清水寺だけじゃない!?京都「北野天満宮」にも七不思議があった!

清水寺だけじゃない!?京都「北野天満宮」にも七不思議があった!

更新日:2015/06/02 14:56

京都で七不思議といえば、「清水寺」の七不思議が有名です。北野天満宮にも実は七不思議がありました!学問の神様を祀っているだけに、「なんで?」「どうして?」という、好奇心を掻き立てるのは、学びの第一歩。そんな北野天満宮の七つの不思議に、ぜひ触れてみませんか?

今出川通りの門から七不思議を辿ってみよう!鳥居〜ひとつ目の不思議「影向松(ようごうのまつ)」へ

今出川通りの門から七不思議を辿ってみよう!鳥居〜ひとつ目の不思議「影向松(ようごうのまつ)」へ
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まずは七不思議の前にこちら。2014年11月、北野天満宮の扁額(鳥居の上のほうについている看板のようなもの)がリニューアルされました!緑色と金色で美しく塗り直された扁額は、堂々とした輝きを放ち存在感を感じさせます。リニューアルされたことを気づかず通り過ぎる人も多いのですが、美しいうちに、目に入れておきたいところ。国内最大級の石柱鳥居と共に、きちんと一礼してくぐりましょう。

鳥居をくぐってすぐに「影向松(ようごうのまつ)」があり、これがひとつ目の不思議。菅原道真公が、常に襟にかけて大切にしていた仏舎利(お釈迦様の遺骨)は、彼が大宰府に左遷されてからも、肌身離さなかったそう。そして道真の死後、この仏舎利が太宰府から飛来してきて、この松にかかったのだとか。もしかしたらお釈迦様が、いえ道真公は何かを伝えたかったのでしょうか。

そういえば道真が大宰府へ左遷される際、歌を詠んだことで梅が大宰府まで飛んだとされる「飛梅伝説」や、神霊は空中を飛び回るとされる「飛び神信仰」なども併せて考えると、昔は見えないところでいろいろなものが飛び交っていたのかもしれません。そう考えて松を眺めると、そこには道真が腰を掛けているような気がしてきます。

ふたつ目の不思議「筋違いの本殿(すじちがいのほんでん)」〜三つ目の不思議「裏の社(うらのやしろ)」

ふたつ目の不思議「筋違いの本殿(すじちがいのほんでん)」〜三つ目の不思議「裏の社(うらのやしろ)」
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神社の本殿というのは、楼門(南門)からまっすぐ進んだところにあるのが普通です。しかしここ北野天満宮では、楼門のやや左に本殿があって不思議。それは楼門の先をそのまままっすぐに進むとわかるのですが、突き当りには「地主神社」が建っています。本殿よりもこちらが先に建てられていたために、本殿は地主神社を遮らないように建てたんですね。だから少し左に建っているのです。「筋違いの本殿」と呼んで、不思議のひとつとされています。ちなみにこの楼門に掲げられている扁額もリニューアルされてキレイですから、ぜひ見逃さないでください。

地主神社まで足を運んだら、そのまま突き当りを左に折れましょう。地主神社の斜め向かい辺りにあるのが、三つ目の不思議「裏の社」です。これはちょうど本殿のお参りする場所の真裏に当たり、こちらからでも拝むことができるんですね。本殿の裏に行くと、道真と背中合わせに祀られている御后三柱(ごこうのみはしら)という神座があります。天穂日命(あめのほひのみこと)、菅原清公(すがわらのきよきみ)、菅原是善(すがわらのこれよし)の三柱。ですが、なぜ裏からも拝むことができるようにしてあるのか謎。でも昔はこの神座も拝むことが、基本的な礼拝だったようです。

四つ目の不思議「大黒天の灯篭(だいこくてんのとうろう)」

四つ目の不思議「大黒天の灯篭(だいこくてんのとうろう)」
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さて、地主神社や裏の社まで行ってしまうと戻る形となりますが、地主神社を背にして本堂の入り口まで戻ってくる途中に四つ目の不思議を発見!「大黒天の燈篭」です。この辺りはたくさんの灯篭が建っていますが、よく見るとひとつだけ「大黒天」が彫り込まれている灯篭があるんですね。この大黒様の口か頬に小石を乗せて落ちなければ、その小石を財布に入れておくとお金に困らなくなるんだとか。実際に大黒様を見てみると、穴がふたつあいています。目のようにも見えるのですが頬なのでしょうか、お顔にぽっかりとあいている穴もなんだか奇妙です。

