。ここの緑茶は、さすがプロがいれるだけあって絶品。苦味が全くなく、コクや香りが実に甘い、まるで日本料理につかうダシを飲んでいるかのような一杯なのです。
意外と知られていない和束町の名物と言えば、町全体を見下ろしながら、至福の一杯を楽しむ事が出来るカフェ、その名も「天空カフェ」、です。
町の山の上にぽつんと建つ小さなログハウスが天空カフェ。この中に、なんと茶室がしつらえてあるのです。カフェには、丸太でつくられた急な階段を自ら登って、10分程度で到着。決してアクセスがいいとは言えませんが、その苦労が報われるだけの絶景が待っています。
天空カフェは、和束カフェで利用の申し込みができます。山の上で味わう、格別な一杯。ぜひ、トライしてみてください。
いかがでしたでしょうか?
和束町は、山々に囲まれた秘境ともいえる小さな町。鉄道や飛行機によるアクセスもなく、アクセスの面では不便を言わざるをえません。
しかし、それゆえに、いわゆる観光地とされる京都市や宇治市とは大きく違った、なんとも長閑で穏やかな、桃源郷のような場所なのです。流れる時間は、とても、ゆっくり。住んでいる人々も実に穏やかです。
ぜひ、肩の力を抜いて、手ぶらで訪れてみてください。極上の癒しが、貴方を待っています。
(本文下MEMOに「和束町へのアクセス(和束町)」へのリンクがあります)
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