三峰山は、ハイキングコースが整備された秩父の名山のひとつです。
三峯神社は、標高1102mの山頂に位置し、山並みの眺めがすばらしいです。お参りするには、バスが発着する市営駐車場から階段を上ります。階段を上がると見晴らしのよい茶屋に出ます。日本武尊も拝んだであろう山々を眺めながら、ゆっくりと参拝前に休んで心も体もリフレッシュ!
三峯神社が位置する大滝村では、ちょっと変わったじゃがいもが食べられます。じゃがいもにしては小ぶり。見晴らしのよい、三峰お犬茶屋で、味噌でんがくで売られています。食べると、もっちりとした食感に甘辛な味噌がよくからんで、クセになる味わいです。炭火で焼いてあるのもおいしさのポイントです。
このじゃがいもは、日露戦争のときに、大滝村の兵士がロシアの捕虜になり、日本に持ち帰ってきたイモから誕生しました。現地で食事として出されたジャガイモの美味しさが格別で、帰国のときにイモを携えて帰ってきたそうです。さっそく畑に植えてみると、ジャガイモよりずっと小ぶりのまったく新しいイモとして生まれ変わりました。以来、大滝村では大切に育てられ、付近に流れる川の名前をとって、「中津川いも」と呼び親しまれています。
ご当地グルメを楽しんだあとは、いよいよ神社境内へ!
お茶屋を出て道なりに進み、博物館を左手に参道を歩いていくと、表参道の朱塗りが見事な随身門(ずいしんもん)に出ます。神社を守護する門守神(かどもりかみ)を安置した神門です。1691年に建立されました。その後、再建を経て、昭和40年に改修されたのが現在の状態です。
門をくぐってまっすぐ、右手に階段があらわれ、上がると見事な彫刻と彩色が施された拝殿に到着します。神木に囲まれ、心も体も浄化されてゆく気がします。
表参道に入る手前を随身門へ行かずに右手に進むと、妙法岳をのぞむ遥拝殿(ようはいでん)です。ここで、山を拝むことができます。
平安時代、密教修験による山岳修行が盛んになりました。この三峰山へも、修験道の祖師といわれる役小角(えんのおづぬ)が登って修行をしたと伝えられています。そのときに、付近の雲取、白岩、妙法の三山を聖地と定めたと言われています。妙法岳には、三峯神社の奥宮が祀られています。
風が気持ちよく吹き抜ける拝殿の右手にある小道は、自然観察コースとして整備されている山道です。カラスアゲハ、ミヤマカラスアゲハなどの大型の蝶も見られ、旧参道になります。この道は、三峰ビジターセンターへと通じています。
神社の鳥居前をはじめ、そこかしこでおや?と思うのが、狛犬(こまいぬ)の姿です。ひょろっとスレンダーな体形は他に見ない珍しいものです。この狛犬は、神社の守護神でもある狼です。
江戸時代の1720年、入山した日光法印が山上の庵室に座っていると山中から狼があらわれました。狼がみるみる境内に満ちたことに神託を感じ、猪鹿、火盗除けとして山犬の札を信者に貸し出したところ、霊験があったことから、信仰が生まれました。
三峯神社の守護神となった狼は、大口真神(おおぐちまがみ)として祀られ、庶民に広まりました。当時、農業が盛んだったことから、猪や鹿除けとして、農家の心をとらえたようです。信仰のあり方から、土地柄を感じることができますね。
山のなかに抱かれているだけあり、境内には散策路が充実しています。丸一日ゆっくりと時間をかけて巡っても足りないくらいです。
日本武尊の5.2メートルの偉大な銅像は見物です。周囲には、斉藤茂吉などの歌碑、句碑を見ることができます。鐘楼の近くには、「三峯モミ」という県指定天然記念物である老木もあります。歴史に思いをはせながら、歩いて山の霊気を浴びて、思う存分楽しんでくださいね。
アクセスは、西武池袋線池袋駅から西武秩父駅へ出て、西武観光バスの急行便(西武秩父駅〜三峯神社)が便利です。西武秩父駅からバスで約1時間30分です。周辺観光をするなら、車の利用がおすすめです。神社前の市営駐車場が利用できます。
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