ジョギングのスタートとなる三峰口駅は秩父鉄道の中心である秩父駅から電車で20分程に位置する、素朴な山間の駅。
コインロッカーはあるものの週末はSLが走り混雑しますので、ランニング時には背負って走れるナップザックを用意しましょう。また、脱衣所はありませんので最初からジョギングの出来る服装で向かう事をお勧めします。ドリンク類は駅の外に自動販売機があり不自由しません。
7キロのジョギングコースとはいえ、アップダウンが多く汗をかきますので水分補給は必須となります。途中にはほとんど自動販売機もありませんので、準備万端で向かいましょう。
さあ、出発!
駅からの一本道を西へ向かい走り始め、5分もすると荒川を渡ります。高さは20メートルはあるかという橋の上から、透き通った川の水と秩父の山々が見渡せます。
橋を渡り切ると国道140号線(彩甲斐街道)へ突き当たり、右折して50メートルも進むと左斜めに曲がる県道37号線が見えてきます。この県道37号線は旧道と新道がありますが、趣のある旧道の方へと入るとすぐに贄川宿の標識が現れます。江戸〜明治にかけて賑わった宿場町で、今は静かな街となっていますが、本陣や神社跡が残り往時がしのばれます。
県道37号線は贄川宿の途中で左折し、道なりに進むと上り坂がきつくなります。荒川西小学校の脇を抜け、いったん左に回り坂を下ると数年前にできた新道の県道37号線へ合流し、あとは道沿いに進んでいきます。
ここまで2キロ、上り坂をゆっくり走って20分弱。
県道37号線の新道へ入ると道幅が広がり歩道をゆっくりと走れるようになり、途中の山の斜面に咲き誇る様々な花をゆっくり見ることができます。
山間を縫う上り坂を10分ほど進むと秩父市と小鹿野町の境となる双神トンネルが現れます。
このトンネルは要注意。
長さは200メートルほどで歩いても2、3分で抜けますが、道幅が5メートル弱で狭い上にトンネル内のライトは暗く、対向車で石材運搬の大型トラックが来るとすれ違えません。運転手の方も急に道幅が狭くなるので徐行する車がほとんどですが、携帯のライトを点滅させるなどして気をつけて進みましょう。車の音のしない内に通り切れれば良いですが、もし途中で対向車が来たら慌てずにいったん引き返しましょう。
双神トンネルを抜けると3キロ地点。
さらに10分、緩やかな上り坂を1キロ進むと小鹿野町に入り、一転して下り坂となり走るにはだいぶ楽になります。
小鹿野町に入ると4キロ地点。残り3キロは緩やかなアップダウンを繰り返し、山里ならではの独特のゆったりした雰囲気の中を走ります。走る人の姿が珍しいのか、地元の方とすれ違うと気さくに話しかけてくれ話もはずみます。
県道37号線の歩道は右に左にとしばしば変わりますが、おおよそ7割ほどは整備されており、先述の双神トンネルを除けば安心して走れます。
三峰口駅より7キロ、ゆっくりめのジョギングで1時間30分少しで「道の駅両神温泉・薬師の湯」の標識が見えてきます。
いよいよ、ゴール!
距離的には7キロですが、アップダウンを何度も繰り返し、前半に上り坂が多い為に思ったより足への負担のかかるコース。それでも途中からの山々の眺望や山里ののどかな風景に癒される良いジョギングルートです。
さて、この「道の駅両神温泉・薬師の湯」。名前の通り道の駅内にジョギング後の疲れを取るにはぴったりの日帰り温泉があり、地域の特産品を販売する直売所もあります。山里ならではのきくらげや大きな椎茸などのキノコ類、秩父ワイン、肌に効くゆずの種にお弁当や昔からのいなり寿司まで販売しています。
日帰り温泉「両神温泉薬師の湯」は20人ほどが入れる内湯のみの浴槽で、泉質は”フッ素イオン、メタほう酸”。温泉法基準を満たす温泉ですが源泉温度が24.3度で正式には鉱泉(温泉とは源泉温度摂氏25度以上を指します)を沸かしたもの。ph(ペーハー)値は9.2とアルカリ度が高く、サッパリした質感です(営業時間等の詳細は、記事下のMEMOにリンクした小鹿野両神観光協会のサイトをご参照ください)。
そして、入浴後の一番のお勧めは本館の奥にある別の建物内にある「地域資源活用センターふるさと体験処」(営業時間10:00〜15:00<オーダーストップ14:00>、火曜、年末年始休み)で食べられる手打ちそば。本来は手打ちそばや手打ちうどんの体験施設なのですが食事だけでも利用可能です。
体験施設だけに食事が主営業ではなく提供可能な食事数が限定されています。午後には売り切れてしまう事がありますので早めの時間に訪れましょう。
そばだけで足りなそうな際には手打ちそばとミニカツ丼のセットがお勧め(900円・税込)!
手打ちそばは少し平たくコシがしっかりとしており、噛むほどにそばの香りが口いっぱいに広がります。カツ丼は小さめの器に入って出てきますが、カツ自体は7〜8センチはあり、サクッとした衣と甘しょっぱいタレが絶妙な味わい。小さくても十分に肉厚です。
食事を待つ間に提供される山菜もシャキッとした歯ごたえで、セルフサービスのお茶はそば茶が自由に飲めます。
そばぜんざいというそばを使った珍しいデザートも一度、ぜひ。
秩父というと秩父湖や三峯神社、長瀞等が思い出されますが、穴場の見どころはまだたくさんあります。ツウとしての秩父を楽しむには小鹿野や両神エリアは絶好のスポット。観光地化されない素朴さがそのまま息づいており、気取らない雰囲気が感じ取れます。
アクセスも西武鉄道・西武秩父駅から小鹿野町営バスが1日5本、所要約1時間。秩父鉄道・三峰口駅からも1日に9本(約2時間おき)運行しており、バスの時刻に合わせて走ったり、途中で走りつかれてもバスに乗って道の駅・両神薬師の湯へ向かう事もできます。
綺麗な空気を吸いながら秩父の山並みを眺め、ジョギングで汗を流し、温泉に浸かってから香り良い手打ちそばと揚げたてカツに舌鼓を打つ。そんな贅沢な1日が過ごせる穴場スポットへと、お出かけしませんか?
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(2024/11/8更新)
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