京都の芸術美の魅力を体感!「琳派四百年記念祭」で巡る京の町

京都の芸術美の魅力を体感!「琳派四百年記念祭」で巡る京の町

更新日:2015/06/15 16:06

いま琳派が熱い注目を集めています。
琳派とは、尾形光琳や俵屋宗達が江戸時代の京都に花開かせた芸術の一流派のことを指します。絵画の背景を金箔で彩る等、華やかでオリジナリティ溢れる構図やデザインをその特徴としています。
2015年は琳派が誕生して400年、それを祝して京都では「琳派四百年記念祭」が催されています。記念イベントを開催する美術館や博物館と共に、琳派ゆかりのお寺もあわせてご紹介したいと思います。

森の奥の美術館 相国寺承天閣美術館

森の奥の美術館 相国寺承天閣美術館
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緑豊かな京都御所の北隣に、相国寺の伽藍が並んでいます。

松並木のなかにそびえる法堂のさらに奥、手入れの行き届いた緑のアプローチの先に、和の情緒を漂わせる承天閣美術館がひっそりと佇んでいます。

承天閣美術館には俵屋宗達『蔦の細道図』をはじめとする琳派作品が収蔵されています。琳派四百年記念祭『伊藤若冲と琳派の世界』展ではそれらの作品とともに、奇想の画家ともいわれる伊藤若冲の名作が私達の目を楽しませてくれます。

開催期間:2015年4月4日〜2015年9月23日

琳派の立体迷路 細見美術館

琳派の立体迷路 細見美術館
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京都岡崎の文化ゾーンに隣接して立つ細見美術館は、窓の少ない壁面で構成された箱状のスタイリッシュな外観が印象的です。

館内の中央部は吹き抜けになっており、その空間を囲むように区画された展示室やカフェレストランが階段や回廊で結ばれています。館内はまるでちょっとした立体迷路のようです。

琳派美術館とも呼ばれる細見美術館には、酒井抱一『松風村雨図』や神坂雪佳『金魚玉図』など多くの琳派作品が収蔵されています。
琳派作品と現代美術作家によるコラボレーション企画『琳派四百年古今展―細見コレクションと京の現代美術作家―』では、進化し続ける琳派の今≠ノ触れることができます。

開催期間:2015年5月23日〜2015年7月12日

美のアミューズメントパーク 京都国立博物館

美のアミューズメントパーク 京都国立博物館
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赤レンガのレトロな建物(明治古都館)でお馴染みの京都国立博物館には国宝や重要文化財など五千点を越える作品が収蔵されています。
明治古都館と平成知新館というふたつの展示施設に加え、カフェやレストラン、ミュージアムショップに茶室までをも併設する京都国立博物館は、美のアミューズメントパークといった趣があります。

京都国立博物館には、尾形光琳の『太公望図』や、俵屋宗達の最高傑作『風神雷神図』が館蔵されています。2015年秋からは、琳派四百年記念祭のハイライトというべき特別展覧会『琳派―京(みやこ)を彩る―』がスタート。琳派ファンならずとも目が離せません。

開催期間:2015年10月10日〜2015年11月23日

尾形光琳ゆかりの寺 妙顕寺

尾形光琳ゆかりの寺 妙顕寺
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琳派を確立した尾形光琳。この偉大な絵師が画業に打ち込むようになったきっかけは一風かわっているといいます。

裕福な商家に生を受けた尾形光琳でしたが、遊び好きが高じ若くして財産を使い果たしてしまいます。経済的困窮をどうにか脱しようと四十歳を超えた光琳が選んだのが絵師の道だったとか。そのような環境から、国宝を含む数々の名画を後世に残した尾形光琳には、天才という言葉がもっともふさわしいのかもしれません。

そんな異色の絵師・尾形光琳のお墓が京都御所からほど近い妙顕寺にあります。派手好きだったと伝わる尾形光琳ですが、いまは訪れる人も少なく墓所は静寂に包まれています。

おわりに

ご紹介した美術館や寺院は、いずれもが京都の市街地に位置しており、レンタサイクルや公共交通機関を利用すると、一日で見て回ることができます。
この他にも、町中には「琳派四百年記念祭」に参加する美術館や、琳派ゆかりの寺院が点在しています。

足を止めて静かな鑑賞の時を過ごすと、琳派の魅力がより身近なものとなるのかもしれません。

掲載内容は執筆時点のものです。 2015/05/24−2015/06/07 訪問

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