羊神社は、1838年に再建された神社で1,000年以上の歴史がある由緒正しい神社です。平安時代927年(延長5年)に編纂された全国の寺社一覧表ともいえる延喜式神名帳には「山田郡羊神社」という記載が認められます。
この延喜式神名帳にのった寺社は、式内社(しきないしゃ)と呼ばれ朝廷から認められた、という証拠でもあり、格式がある寺社だとも言えるでしょう。
羊神社は上飯田駅から徒歩5分程度の距離にあり、辻(現辻町)の住宅街の中にひっそりと佇ずむ小さな神社です。この地の「辻」はもともとは「ひつじ」から「火辻」になり、その後「辻」になったのではないかと伝えられています。
普段はとても静かな羊神社ですが、12年に一度、干支の年の正月に限っては多くの人が訪れるためかなり混雑します。あえてお正月の時期を外して訪れるのもいいかもしれません。
手水舎にも仔羊が見えるように、羊神社の境内を見渡すといたるところに羊をかたどった像やレリーフが見つけられるでしょう。
ではなぜ羊神社は羊神社と呼ばれるようになったのか。
その由来は、群馬県多野郡にある特別史跡で、日本三大古碑の一つに数えられる「多胡碑」に記されている羊太夫から来ていると伝えられています。この地の領主だった羊太夫が、奈良の都へと参上する際に立ち寄った屋敷が現辻町にあり、彼が人心をやすらかにと願って火之迦具土神を祀って建立したため、彼の名にちなんで羊神社と呼ばれるようになったそうです。
群馬県にある羊神社にも多胡羊太夫の伝説が根強く残っており、地元の人々には羊さまと呼ばれ信仰の対象になっています。
決して名古屋の羊神社と群馬県の羊神社は名前が偶然一緒だったというわけではないのが興味深いですね!
通常、神社の入り口あるいは本殿の手前には一対の狛犬が魔除けとして置かれていることが多いのですが、狛犬以外の動物が置かれていることもあります。例えば、稲荷神社は狐、春日大社なら鹿、出雲大社は蛇が、神の使いとして祀られています。
ここ、羊神社ではもちろん羊が祀られているのですが、珍しいのが親子の羊が一緒の台座で同じ方向をむいて設置されていること。デフォルメされた羊ではなく妙にリアルなのも参拝客の目を惹きつける要因の一つかもしれません。
ちなみに、すべての干支を祀っている神社もあり、京都なら下鴨神社、小倉神社、いなり大神、奈良なら新薬師寺があげられます。
羊神社の絵馬はもちろん羊絵馬。家庭円満を願う可愛らしいデザインです。また、羊の絵がついたお守りなども販売されていますが、ふだんの日は社務所は無人であることが多いので、お守りや御朱印をどうしても希望される方は、お正月時期に行くことをおすすめします。
日本中で親子の狛羊が見られるのはここだけ!この羊像のように、家族がそっと寄り添いあっていつまでも家庭円満でいられるよう願いをかけに、ぜひ羊神社に参拝に訪れてみてください。
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(2024/4/19更新)
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