写真:乾口 達司
地図を見る天理参考館は、江戸時代末期に成立した天理教と深いかかわりを持っています。天理教二代真柱・中山正善が天理教を海外に広める人材を育てるためにはその国の言語だけではなく、風俗や習慣に通じていなければならないことを提唱したのをきっかけにして、世界各地の資料が蒐集されることとなりました。現在、所蔵されている資料は約30万点!しかも、それらは一般にも広く公開されています。
展示室の入口に置かれているのは、ご覧の石像。いまから3000年前に栄えたエジプト最古の文明「オルメカ文明」を代表するオルメカ石頭像のレプリカですが、これから目にする文物がいかに魅力的であるかを暗示しているかのようです。
写真:乾口 達司
地図を見る天理参考館は旧石器時代にはじまった「布留遺跡」の上に建てられています。館内には布留遺跡から出土した埴輪なども展示されていますが、その意味でもまさしくうってつけの立地にある博物館であるといえるでしょう。
写真:乾口 達司
地図を見る「世界の生活文化」コーナーの収蔵品はアイヌ文化からはじまり、韓国・中国・インド・東南アジア、中東、アメリカ大陸にまで広がっています。
写真の奇怪な造型物、いったい何だと思いますか?これは朝鮮半島に見られる「チャンスン(長生標)」。村落の出入り口に立てられ、魔除けとしての役割のほか、里程標としての機能を持っていました。
写真:乾口 達司
地図を見るこちらの仮面は、韓国の伝統仮面劇「タルチュム」で使われるもの。このユーモアに富んだ表情、ご覧ください。日本の能楽で使われる小面などとは違った表情の豊かさが、韓国の仮面の特徴です。
写真:乾口 達司
地図を見るこちらはパプアニューギニアの精霊像。精霊像は男性しか立ち入ることを許されなかった精霊堂のなかに安置されていました。
パプアニューギニアでは、自然界にさまざまな精霊が存在すると考えられ、それは畏怖の対象となっていました。それだけに人々は精霊に偉大な力の存在を認め、さまざまな精霊像を作ることによってその力にあやかろうとしたのです。
写真:乾口 達司
地図を見るこちらは中国の「幌子」。幌子とは、商店の店先に吊るされた商品の実物や模型、商品を暗示する造り物の看板のこと。幌子を見れば、そのお店が何を販売しているのかがわかります。
たとえば、中央の「目」が描かれているのは、目薬屋の幌子です。
写真:乾口 達司
地図を見る写真は「チュチャワ」と呼ばれる筏。頭と四肢を切り取ったヒツジの胴体をふくらませて袋状にし、それを並べて木枠をはめこんだもの。黄河上流域に暮らすチベット族が使っていました。
動物を浮きとして利用するとは、世界は広いなと思わせますね。
写真:乾口 達司
地図を見る「世界の考古美術」には、国内外で蒐集された埴輪や土器、青銅器、唐三彩、石造物などが多数展示されています。
たとえば、こちらはその日本国内の文物を展示したコーナーの一部。 一番手前の細長い筒型の文物はいったい何だと思いますか?これは岡山県南部の最高峰「熊山」の山中にある「熊山遺跡」からの出土物。熊山には33ヵ所に及ぶ石積遺構が所在しており、熊山遺跡はそのなかでも最大の石積遺構です。その形状はピラミッドのような形をした三段方形から成り、写真の筒型容器はそのなかにおさめられていました。
ほかに類例を見ない文物ゆえ、ぜひ、ご覧ください。
写真:乾口 達司
地図を見るこちらは中国・唐代の「三彩釉角端」。一見、牛のように見えますが、よく見ると、鼻は象のように長く、角は二股に分かれています。造型的に類例のないものであり、天理参考館の所蔵品を代表する文物であるといえるでしょう。
写真:乾口 達司
地図を見る人物の顔をかたどったこちらの床面モザイクは、5世紀ないし6世紀にシリアで作られたもの。アカンサスの葉が男性の顔をかこんでいるという構図となっています。
写真:乾口 達司
地図を見る南北アメリカへの移民は、明治初年代以降、継続的に続けられました。天理参考館では彼らの足跡や海外での暮らしを伝える資料も多数展示されています。
写真はブラジルに渡った信者の家を実寸サイズで復元したもの。彼らが住み慣れない環境でどのような苦しい生活を送っていたかを知るのに格好の資料です。
写真:乾口 達司
地図を見る写真は三味線や胡弓といった楽器類ですが、私たちがよく知る三味線や胡弓とどこか違うと思いませんか?それもそのはず、これらはすべて素人による手作り楽器なのです。
海外に渡航した日本人が現地で三味線や胡弓を作ろうとしても、その素材を調達することが出来ません。彼らは板切れや空き缶、包装紙、布など手近にあるもので胴を作り、釣り糸や針金で玄を張って、三味線や胡弓を作りました。こういった手作り楽器からも、海外移民の苦難の歴史を垣間見ることが出来るでしょう。
天理参考館がいかに貴重な資料・文物を多数所蔵・展示した博物館であるか、おわかりいただけたでしょうか。さまざまなテーマにもとづく特別展も定期的にもよおされているので、何度、訪れても決して見飽きることはありません。奈良を訪れたら当館に足を運び、その素晴らしい収蔵品の数々をご堪能ください。
住所:奈良県天理市守目堂町250番地
電話番号:0743-63-8414
アクセス:天理駅より徒歩約15分
2023年11月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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(2024/12/6更新)
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