五つ目の不思議「星欠けの三光門(ほしかけのさんこうもん)」

五つ目の不思議「星欠けの三光門(ほしかけのさんこうもん)」
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そしてここから本堂へ向かおうとすると、そこで五つ目の不思議「星欠けの三光門」が!門をくぐる前に、まず門を見上げてください。一般的に「日・月・星」の彫刻が施されている門を「三光門」と呼びます。その名の通り、本堂に向かって正面上部には赤い太陽が確認できるはず、そしてさらに少し北に目を移すと、金の月も確認できるでしょう。ところが星だけが見つかりません。門をくぐり裏手に回ってみると、銀色の三日月は確認できるのです。でも星はありません。

これは平安京にまでさかのぼります。当時大内裏が千本丸太町にあり、旧大極殿は天満宮の南に位置していました。帝が天満宮を拝む際には北を見上げることになります。すると、この三光門の真上に北極星が輝いていたそう。だから星だけは彫刻ではなく、本物の星を含めて三光門としたのかもしれません。そうなると赤い太陽、金の月、銀の月、北極星と四光門!なんだかまぶしいくらい、神々しさを放つ門ですね。

六つ目の不思議「唯一の立ち牛(ゆいいつのたちうし)」〜七つ目の不思議「天狗山(てんぐやま)」

六つ目の不思議「唯一の立ち牛(ゆいいつのたちうし)」〜七つ目の不思議「天狗山(てんぐやま)」
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天満宮の鳥居をくぐってから、たくさんの牛たちを撫でたり眺めたりしたはずです。そしてどの牛も座った姿勢だったのではないでしょうか。これは丑年生まれ、丑月丑の日になくなったとされるなど、牛にまつわる逸話が多い道真のその逸話のひとつが由来。道真のご遺骸を載せた牛車を引く牛が、突然座り込んで動かなくなります。これは道真のご遺志だとして、その場所をご墓所と定めました。この逸話から「使いの牛」は、臥牛と呼ばれる座った姿勢なのです。ところが、六つ目の七不思議として「唯一の立ち牛」という立った牛が、この天満宮では見ることができます。

本殿でお参りしようとすると大きな鈴を鳴らしますよね。その大鈴の少し上に、立っている牛の姿が彫られています。つい参拝で見逃してしまいがちですし、たくさんの人が列をなして参拝の順番を待っているので、ゆっくり眺められないかもしれません。でも、何とか見つけてみてください。この牛だけはなぜ立っているのか、未だに謎のまま。その雰囲気は居丈高にも見えますし、悲しい面持ちにも見えます。あなたにはどんな風に見えるでしょうか。

そして七不思議最後は「天狗山」。天満宮の境内北西にあるのが天狗山です。ここは御土居に入場しなければ行けませんし、小高い山の頂上には、進入禁止の木があり、それより先には進めません。ですが、天狗がいるとの言い伝えがあるのです。室町時代の「北野天満宮社頭古絵図」には、この場所に烏天狗が描かれており、その昔、天狗が出没したとか。うっそうと茂る木々の向こうには、本殿の屋根を見ることができます。こうして天狗も、北野天満宮を時折眺めていたのでしょうか。

本当なもっとありそうな北野天満宮の七不思議

清水寺もそうですが、七不思議といいながらも七つでは終わらない気がします。また、どれをもってして七不思議というのか、人によっても変わってくるのではないでしょうか?北野天満宮では「渡辺綱の鬼切り伝説と石灯籠」や「キリシタン灯篭」祟られると噂の「土蜘蛛塚」など、まだまだミステリー的なスポットもいっぱい!あなたならではの、七不思議を見つけてみるのも面白いかもしれません。

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掲載内容は執筆時点のものです。 2015/05/30 訪問

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