皆さんは“たくさんの緑が溢れる都会のオアシス”と聞くとどんな場所を想像されますか?
“森のように緑溢れる場所”というと、何となく郊外や中心部から離れた場所にある公園を想像してしまいがちですが、12ヘクタール(東京ドーム約2.5個分)あるローマ大学付属植物園は、アウレリアヌスの城壁(Mura Aureliane)というローマ帝国の皇帝、アウレリアヌスが建てたローマの町を取り囲む防御用の城壁の内側部分、すなわちローマ中心部にあります。
植物園は国立ローマ大学の環境生物学部門が管理する為、“ローマ大学付属植物園”という名前が付いています。
イタリア語で植物園はOrto Botanico(オルト・ボタニコ)といい、この植物園は特にヤシと竹の多くのコレクションを持つことで有名です。
入場料を払って園内に入ると、一番最初に出迎えてくれるのはヤシの木がずらりと並ぶ“ヤシの大通り”(写真参照)です。
園内の西側部分(写真中央奥)はセコイア、イチョウなどの裸子植物が植わる森となっており、さながら原生林のような景観を造り出しています。園内に佇んでいると、色鮮やかなオウムや小鳥達が木から木へ飛び交い、イタリアではなくどこか別の国へ来てしまったかのような錯覚を覚えます。
植物にご興味がある方は、園内には、ハーブガーデン(薬草のコレクション)、シダの谷、沼地の植物、視覚障害者用のガーデン、バラ園などテーマ別に造られた様々なミニガーデンがあるのでとても楽しめます。(写真はハーブガーデン)
また、リラックス目的での訪問であれば、ただ園内の芝生の上に寝転がったり、ベンチにゆったりと腰掛けるだけでもリラックスでき、疲れが取れます。
園内は木々の大変良い香りがします。鳥のさえずりだけが聞こえる静寂の中に身を委ねて下さい。
園内で大きな面積を占めているものの一つに、マダケ、ササなど日本原産のものも含まれる、竹のコレクションがあります。
竹林の間を歩きるようになっており、ひんやりとした竹林からはすがすがしい香りがします。
春先は竹林の中に竹の子がにょきにょきと生え、ユーモラスな印象です。
植物園はジャニコロの丘(ローマに七つある丘の一つで、町の西側に位置する)と接している為、緩やかな自然の傾斜がありますが、その一番高い部分に日本庭園があります。
造園家中島健氏の設計により造られた日本庭園には小さな滝と2つの池があり、池を取り囲むようにモミジ、カエデ、ツバキなどが植えられています。
日本庭園や地中海の森などがある、園内の一段高くなっている部分からは遠くにローマ市内のパノラマを望めます。
今回は年間を通して楽しめ、自然の中でのんびりと過ごせる“ローマ大学付属植物園”をご紹介しました。
特筆すべきは、植物園は木々が生い茂り、日陰部分も多くある為、真夏の観光も可能です。
切符売り場ではトイレ、水飲み場などが記された地図を配布していますので、切符購入時にお尋ね下さい。なお、園内には飲食ができるレストハウスはありませんので、必要であれば何か召し上がれるものをご持参下さい。
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(2025/1/16更新)
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