奥日光・千手ヶ浜の美しい風景の中に咲く「クリンソウ」独占鑑賞法

奥日光・千手ヶ浜の美しい風景の中に咲く「クリンソウ」独占鑑賞法

更新日:2015/05/25 16:35

鮎川 キオラのプロフィール写真 鮎川 キオラ 子どもの好奇心を育てる旅育ライター、ホテル朝食研究家
日光の中禅寺湖西側に位置する千手ヶ浜付近は、奥日光の中でも抜群の美しい風景に出会えるスポットです。一般車両の乗り入れが禁止されている為、清流の流れる自然豊かな森と湖の風景を楽しめます。特に6月中旬には、日本一美しい花とも称された「クリンソウ」が咲き誇り、毎年多くの方が訪れます。せっかくなら、静かな環境で美しい森と花畑を鑑賞してほしい。そこで、混雑を避けて訪問する方法をご紹介します。

中禅寺湖の美しさに出会うなら千手ヶ浜!!特に6月がおすすめ!!

中禅寺湖の美しさに出会うなら千手ヶ浜!!特に6月がおすすめ!!

写真:鮎川 キオラ

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日光にある中禅寺湖は、日本一標高の高い場所にある湖です。真夏は、ひんやり涼しく、秋には燃えるような山々の紅葉が楽しめる高原リゾート地としても知られています。

お土産物屋や飲食店が立ち並び、賑わう湖畔をイメージする方も多いかもしれません。中禅寺湖の美しさを堪能するなら、湖畔西側に位置する千手ヶ浜がおすすめスポットです。一般車両の乗り入れが制限されているので、車の騒音は一切聞こえず、人影もまばらです。聴こえてくるのは、湖から聞こえる静かな波の音と小鳥のさえずりがBGMの自然豊かな場所です。

特におすすめしたいのが、6月中旬頃に見頃を迎える絶滅危惧種に指定される「クリンソウ」の季節です。キラキラと眩い新緑の森の中には、清流が流れ、その水辺にクリンソウが咲く風景は、息を呑むほど美しい風景なんです。その為、このシーズンは、多くのカメラマンや花好きの旅人が訪れる季節でもあります。

どんなにその風景が美しくても、人ごみでの鑑賞は、美しいと思う気持ちが半減してしまう事があります。そこで、上手く混雑を回避して豊かな自然を独占する方法を紹介したいと思います。

絶滅危惧種「クリンソウ」ってどんな花?

絶滅危惧種「クリンソウ」ってどんな花?

写真:鮎川 キオラ

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「クリンソウ」は、日本原産のサクラソウ科の多年草です。丈夫で寒さに強いものの、暑さに弱いことから山間部の沢が流れる水辺に自生しています。

「クリンソウ」の漢字は「九輪草」と書きます。春になると茎を高さ50cmほど伸ばし、茎を囲むように約2cmほどの花を咲かせます。それが2から5段ほどの階層状に咲きあがっていく姿がお寺の屋根の「九輪」に似ていることからその名が付いたと言われています。

階層上に咲く花弁は、下から上へと咲き上がっていきますので、比較的長い期間開花を楽しむことができます。群生地のひとつである奥日光の千手ヶ浜付近では、例年6月上旬に咲き始め、6月下旬までの約1ヶ月にわたり鑑賞することができます。

【日光クリンソウ群生地情報】
・千手ヶ浜バス停付近
・千手ヶ浜バス停から中禅寺湖へ出て、湖畔沿いを右手に歩10分程度

混雑する時間には法則があった!!

混雑する時間には法則があった!!

写真:鮎川 キオラ

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群生地である千手ヶ浜までのアクセスですが、平成5年よりタクシーも含め一般車両通行止めとなっています。その為、アクセス方法は、徒歩、低公害バス、船で訪れることができます。

徒歩以外の公共交通手段を利用した場合は、低公害バスなら午前8時以降、1時間に1〜2本程度運行し、船なら船の駅中禅寺から出航する午後3本の運行スケジュールとなります。その運行に合わせて人がどっと押し寄せ、どっと帰っていきます。言い換えれば、バスや船が到着する前と出発した後こそ、人影がまばらになる独占鑑賞タイムの到来なのです。

静かに独占鑑賞するアクセス方法

静かに独占鑑賞するアクセス方法

写真:鮎川 キオラ

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一般車両通行止めとなる赤沼車庫付近から千手ヶ浜までの道のりは、平坦で歩きやすく、清流のせせらぎと新緑に癒される最高の森林浴を楽しめるコースです。赤沼車庫から千手ヶ浜まで歩いた場合の所要時間は、片道3時間ほどとなります。バスは、本数も少なくシーズン中は混雑しますので、往路は奥日光のおいしい空気を胸いっぱいに吸い込みながらハイキングすることをおすすめします。

そして、もう一つのアクセス方法が、自転車です。自転車は、筆者が一番おすすめしたい方法です。豊かな自然を守るためにはじまった一般車両規制は、平成5年からとなります。それ以前は、日光市道として利用されていた普通の道路となります。現在は、定期運行している低公害バスしか利用していません。その為、整備された道路を気持ちよくサイクリングできる環境が整っているのです。

レンタサイクルできる場所が近くにありませんので、持参しなくてはなりませんが、自転車なら景色のいいところで寄り道しながらでも片道1時間ほどでスイスイ進むことができます。自転車のいい点は、帰りの最終バス時間や歩いて帰る時間を気にする必要もないことですね。千手ヶ浜(写真)の湖畔に腰掛けてのんびりお弁当を食べる時間も十分に取れます。旅先では、時間に追われない時を過ごしたいものですね。

可憐な奥日光の草花たち

クリンソウの英語名は、「Primula Japonica」です。「Primula」の語源は、「最初の」を意味するそうです。クリンソウの開花とともに奥日光には次々と夏を告げる花が咲き始めます。クリンソウの開花と時期を同じくして、近くの戦場ヶ原では白くて可愛らしいワタスゲも見頃を迎えます。奥日光の短い夏を華やかに彩る可愛らしい草花をぜひお楽しみください。

今回は、混雑を避けるために公共交通を利用しない方法をご紹介しました。一番のおすすめはサイクリングですが、持参するのが大変な方には、徒歩をおすすめします。徒歩の場合は、片道3時間、往復6時間ほどとなりますので、体力的にはキツイと思われる方は、バスや船を片道のみ利用するなど体力に合わせたスケジュールを立ててみてください。

混雑が予想される低公害バスは、6月から11月までの土日祝日のみ早朝運行も予定されています。混雑回避は、他の人の行動時間と少しだけズラしてみること!!往復バスを利用する方は、お早めに現地入りすることをおすすめします。公共交通機関の運行スケジュールは、MEMO欄のHPを確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2014/06/14 訪問

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