花言葉は「華麗なる美」台北・竹子湖は白く可憐なカラーが満開!

花言葉は「華麗なる美」台北・竹子湖は白く可憐なカラーが満開!

更新日:2018/07/23 12:04

吉川 なおのプロフィール写真 吉川 なお 台湾在住ライター、元旅行会社勤務の旅行マニア
日本より温暖な台湾は、桜が2月初めに開花すると早くもお花見シーズンに入ります。寒桜、富士桜、昭和桜などさまざまな桜を愛でたあとは、白く可憐なカラーの花の出番です。

ブライダルブーケにも用いられるカラーは、台湾では3月から5月下旬にかけて見頃を迎えます。この時期の陽明山国家公園内の竹子湖一帯は、一面カラー畑に大変身!
こんなにも密集、群生しているところは日本にもないのでは?

語源はギリシャ語の「美」から

語源はギリシャ語の「美」から

写真:吉川 なお

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カラーは南アフリカ原産のサトイモ科の球根植物で、湿地を好む湿地性のものは切り花、乾燥した土地を好む畑地性のものは鉢植えにされて流通しています。

丈は70〜90cm程で、ミズバショウを大きくしたような形状です。白い花のように見えるところは仏炎苞という花びらを包む苞(ほう)で、中の黄色い棒状のものが本物の花です。白以外に、ピンク、オレンジ、黄色や紫色もあります。

竹子湖で見られるのは、湿地性の白い「オランダカイウ」。江戸時代にオランダ商船によってもたらされ、球根の形が芋に似ていることから、海を渡ってきた芋=海芋という、花のイメージとマッチしない漢字があてられています。白い部分に緑色が混じった「緑女神」も一部植えられています。

カラーという名前の語源はギリシャ語で「美」という意味の「カロス」から。また修道女の襟(カラー)に似ているからという説もあります。南アフリカでは「varkoor(豚の耳)」、英語圏では「calla lily(カラーリリー)」とも呼ばれています。

花言葉は「華麗なる美」「乙女のしとやかさ」「清浄」。
こちらは清楚な花にぴったりですね。

竹子湖でカラーが栽培されるまで

竹子湖でカラーが栽培されるまで

写真:吉川 なお

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竹子湖は、台北市の最高峰・七星山の西部にある谷地です。35万年前に七星山が噴火してできた窪地に雨水が貯まって湖となりましたが、徐々に湖縁が浸食されて湖は喪失、そこから流れ出た湖水は周辺の土地を潤し農地を育みました。

日本統治時代には、台湾で初めて桜が植えられ、蓬莱米という米も改良されました。キャベツなどの高原野菜も栽培されていましたが、やがて高速道路が開通して周辺地区と競合するようになると、いち早く方向転換し、1969年に日本からオランダカイウを導入して栽培を始めました。

標高約600m、夏でも比較的涼しく、年間を通じて雨が多い竹子湖地区は地下水にも恵まれ、カラーの生育に好適でした。
今では13ヘクタールもの栽培面積を持つ、台湾有数の栽培地となっています。

竹子湖へのアクセス

竹子湖へのアクセス

写真:吉川 なお

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花の開花時期は12月から5月末で、最も見頃を迎えるのは3月から5月です。例年、3〜4月に『竹子湖海芋季(カラーフェスティバル)』が開催され、音楽会やカラーを使ったオブジェなどが公開され、その間は多くの人が訪れて、道も畑もたいへん混雑します。

台北市内から竹子湖へは約1時間の行程です。MRT石牌駅から「小8」のバス、または北投駅から台湾好行北投竹子湖線の「小9」のバスに乗り、「竹子湖」のバス停で下りるのが一番効率のいい行き方です。北投駅から「230」に乗車し、陽明山公車總站で「108」「128」「129」「小8」「小9」「124」「131」に乗り換える方法もありますが、この場合は「竹子湖派出所」で下車しそこから徒歩30分となるバスもあるので、ご乗車前にご確認を。カラーフェスティバル期間のみ、石牌駅から「休闌車128」、北投駅から「休闌車129」が運行されています。

下湖、頂湖、東湖の3つのエリアに分かれ、カラー畑が集中しているのは下湖、頂湖の周辺です。なかでも下湖エリアは食事処や土産物店がたくさんあるので、そこを目指して行かれるといいでしょう。

カラーを間近で鑑賞

カラーを間近で鑑賞

写真:吉川 なお

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バス停から整備されている遊歩道沿いには、カラーを栽培する農家が点在しています。入場料を払ってカラー摘みができるところがほとんどで、「採海芋」という看板が目印です。

入場料は1人100元(約400円)。畑の中を散策しながら気に入ったカラーを6本〜8本(カラーの咲き具合によって変動)摘んで持って帰ることができます。

しかし残念ながら、生花は日本には持ち帰れません。摘まない場合は30元ぐらいで入場可能なので、是非、間近で愛らしいカラーを愛でましょう。

鑑賞後のお楽しみ

鑑賞後のお楽しみ

写真:吉川 なお

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カラーで気持ちが癒やされたあとは、地元の名産に舌鼓です。下湖のメインストリート沿いには、採れたての山菜や野菜、放し飼いの地鶏を使った料理を出す店が並んでいて、お腹も満たしてくれます。

この土地の名物は「放山雞」。放し飼いで育てられた鶏の旨味が堪能できます。「炒山蘇」も人気の山菜料理で、台湾では山蘇(シャンスー)と呼ばれるシダ植物の新芽に煮干しとにんにくを加えて炒めたものです。

純日本風なお休み処もあります。日本の茶屋を意識した内装で、野点席もあります。思わず写真を撮りたくなるような昔懐かしい小道具ばかりで、こんな山奥でも台湾人の親日ぶりを感じることができます。

花の時期は短いけれど感動はいつまでも

カラーの花は台湾に春を告げる風物詩。その白く美しい花々が群生する様は、この時期の竹子湖ならではの光景です。

花屋さんでしか見たことがないというあなた!今年が間に合わなければ来年でも、カラーは毎年花を咲かせて待っています。台湾に行かれたら、 台北市内からちょっと足を延ばして、陽明山へ春を感じに行ってみてはいかがでしょうか。

掲載内容は執筆時点のものです。 2015/03/29 訪問

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