狭山丘陵、里山の妖精ゼフィルスの舞う「野山北・六道山公園」へ

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狭山丘陵、里山の妖精ゼフィルスの舞う「野山北・六道山公園」へ

狭山丘陵、里山の妖精ゼフィルスの舞う「野山北・六道山公園」へ

更新日:2015/06/03 10:21

鷹野 圭のプロフィール写真 鷹野 圭 首都圏自然ライター

人気アニメの舞台モデルとされ、その名も“トトロの森”の愛称で親しまれる狭山丘陵。池袋から1時間程で行ける立地で、西武園ゆうえんちや西武ライオンズの本拠地も有名ですが、近年では昔ながらの貴重な里山環境が保全された自然地としても注目されています。絶滅が心配される猛禽類や、爬虫類、両生類、そして数え切れないほどの昆虫が暮らす楽園……そんな狭山丘陵でもとりわけ生物種の多い野山北・六道山公園を散策してみましょう。

深緑に包まれる真夏の里山で、かつての農村風景にほっこり

深緑に包まれる真夏の里山で、かつての農村風景にほっこり

写真:鷹野 圭

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夏、青々と茂る森林に囲まれた山間に、キラキラと輝く水田が広がり、その奥に見えるのは茅葺き屋根の昔ながらの古民家。家の傍らには畑が広がり、よく見ればスイカが実っている……そんな、数十年前まではごく普通だった里山景観がここにはあります。写真は公園内の谷戸の一角「岸田んぼ」の光景。ご覧の通り立派な古民家(里山民家)があり、谷戸ひいては公園全体のシンボルとなっています。ちなみに小さくて申し訳ないですが、中央の畦道にカルガモが出てきているのがわかりますでしょうか? こうした鳥がごく普通に姿を現すなど、農薬を使わない、健全な環境がキープされた里山であることがよくわかります。冬場になれば、北国や山地からやってきた冬鳥たちの楽園となり、シロハラやカシラダカ、ジョウビタキなどがごく普通に見られるようになります。

ちなみにここ野山北・六道山公園は、山あり谷ありの狭山丘陵の中でもとりわけ起伏が激しく、林道を歩けばちょっとしたハイキング気分に。散策するとなかなか歩き応えがありますが、雑木林から湿地帯、そして谷戸の農村と、色々な風景が楽しめます。もちろん、高台から見晴らすパノラマも魅力! 最高点の展望台からは東京スカイツリーや新宿の高層ビル群、そして天気が良ければ富士山まで見えますよ。

古民家で、古き良き里山文化に触れながら一休み

古民家で、古き良き里山文化に触れながら一休み

写真:鷹野 圭

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岸田んぼの古民家に入ってみましょう。
昔ながらの囲炉裏があり、冬場には暖をとることができるのはもちろん、時には地産の野菜の入ったお味噌汁などをいただけることもあります。室内に置かれた箪笥やちゃぶ台など、一つひとつの家具を見てもどこか懐かしさを覚えることでしょう。上記の通り野山北・六道山公園は一通り散策するだけでも結構運動になりますので、自然とここで小休止をとりたくなるはず。公道から然程離れているわけではないにも拘らず、森に囲まれているためかとても静かですので、腰を下ろしてリラックスするにはピッタリです。

民家の庭には、木臼などの農具を収納するための木造の倉庫や、古風ながらも頑丈そうな蔵など、時代を感じるコンテンツが満載。田舎に遊びに来たような感覚で、のんびりとお過ごしください。

オカトラノオの大群落はじめ、山野草も要チェック!

オカトラノオの大群落はじめ、山野草も要チェック!

写真:鷹野 圭

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写真の白い花がオカトラノオ。夏の公園を象徴する山野草です。近くで見るとわかるのですが、とても小さな白い花がたくさん集まり、まるで動物の尻尾のような形を作っています。花は6月後半〜7月にピークを迎え、基本的には少し湿った谷戸や林道・林床などで、写真のように群生します。

野山北・六道山公園のみならず、狭山公園を始めとした狭山丘陵全域で群落を見かけますので、狭山丘陵の夏を象徴する花と言ってもいいでしょう。白色の大きな花穂が一斉に咲く様は、緑に包まれる里山においてもよく目立ち、美しいです。ちなみにこのオカトラノオは、昆虫たちにとっても魅力的な食事の場。大きなアゲハチョウから小さなセセリチョウ、シジミチョウに至るまで、蜜を吸っているシーンをよく見かけます。昆虫観察をしたいのであれば、オカトラノオの群落は要チェックです!

季節が変わって春先には、人気のカタクリなども見られます。その他季節ごとの山野草が見られますので、時間をおいて何度か訪れてみるといいでしょう。

里山を象徴する多彩な生きものとは?

里山を象徴する多彩な生きものとは?

写真:鷹野 圭

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人の適度な手入れによって林床に日が当たり、多様な植物が育つ健全な雑木林環境が維持された野山北・六道山公園では、それらの植物を糧とする動物の種類もまた多く、とりわけ昆虫類は豊富で、夏場はぶらりと散策するだけでも相当数の種と遭遇できます。写真のようなカブトムシが、昼間に姿を現すなんてことも! その他、カミキリムシの仲間が林道などによく姿を現します。あまりにも昆虫と遭遇する機会が多い中、その都度何という名前なのか気になるもの……。ポケットサイズの昆虫図鑑などを持ち歩くと、面白さが倍増します。

もちろん、ハチやマムシなどの危険な生きものもいる可能性がありますので、散策の際は注意! 虫よけを持ったり、肌を露出しない服装を選ぶなり、最低限の対策は怠らないようにしましょう。

里山の妖精 ゼフィルスを探そう!

里山の妖精 ゼフィルスを探そう!

写真:鷹野 圭

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ゼフィルスというのは、主に夏場に出現する、木の上で生活するシジミチョウのこと。翅の色が美しい種が多く、昆虫ファンにとっては憧れの的です。近年は環境の変化のためか、首都圏ではあまり見る機会がなくなり、希少価値が高まっています。しかし健全な環境が整った里山ではまだまだ健在な様子。道端の葉っぱの上や木の枝などをチェックすると、目にすることもあるはずです。

写真のチョウはゼフィルスの一種 アカシジミ。畦道の低木に降りてきていました。樹上生活がメインとはいえど地表近くまで下りてくることも結構ありますので、周囲を雑木林で囲まれたこの公園ではかなりの高確率で見られます。ちなみに写真で見えている翅は裏側。表側は鮮やかなオレンジ一色で、一見の価値ありの美しさです。

その自然度の高さは関東随一。生物多様性豊かな里山の見本です

生物多様性という言葉が一般的に認知されるようになってきた昨今、人と野生の動植物が共存する「里山」という環境は急激に注目が高まってきています。そうした中でここ野山北・六道山公園は都心からのアクセスがそこそこ良いながらも、かつての日本の農耕地域さながらの自然が残された稀有なスポット。1日かけてじっくりと歩き回ってみると、その生きものの豊富さに驚かされること請け合いです。

地方まで足を運ぶ余裕はないけれど、自然を満喫したい……そんな方にピッタリの野山北・六道山公園でございます。


【アクセス等】
所在/東京都武蔵村山市三ツ木4-2
アクセス/JR立川駅よりバス「箱根ヶ崎駅」または「三ツ藤住宅」行きで約50分、バス停「峰」下車後、徒歩10分

掲載内容は執筆時点のものです。 2014/07/06 訪問

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