写真:塚本 隆司
地図を見るあまり知られていなくても、行ってみれば驚くほど良かったという観光スポットがあります。「玄武洞公園」もそのひとつ。見れば見るほど、知れば知るほど興味がわいてくる神秘のスポットです。
城崎温泉から車で約10分のところにあり、温泉と合わせて気軽に立ち寄れるスポットです。
写真:塚本 隆司
地図を見る2022年8月にリニューアルオープンし、イベントステージの設置やベンチを多くするなどの再整備がされています。維持管理を目的に有料化(大人500円、学生300円、中学生以下無料)され、今後もさらなる公園整備が進められていく予定です。
見学に関しては、ぜひ無料の案内ガイドを依頼することをおすすめします。ただ眺めるだけよりも、もっと楽しめます。事前に予約をすることをおすすめします。
写真:塚本 隆司
地図を見る玄武洞公園は「柱状節理」とよばれる石柱が、まるで古代建造物かのように並んでいます。石柱の断面は6角形で亀甲に似ていることから「玄武洞」と江戸時代後期に命名されました。
古くから景勝地として知られ、1931(昭和6)年に「玄武洞」と「青龍洞」は国の天然記念物に指定されました。
公園には5つの洞があり、玄武・青龍・白虎・朱雀(南朱雀・北朱雀)と四神の名を持っています。玄武以外は大正時代に観光用として命名されたものですが、名前負けをしない神聖さが感じられ、古くからパワースポットであったことがうかがえます。
ちなみに「玄武岩」の名は、この「玄武洞」にちなんで1884(明治17)年に命名されました。英名では「basalt」。石言葉は「生命力を高め、魔を寄せつけない」と、パワーストーンそのものです。
写真:塚本 隆司
地図を見る写真が玄武洞です。大きさがわかるでしょうか?
写真の下の方をよく見てください。ベンチに人が腰をかけています。圧倒される大きさです。人工物かのように石柱が並び、縦・横・斜めと伸びています。洞窟は、石を採掘するために掘り出された跡です。
玄武洞公園の地形は、約160万年前の火山噴火で流れ出た溶岩が固まったものです。溶岩が徐々に冷えていく過程で、表面は収縮し割れ目が生じ、割れ目は冷え具合にあわせ、規則的に内部へと伸び、やがて「柱状節理」と呼ばれる石の柱となります。
東尋坊(福井県坂井市)やジャイアンツ・コーズウェー(イギリス・世界遺産)・澎湖玄武岩自然保護区(台湾・世界遺産候補)などでも見られます。
約160万年前の火山噴火でできた玄武洞からは、貴重な発見がありました。それは「地磁気逆転」の世界的な発見です。ここの玄武岩が、地球のNS極が反対になっていたことを記憶しているのです。なぜかは難しくて説明できません(入場ゲート前の休憩室に解説があります)が、少なくとも過去360万年の間に11回は地磁気が逆転しているそうです。
写真:塚本 隆司
地図を見る玄武岩は、切り出しやすいことから石垣や庭石・護岸工事など豊岡市内の各所で使われてきました。現在は、天然記念物なので、法律によって持ち帰ることは固く禁じられています。
写真:塚本 隆司
地図を見る写真は、城崎温泉街を流れる大谿川(おおたにがわ)です。風情ある石垣のような護岸は、玄武岩が積まれています。大谿川の場合は、切り出した石ではなく、大正時代の大地震で崩れた石が、被害を受けた街の復興のために使われました。
写真:塚本 隆司
地図を見る玄武洞から青龍洞に向かう途中、見晴らしのいい場所があり、円山川と周辺の風景を一望することができます。玄武洞ができた約160万年前の火山噴火がもたらした地形の変化によって生まれた風景です。
流れの緩やかな円山川には、ヨシ原や河畔林が広がり、多くの野鳥が集まって来ます。日本では絶滅していたコウノトリの繁殖・野生復帰を果たしたのもこの地です。繁殖シーズン(2月頃〜7月頃)には、人工巣塔上で巣作りに励むコウノトリやヒナの姿を見ることができるかも知れません。
写真:塚本 隆司
地図を見る「青龍洞」の、迫力ある柱状節理の絶壁にも驚かされるはずです。高さ33メートル、幅40メートル。最も長い節理は15メートルもあり圧巻の迫力。うねるように伸びる節理から「龍が昇る姿に似ている」と青龍洞と呼ばれるようになったといいます。
洞の下には池があり、日のあたり具合で水面に節理が映り、幻想的な光景が広がります、雨上がりの晴れ間には虹がかかるとか。自然の偉大さが伝わってくるパワースポットであり、いつまでも眺めていられます。
写真:塚本 隆司
地図を見る柱状節理の高いところには、今にも落ちそうな石があります。なかなか落ちないことから受験シーズンには「落ちない石」にあやかろうと、多くの受験生らが願掛けに訪れています。
写真:塚本 隆司
地図を見る玄武洞や青龍洞の他に、白虎洞・南朱雀洞・北朱雀洞があります。規模は小さいものの、それぞれに見どころがあります。
写真は白虎洞。横に伸びた節理の断面が、積まれた石垣のように見えます。白虎洞には「ハート型の石」があるとか。見つけられれば「恋心を満たしてくれる」パワースポットといわれています。
写真:塚本 隆司
地図を見る南朱雀洞では、よく晴れた日の午後に洞の中へ光が差し込んだ時、湧水により揺れる水面(みなも)に光が反射し、天井部に幻想的な光景が映し出されます。まるで朱雀(中国の伝説上の神獣(神鳥))が羽をはためかしているかのようだといわれています。
写真:塚本 隆司
地図を見る最も奥にあるのが、写真の北朱雀洞です。名前は、朱雀が羽を広げた姿のように見えることに由来しています。
それぞれの洞に向かう道や階段は、玄武岩でできています。雨や雪の日など、すべりやすいのでご注意ください。
写真:塚本 隆司
地図を見る入園口の外にある休憩所には、玄武洞をとりまく地形の話や地磁気逆転の話など、地球の不思議について解説されています。玄武岩などを手に取って観察できるコーナーもあるので、勉強になります。入園前に目を通しておくのがいいかも知れません。
お土産などは、駐車場のとなりにある玄武洞ミュージアムで買い求めることができます。
春から夏にかけてはアジサイやツツジの花が咲き、秋から冬にかけては紅葉やライトアップイベント、特別プログラムの開催など、季節によって玄武洞のいろいろな表情が楽しめることも魅力のひとつとなっています。
城崎温泉に行くなら、ぜひ立ち寄って欲しいスポット「玄武洞公園」。見ないで帰るのはもったいないです。
住所:兵庫県豊岡市赤石1347
電話番号:0796-22-4774
入園料:大人500円、学生300円、中学生以下無料
駐車場:無料(普通車70台)
定休日:12/29〜翌年1/3(臨時休園日あり)
アクセス:JR豊岡駅から車でおよそ15分 城崎温泉駅から10分、両駅共にレンタサイクルあり
注意事項:JR玄武洞駅は円山川を挟んだ対岸にあり、玄武洞へは歩いて行けません。円山川を渡る「玄武洞ミュージアム」行きの送迎船(片道大人400円)を利用する必要があります。基本事前予約(当日可)が必要です。(玄武洞ミュージアム 0796-23-3821)
2022年9月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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