出雲そばは島根県出雲地方で食べられている蕎麦で、蕎麦の実を皮ごと石臼で挽いた、香りの良い蕎麦。見た目は少し黒いのが特徴です。松江藩7代目藩主で茶人としても知られる不昧公(ふまいこう・松平治郷)も蕎麦を好み、茶懐石に取り入れたほどの熱の入れよう。
このような歴史もあってか、松江の城下町には出雲そばの名店が沢山あり、いくつかの蕎麦屋をハシゴするのも旅の楽しみの一つ。今回ご紹介する2店は、松江城を挟んで北西と南東に位置する人気店。お店の雰囲気も随分異なりますので、ハシゴして食べ比べるにはおもしろい2店です。
写真:東郷 カオル
地図を見る神代そばは松江城の北西にある人気のお店。松江歴史館から武家屋敷や小泉八雲旧居を通って道なりに進んでいくと右手に見えてきます。ちょうど観光ルート沿いにお店がありますので、スケジュールにも組み込みやすいお店です。お店の構えも観光客が入りやすいようなオープンな雰囲気。
人気店なので休日のお昼には混雑しますが、開店時間が早いので、早めのお昼に行かれることをおすすめします。混雑回避にもなりますし、次のお店をハシゴすることも考えるとちょうど良い頃合いとなります。
写真:東郷 カオル
地図を見る出雲そばの定番は“割子そば”と言われる、3段の丸い漆器に蕎麦がはいったもの。写真は神代そばの割子そばです。出雲そばは食べ方に特徴があります。一般的に冷たい蕎麦はつゆに蕎麦をつけて食べますが、出雲そばは蕎麦につゆをかけて食べます。もし空になった器につゆが残ったら、その下の段の蕎麦に残ったつゆをかけます。
出雲そばは“喉越し”を楽しむ蕎麦ではなく、“香り”を楽しむ蕎麦。確かにこの蕎麦に慣れると普段“喉越し”で味わっている蕎麦は物足りなく感じるかもしれませんね。出雲そばが人気なのが納得できます。
神代そばは観光客が多く訪れる蕎麦屋さんで、スタッフもてきぱきと感じよく捌いているのが好印象。先を急ぐ観光客には頼りになる地元グルメの名店です。
写真:東郷 カオル
地図を見るこちらは松江城の南東に位置する一色庵。カラコロ工房からも近いので、こちらのお店も観光途中に寄るには都合の良い場所にあります。お店の外観は先ほどの神代そばとは打って変わって間口が狭く中が見えず、どちらかというと観光客よりも地元の人に人気のありそうな趣。こういうお店を見つけるのも旅先では楽しみの一つ。
一色庵は入口を入ると靴を脱いで上がる座敷スタイル。アットホームな雰囲気のお店です。お店の外観が静かなだけに観光客には少々見つけにくいかもしれませんが、店内に入ってみるとガイドブックを手にした観光客の姿も。
こちらのお店も開店時間が早いので、早めのお昼か遅めのお昼かにして、ピーク時間を避けるのがおすすめです。
写真:東郷 カオル
地図を見る一色庵ではまず席に着くと、お茶の代わりに蕎麦湯が出てきます。この先制攻撃は蕎麦好きにはたまりません。お店のおすすめは写真の“小判三昧割子そば”。昔ながらの八雲塗の小判型の漆器に蕎麦が3等分に入っています。それぞれ違う味が楽しめるのが小判三昧の特徴。3種類の蕎麦も楽しみなのですが、年季の入った漆の器がとても良い味を出しています。
一色庵では、お話し好きなご主人が食べ方を一から手ほどきしてくれます(笑)。かなり詳細にご指導が入りますので、出雲そばが初めての方には心強いです。お店の混み具合にもよりますが、蕎麦の歴史が聞けることもありますよ。
不昧公ゆかりの月照寺を訪問されるなら、月照寺近くの“ふなつ”もおすすめ。割子そばには蕎麦ぜんざいがついてきます。
雰囲気よくお食事したいなら、武家屋敷界隈の“八雲庵”が人気です。
何店舗かハシゴして、お気に入りの出雲そばを見つけてください。
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(2024/4/19更新)
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