隅田川に浮かぶ中央区佃!高層ビル群と江戸風情が織りなす景観

隅田川に浮かぶ中央区佃!高層ビル群と江戸風情が織りなす景観

更新日:2015/08/14 16:47

村松 佐保のプロフィール写真 村松 佐保 嬬恋村案内人
東京都中央区にある佃は、隅田川下流で分流した地点から南方向に広がる島の北端に位置します。高層ビル街の先駆けとして進化してきた街の外観は、近代的な都会のイメージ。しかし一歩足を踏み入れると、昭和の昔懐かしい趣が広がっています。モダンとレトロが融合する不思議な魅力の街並み、川面に架かる美しい橋梁や遠くに臨む都会の景観。地元ならではのグルメなど尽きることのない楽しみを味わえる佃を、ご案内いたします。

超高層ビル群が立ち並ぶ素晴らしい島の景観!

超高層ビル群が立ち並ぶ素晴らしい島の景観!

写真:村松 佐保

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佃がある島は、北から佃・月島・勝どき・豊海と四つの地名からなっています。もともとは、隅田川河口にある佃島(旧町名)という名前でしたが、明治になって石川島と合併して佃という町名になりました。よく知られている佃煮の佃は、江戸佃島が由来で、佃島の漁民が残った雑魚などを保存食として醤油や塩で煮込んだものが広まったものです。

超高層マンション街先駆けの街として知られている佃は、隅田川にぽっかりと浮かぶモダンな景観とビルの合間に息づく昭和の趣が魅力的な街。写真は北側に架かる永代橋のたもとから臨んだ佃の外観です。河口に立ち並ぶ超高層ビル群が眩しい!

佃へのアクセスは、東京メトロ有楽町線/都営地下鉄大江戸線の月島駅が便利です。また銀座一丁目方面から佃大橋に向かって歩いても1.7キロ。東京駅八重洲口から中央大橋を渡っても2キロほどですので、ゆっくり東京散策を楽しみたいときにはウォーキングもおすすめです。

川面から吹き寄せる清々しい風!石川島公園

川面から吹き寄せる清々しい風!石川島公園

写真:村松 佐保

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佃には、中央大橋の通りをはさんで東側に石川島公園、西側に佃公園が広がっています。石川島公園は、北先端から清澄通りの相生橋まで続く細長い公園。石川島という名称は江戸時代この地を領した石川家に由来していますが、日本初の洋式造船所がつくられた場所で、石川島播磨重工業(現・IHI)と聞けばピンとくるかと思います。

川沿いの遊歩道は上段と下段の二段のつくりで、下段は満潮時や雨量が多いときには浸水します。干潮時の水が引いた河岸には、ウミネコやシラサギなどの水鳥が餌を採る姿を見かけることもあります。公園の北端には‘パリ広場’(日仏友好の証として作られた広場)が広がっています。御影石を敷き詰めた直径30メートルほどの円にはベンチが置かれ、川面から吹いてくるやさしい風に肌を撫でられながら、北には永代橋、西方面には中央大橋、また水上バスが残す航跡をゆったりと眺めることができます。

写真は、パリ広場の下、石川島公園の先端から臨む永代橋方面。板張りのデッキから眺めれば、まるで船首にいるような気分! スカイツリーも臨める開放的な景観に魅了されます。

昭和の街並みが魅力!佃公園

昭和の街並みが魅力!佃公園

写真:村松 佐保

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中央大橋の西側に広がる佃公園は、隅田川沿いのサクラや植物などを楽しめる緑豊かな公園です。公園内を散策していると、どこか懐かしい昭和の香りがします。下町を散策していると目に入ってくる高層ビル群の景観が、佃の独特の魅力を醸し出しているのではないでしょうか。

公園内にはさまざまな広場が整備されていますので、訪れた方々は自分時間をゆったりと過ごしています。江戸時代に使用されていた石川島灯台を復元したモニュメントの広場、ゆるやかな段差をサラサラ流れるせせらぎや噴水のある池の広場、またブランコや滑り台など小さなお子様が遊べる遊具が設置された広場もありますので、ご家族連れでも楽しむことが可能。

写真は再現された灯台のモニュメントです。江戸情緒の街並みの背景にそびえる現代的なビル群との対照がおもしろい!

佃の鎮守様!住吉神社

佃の鎮守様!住吉神社

写真:村松 佐保

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住吉神社は、1646年に現・大阪市西淀川区佃にある住吉社(現・田蓑神社)の分霊を祀って創建した歴史ある神社です。ご祭神は住吉三神である、底筒之男命(そこつつのおのみこと)、中筒之男命(なかつつのおのみこと)、表筒之男命(うわつつのおのみこと)と、息長足姫命(おきながたらしひめのみこと/神功皇后)、東照御親命(あずまてるみおやのみこと/徳川家康)。江戸湊の入口に位置した佃島では、長い間海運業や各問屋組合などの多くの方々から、海上安全や渡航安全の守護神として信仰を集め、今でも地域の拠りどころとなっています。

住吉神社の横には、佃川支川(つくだがわしせん/通称佃堀)という佃を流域とする川が流れ、堀に浮かぶ釣り船や赤い欄干の佃小橋、あたり一帯に立ち並ぶ昭和の家屋など、昔ながらの温かみのある景観が広がっています。細い路地までゆっくり散策して、懐かしい香りを楽しんでください!

お腹が空いたら“もんじゃストリート”で大満足!

お腹が空いたら“もんじゃストリート”で大満足!

写真:村松 佐保

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‘もんじゃ’の始まりは、子どもたちのおやつでした。この辺り一帯は、明治中期に隅田川河口の中洲を埋め立てて誕生した地域で家屋が密集していたため、大勢の子どもたちが住んでいました。子どもたちがおやつに駄菓子屋の店奥の鉄板で小麦粉を溶いて薄く焼いたものに醤油などをつけて食べたのが‘もんじゃ’の始まりといわれています。‘もんじゃ’という名称は、子どもたちが鉄板に文字を書いて焼いた‘文字焼’と呼ばれていたものが、いつのまにか‘もんじゃ焼き’になったといわれています。

小麦粉とソースとだしを混ぜて作った生地の上にキャベツや切りいか、あげ玉や桜えびなどお好みの具を乗せます。粗めの短冊切りに切ったキャベツが月島もんじゃの特徴です。魚介類をはじめエスニック系までお好みの具材を楽しんでください!

もんじゃ屋が何十軒も集まった“もんじゃストリート”(月島西仲通り商店街)は、月島駅7番出口からすぐです。地名は月島になりますが、佃散策で寄らない手はありません! 店舗等詳細は、下記[MEMO]「月島もんじゃ振興会協同組合」をご覧ください。

おわりに

中央区に位置する佃の街はいかがでしたでしょうか。時代の先駆けをいく地域でありながら、昭和の家屋が立ち並ぶ景観も魅力の街です。川に囲まれた恵まれた立地で、水面を吹き抜ける清らかな風に吹かれながら眺める都会の景色は最高です。都心からのアクセスも便利なので、旅の空き時間に訪れてみるのもおすすめです。時間があるときには、銀座や東京駅方面からのウォーキング散策も新鮮です。東京の旅の一コマとして心に残る素敵な時をお過ごしください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2015/08/11 訪問

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