写真:フルリーナ YOC
地図を見るチーズの里アッペンツェル地方は、魅力的な小さな町や村々の周りに、なだらかな緑の牧草地の丘が連なる風光明媚な地。そして昔ながらの伝統や風習と美しい家並みが残る、魅力あふれる地方です。
この地方の中心地アッペンツェルの旧市街に足を踏み入れると、まるでお伽の世界に迷い込んだかのよう。独特の切妻屋根と。美しい壁画を持つカラフルな家々、お洒落な看板など町の魅力は尽きません。このカラフルな壁絵は20世紀初めごろから描かれるようになりました。また、16〜17世紀に建てられた教会・修道院・市庁舎、18世紀ごろに建てられた美しい古民家なども残っています。
そしてスイスの伝統を色濃く残すこの町には、昔ながらの製法を受け継ぐビールやチーズ、レースや織物、カウベル飾りなどこの地方ならではの特産品も大きな魅力。カラフルにペイントされた家々をウオッチングしながらのショッピングはワクワクしてしまいます!
写真:フルリーナ YOC
地図を見るこちらの古民家は18世紀の建物。屋根の内側に施された見事な文様と絵に目を奪われます。また、薄い板を鱗のように張り合わせた「こけら葺き」の壁を持つ古民家などもあり、旧市街が丸ごと民族博物館のようです。
この地方はアッペンツェルインナーローデン準州と呼ばれる、昔ながらの伝統や風習や文化を色濃く残す地。700年以上も<ランツゲマインデ>と呼ばれる直接民主制の「青空議会」を続けていることでも有名です。年に一度4月の最終日曜日、町の広場に住民が集まり、税制から公共事業や州法の改正など様々な議題に対して賛成・反対の討論を行います。1991年まで女性には投票権がありませんでしたが、現在では18歳以上のすべての住民に参政権があります。挙手は賛成と反対と違った色の紙をもって、その色を見てどちらが多いか判断するというもの。
住民一人一人が、責任を持って自分たちの考えを述べあい、討論し、みんなの納得のいく社会の仕組みを作っていく。そんなユートピアがこの現代社会に行われている驚きの州です。この日は町はアッペンツェルで一番大きなお祭りの日でもあり、パレードや出店も出てとっても華やかです。春の良き日、ランツゲマインデの日に合わせて訪れるのもまたいいですね!
写真:フルリーナ YOC
地図を見るさて、アッペンツェルと言えば何といってもチーズを忘れるわけにはいきません!スイス3大チーズの一つの「アッペンツェラーチーズ」は、ナッツを思わせる深くてさわやかな味わいのチーズで、フォンデュには欠かせないチーズです。そのまま食べても溶かしても美味しいくクセのないチーズですので、ぜひ味わってみてください。
製法は、薬草・スパイス・白ワイン・シードルを入れた秘伝の塩水で磨きあげ、熟成させる手の込んだチーズ。味わいはナッツのような香ばしさが特徴です。熟成期間が3〜4か月のものは<銀ラベル>でフルーティーな爽やかな風味。5〜6か月熟成のものは<金ラベル>でスパイシーで豊かなコクを持ちます。熟成が6か月以上になると<黒ラベル>で、凝縮された旨みと強い香りを持ち、チーズ通好みの味です。
街中には美味しいチーズ料理を出してくれるレストランがたくさんあります。チーズフォンデュも、もちろん美味しいですが「アッペンツェル風ラクレット」も絶品です!大きな皿に溢れんばかりに盛られた熱々アッペンツェラーチーズ!量が多いので何人かでシェアして食べるのがオススメです。
写真:フルリーナ YOC
地図を見るそして、アッペンツェル地方は町の魅力のみにあらず!周辺には絶景を誇る素晴らしい山々、湖が点在しています。アッペンツェル地方で是非訪れていただきたい絶景ポイントは、「ゼンティス」「ゼーアルプ湖」「エーベンアルプ」「ガストハウス・エッシャー」「ホーアーカステン」「クロンベルク」等など。
この写真は「ゼンティス山」の展望台からトッゲンブルグ谷側の眺めです。ゼンティス山はスイスにあって標高2502mと低めではあるものの、スイス東部の最高峰。その険しい山容と360度の素晴らしいパノラマはスイスを代表する絶景の一つです。山頂にはパノラマレストランもあり絶景をゆっくり堪能できます!また2015年12月には、ゼンティス山展望台に登るロープウェイ乗り場がある<シュヴェークアルプ(Schwägalp)>に隣接して、「ホテル・シュヴェークアルプ」が開業!
シュヴェークアルプは、ゼンティス山南の7つの山々「クールフィルステン」が連なるトッゲンブルグ地方からのバスの乗り換え地点でもあり、とても便利です。アッペンツェルからのアクセスは、ウルネッシュ(Urnäsch)まで電車で行き、バスに乗り換えます。ウルネッシュは大晦日に行われる祭り「シルヴェスタークロイゼ」で有名な村。バスの待ち時間を利用して「民族博物館」へ行けば、お祭りに使われる10キロ以上もある頭飾りやお面を見ることが出来ます。村の家々も可愛いのでぜひ散策してみてください。
写真:フルリーナ YOC
地図を見るこの地方は、数々の絶景ハイキングも楽しめます。中でもオススメは、ヴァッサーラウエン(Wasserauen)からロープウェイでエーベンアルプ(Ebenalp)に登り、そこからゼーアルプ湖(Seealpsee)を経由して、ヴァッサーラウエンまで歩くトレッキングコース。
アッペンツェルからヴァッサーラウエンは電車で10分ちょっと。絵本のように美しい緑の丘は牧草地です。右に左にシャッターを押したくなる風景が続きます。そして終点ヴァッサーラウエン駅から道の斜め向かい側にエーベンアルプへのロープウェイ乗り場があります。エーベンアルプからの眺めも素晴らしいですが、ここから少し険しい坂道を降りて、ガストハウス・エッシャー(Berggasthaus Äscher)へ向かいましょう。ここは夏は宿泊もでき、その他の季節はレストランとして営業しています。信じられないような断崖絶壁の岩肌に張り付いていて、絶景中の絶景!
そして更に坂を下って、ゼーアルプ湖へ向かいましょう。鏡のように透明な湖は周りの山々の緑を映し、この世のものとは思えないほどの美しさです。この湖に関しては、関連MEMO・「スイスの秘境・ゼーアルプ湖へ絶景ハイキング!ホエー風呂に入れるチーズ農家も!」に詳しく書きましたのでご覧ください。
そして、この地をお勧めするもう一つの理由が、最強のアッペンツェルカード。アッペンツェル地方の宿に3泊すると無料でもらえるこのカードは、近郊のゾーン内の電車やバスが無料、ゼンティスを除く絶景ポイントへの展望台へのケーブルカーが往復(2way)無料、チーズ工場見学や博物館の入場無料、タクシーのように使えるパブリックカーがゾーン内5SFの関税のみでフリーという信じられない太っ腹カードです。ゾーン内には世界遺産のあるザンクトガレンも含まれるので、とても便利です。
見所の多い地域なので「アッペンツェルカード」ゲットのためにも、絶景ゲットのためにも3泊以上の滞在をお勧めします。観光客のひしめくこともない「アッペンツェル地方」、のんびりとアルプスの醍醐味を味わえるオススメの穴場です。是非、訪れてみてくださいね。それでは皆さん、素敵な旅を!
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(2024/11/8更新)
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