徳冨蘆花が暮らした桃源郷 東京「蘆花恒春園」かやぶき屋根と緑いっぱいの庭に癒やされる

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徳冨蘆花が暮らした桃源郷 東京「蘆花恒春園」かやぶき屋根と緑いっぱいの庭に癒やされる

徳冨蘆花が暮らした桃源郷 東京「蘆花恒春園」かやぶき屋根と緑いっぱいの庭に癒やされる

更新日:2015/05/28 15:07

滝川 リョウのプロフィール写真 滝川 リョウ

東京世田谷、住宅地の一角に森のように広がる「蘆花恒春園(ろかこうしゅんえん)」。都の指定史跡となっており、明治期の作家、徳冨蘆花(とくとみろか)が暮らしたかやぶき家屋や庭が現存しています。当時の面影を残す庭には大きく育った木々がいっぱい。併設の「蘆花記念館」で一人の作家の人生を垣間見つつ、緑あふれる庭の小路を散策すれば、ここが現代の東京だということを忘れてしまう不思議な感覚へ誘われます。

蘆花恒春園でかやぶき屋根の家に入ってみよう!

蘆花恒春園でかやぶき屋根の家に入ってみよう!

写真:滝川 リョウ

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明治の文豪・徳冨蘆花が「蘆花恒春園」へ移り住んだのは明治40年のこと。都会の喧騒を離れ、東京青山から、当時はまだ村だった原野に等しい場所に居を構えます。それから、晩年にいたる20年の歳月を過ごしました。

「蘆花恒春園」では、蘆花が実際に暮らした「母屋」「梅花書院」「秋水書院」を無料で公開しています。かやぶき屋根が印象的な母屋や書院のなかに立ち入ると、匂い立つような柱や壁、畳から当時の様子をうかがい知ることができます。

蘆花の代表作「不如帰(ホトトギス)」は残念ながら「蘆花恒春園」で書かれたものではありませんが、「みみずのたはこと」「黒い眼と茶色い眼」といった作品は、移住後に出版されたものですので、おそらくこの地で書かれたものでしょう。

蘆花記念館にはロシアの文豪トルストイの手紙も展示!

蘆花記念館にはロシアの文豪トルストイの手紙も展示!

写真:滝川 リョウ

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徳冨蘆花という作家になじみのない方も、併設の「蘆花記念館」を訪れれば、作家の作品の概要や、人生の一端に触れることができます。ビデオ上映による説明が行われているほか、当時の写真や、蘆花ゆかりの品々が展示されています。

展示物のなかで特に興味深いのは、ロシアの文豪トルストイからの手紙です。展示室の一角、ガラスケースの中に収められた手紙には、トルストイが蘆花に宛てた生き生きとした言葉がつづられています。見学者用に日本語の対訳がついていますので、ここを訪れた際にはぜひご一読されることをおすすめします。

――トルストイの人道主義に深く共感した徳冨蘆花。手紙のやり取りなどを介して、トルストイ訪問の夢を叶えます。明治39年、ロシアのヤスナヤーポリヤナ(トルストイ宅)を訪れ、5日間滞在しました。そして、別れ際トルストイがつぶやいた一言で「蘆花恒春園」での生活を決意します。「トクトミ、君は農業で生活することはできないかね?」

蘆花恒春園は徳冨蘆花の愛した自然がいっぱい

蘆花恒春園は徳冨蘆花の愛した自然がいっぱい

写真:滝川 リョウ

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トルストイの言葉に感化され移住を決めた蘆花は、当時の北多摩郡千歳村粕谷の敷地を「恒春園」と名付けると、自らを「美的百姓」と呼び、まさに晴耕雨読の農業生活を送りました。

憧れの人の一言って、人生を変えてしまうほどの影響力があるんだなと改めて感じさせるエピソードです。

「蘆花恒春園」では、そんな蘆花の好んだ孟宗竹(モウソウチク)や、クヌギ、コナラなどの落葉の高木が空に向かって大きく緑の葉を茂らせています。いわゆる庭園とは異なり、雑木林といった様相ですが、自然を愛しその中で暮らすようになった徳冨蘆花ならではの、まさに桃源郷といった庭となっています。

蘆花恒春園の花の丘では四季折々の花々が咲く

蘆花恒春園の花の丘では四季折々の花々が咲く

写真:滝川 リョウ

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徳冨蘆花の没後、愛子夫人は土地、住宅、樹木、原稿、生活用具その他遺品一切を東京都に寄贈しました。それから「蘆花恒春園」は東京都の公園として開園。拡張により現在、80,000平米という広大な敷地を有するに至っています。

「花の丘」と呼ばれる場所では、桜や藤棚、萩のトンネルなど四季折々の花が咲き誇り、公園を華やかに彩ります。花壇では季節ごとに、菜の花、ひまわり、コスモスなどのかわいらしい草花を身近で楽しむこともできます。

まとめ

「蘆花恒春園」は作家・徳冨蘆花の暮らした家や庭を今に伝える貴重な史跡です。と同時に、雑木林、季節の花々で彩る花壇など、都会にいながら自然を楽しむことができる場所でもあります。

敷地内には「児童公園」のほか「アスレチック広場」も併設され、多種多様なアスレチック施設を使った筋力トレーニングも行えます。また、大型犬用と小型犬用に分かれた「ドッグラン」もあるなど、「蘆花恒春園」は大人から子供、ペットまで楽しめるアウトドアフィールドにもなっています。
ピクニック気分で「蘆花恒春園」に出かけてみてはいかがでしょうか?おススメです!

<アクセス>
京王線・千歳烏山駅、芦花公園駅、八幡山駅南口からいずれも徒歩15分

掲載内容は執筆時点のものです。

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