ソーリオは、サンモリッツの奥にあるマロヤ峠からイタリア方面にむかって延びるブレガリア谷の奥、高台になった所にちょこんと乗っかるようにして存在する可愛いらしい村です。
村自体は、アルプス画家のセガンティーニが愛したといわれる美しい素朴な風景。セガンティーニは、この村を「天国への入り口」と言い表し、その代表的3部作のひとつ「生」のモデルにしたほど、厳かで静寂な世界が広がります。険しいギザギザ頭の山々を仰ぎ見、緑の絨毯のような牧草地の間に、統一されたグレーの石の屋根と煙突が特徴的な民家が静かに建ち並びます。
この小さな村は歩いて10分ほどで端っこにまで辿り着いてしまうくらい。村外れまで行ってしまったら、さらに丘に続く道を上ってみましょう。聞こえてくるのは、鳥のさえずりのみ。ギザギザ頭のシオーラ山群とピッツ・バディーレ(3305m)、ピッツ・チェンガロ(3369m)など迫力ある岩山の眺めにも魅了されることでしょう。
ソーリオには、サンモリッツからバスに乗って行くことができますが、ここは、敢えて、途中のヴィコソプラーノで下車し、3時間半〜4時間ほどのハイキングを楽しみながら入るコースをご紹介します。
サンモリッツからマロヤ方面行きのバスに乗り、1時間ほどのヴィコソプラーノという村で下車。この村も古くからの民家が建ち並び、美しいスグラフィティという壁絵装飾がみられます。家並みを楽しんだら、村外れに向かい川を越えて緩い坂道を上って行きます。しばらく行くと、ソーリオへの標識が現れるので、標識に従って上り坂を進みましょう。
高度を上げてくると、谷底には緑の絨毯の中にひっそり佇む村が見下ろせ、お花が足元を飾る歩きやすい道が続きます。また、谷を挟んでブレガリア山群の美しくもギザギザにとがった山並み、その背後に雪を被った山も見え、歩くのが楽しくなってきます。
やがて、狭い山道に入った後は、アップダウンの繰り返し。10か所近く滝があって、マイナスイオンを振りまき、旅の疲れを癒してくれます。
下の方には石造りのお城や教会を含めた小さな村もいくつか見られるようになり、谷を一望する眺めが見えたら、あとひといき!最後の力を振り絞ってカーブを数回曲がれば、ひっそりと佇むソーリオの姿が現れ、感動の一瞬を迎えます。しばし、言葉もなく魅入ってしまうにちがいありません!
ハイキングルートから村の中へ下りてきたら家並みを楽しみながら散策してください。
石畳の路地が迷路のように続き、その両側にはネズミ返しの板のついた木造の蔵や石段で上がる倉庫、可愛らしい窓辺に綺麗なお花で飾られた民家が建ち並んでいます。昔の洗濯場だった屋根付きの水場もあり、そこでのどを潤すのも気持ちいいかもしれません。
現在ホテル・レストランも数軒ありますが、最近は特に人気があってなかなか予約が取れないほどです。
そのうちの一つのホテル・レストラン「パラッツォ・サリス」は、17世紀頃の装飾が残る貴重な歴史遺産で、各国から植物を集めてきたといわれる庭園でも有名。予約が取れなければ、レストランの利用だけでもその雰囲気を堪能できると思いますので、ぜひランチタイムにいかがでしょうか。
ソーリオからカスタセーニャの間にはヨーロッパ最大級の栗林があり 「カッシーネ」という小屋で栗を乾燥・薫製にして保存する伝統が残っています。お土産物屋さんにも栗が並び、日本語でも表示されているほど、日本人もたくさん訪れる村です。
写真:Hiroko Oji
地図を見るハイキングをせずに、バスでソーリオまで行くのは簡単です。
サンモリッツ駅前から出るキャベンナ行きのポストバスに乗ってプロモントーニョまで行きます。
プロモントーニョでは、接続便のソーリオ行きのバスが待ってくれているのでただ乗り換えるだけでOK!
乗り換えたバスは川を渡り高度を上げてソーリオの村に入ります。
ほぼ1時間毎の運行になります。
サンモリッツから手軽に訪れることのできるソーリオ村は、バスを利用して日帰りもできますが、予約が取れたら是非ここで宿泊してください。朝夕の静けさの中でさらに心癒されることでしょう。
このバスの時刻表は、国鉄サイトで検索できますので、ご利用ください。
では、「天国への入り口」を堪能したら、元気にこの世に戻ってきてくださいね!
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(2025/2/10更新)
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