ヴァレンス水道橋は、ローマ帝国の首都を「ノウァ・ローマ」(新ローマ、現在のイスタンブール)に移したコンスタンティヌス1世が建設を始め、ヴァレンス帝の378年に完成しました。イスタンブールに残る数少ない古代ローマ時代の遺構の一つとして知られています。
上下2段の水道橋の建設当時の長さは約1km。この水道橋は、ビザンティン時代は皇帝の宮殿へ、オスマン時代にはトプカプ宮殿へ水を運ぶ重要な施設でした。
現在は800mほどが残り、水道橋のほぼ中央をアタチュルク大通りが通っています。その左右は公園になっていて、市民の憩いの場として親しまれています。
交通量の多いアタチュルク通りの一本西側のイトファイエ通りを進むと、400mほどでゼイレック・ジャーミィが見えてきます。
途中には市場があり、ナッツやチーズ、羊の肉や塩漬けの魚、オリーブ石けんなどの日用品を売っています。
庶民の台所といったところでしょうか。山積みにされたさまざまな種類チーズや羊の頭の丸焼き、段ボール箱ほどもある巨大なオリーブ石けんなど見ているだけでも楽しいお店が続きます。
ゼイレック・ジャーミィは、ビザンティン時代のパントクラトール修道院をイスラム教のモスクに改修したものです。
パントクラトール修道院は、ビザンティン時代の首都コンスタンティノポリス(現イスタンブール)でもっとも格式が高く、一時は宮廷が置かれていたこともありました。
建造は12世紀、二つの聖堂の間に廟堂を建てて一つの建物にした複雑な造りで、中期ビザンティン建築を代表する建物の一つとして知られています。
現在は修復が進められているため、見学できるのはモスクとして使用されている建物の一部のみですが、一見の価値はあります。
ゼイレック・ジャーミィの中庭にはおしゃれなカフェがあり、美しい建物や景色を見ながらお茶や食事を楽しむことができます。
高台にあるため、世界遺産のスレイマニエ・ジャーミィや金閣湾まで見渡すことができ、ロケーションは最高です。
ヴァレンス水道橋やゼイレック・ジャーミィのある「ゼイレク・モスク地区」は、ブルーモスクやグランドバザールのある旧市街の中心部からは少し離れており、観光客は少なめ。
静かなジャーミィの庭園で、お茶を片手に古代ローマからビザンティン時代をへてオスマン帝国、そして現代へと続くイスタンブールの歴史に思いをはせる。そんな優雅なひとときを楽しんでみてはいかがでしょうか。
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