石州街道の出口の町・広島県府中市で府中焼きとさくっと観光

石州街道の出口の町・広島県府中市で府中焼きとさくっと観光

更新日:2015/06/09 16:32

村井 マヤのプロフィール写真 村井 マヤ 中国・九州文化的街並探検家
広島県府中市は、石州街道の出口の町であり、その昔は街道筋の町として栄えました。また、大化の改新後に国府も置かれ、古代備後政治の中心地でもありました。広島県の東南部内陸地域に位置する府中市は、味噌、繊維製品、家具、旋盤用パワー等、日本一を誇る工業製品が多数ある「ものづくりの町」。また、府中市は「府中焼き」というB級グルメも有名!今回は、そんなグルメや史跡など、府中市の見所を効率よく巡る旅のご案内♪

府中市地域交流センターは、町歩きの拠点として!

府中市地域交流センターは、町歩きの拠点として!

写真:村井 マヤ

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府中市は、同じく広島県内の府中町と区別するため、「備後府中」と呼ばれています。地名は、大化の改新以後の律令時代に備後国の国府が置かれたことに由来するという説があり、国府跡の遺跡も発見されています。

歴史ある府中市は、江戸時代から家具作りを産業としており「府中家具」は婚礼家具の代名詞。また府中タンスは、桐の高級家具として有名です。今は、現代の生活に合うように家具職人の伝統の技が活かされた家具作りがなされています。また、「府中味噌」の産地で、味噌を使用した様々な商品があります。

歴史と伝統の町「備後府中」は、内陸工業都市であり、リョービ株式会社、ヒロボー電機株式会社などの本社所在地でもあります。

そんな府中市観光の道しるべ、町歩きの拠点として新しく誕生した「府中市地域交流センター」は、イベントなどが開催されるお祭り通りに面しています。公衆トイレ、観光案内所などのある北館と、府中焼き店が2店舗ある南館から構成されています。広い駐車場があり、町歩きする際はこちらに車を停められると便利です。

北館では、府中のお土産や観光情報を手に入れることができます。また南館では、府中焼きを体験することができますので、ご希望の方は事前に申し込んで下さいね。北館・南館ともに木造の建物で、テーブルやイスは府中家具を使用しています。木工の町府中らしい素敵な空間になっています。府中市に観光にお越しの際は、まずはここからスタートしてみて下さい。

府中市街地へは、山陽自動車道の尾道北I.Cから約15分、福山西I.Cから約30分です。

日本一と言われる石燈籠は要チェック!

日本一と言われる石燈籠は要チェック!

写真:村井 マヤ

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「府中市地域交流センター」の向かいにある金毘羅神社の鳥居をくぐってすぐに、「日本一石燈籠」があります。一際大きく美しい燈籠には圧倒されます。

竣工は天保12(1841)年で花崗岩五段造り、高さ8.4m、笠石2.6mとかなり大きいですよ。

江戸時代後期に金毘羅神社信仰が庶民に広がって、金毘羅参りが盛んに行われていました。讃岐の金毘羅宮を遥拝するために、文化7(1810)年に府中の各村の庄屋クラスの有力者が世話人となって建立が開始されたのが、この石灯籠(写真)。約30年の歳月をかけ、府中の総力を挙げての大事業でした。柱石の字は、京都賀茂神社の神官であり書博士でもあった岡本保考の筆によるもの。

府中市観光に行かれましたら必見です!

石州街道の「みちしるべ」〜石州街道出口の町へ

石州街道の「みちしるべ」〜石州街道出口の町へ

写真:村井 マヤ

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石州街道とは、現在の島根県大田市大森町の石見銀山から採取された銀を運ぶための街道のこと。府中市の出口通りを北に向かうと、上下町(じょうげ:江戸時代は天領でした)を抜け出雲方面へと続きます。

出口通りという名前は、石州街道が中国山地からやっと平地に出るところという意味だといわれています。

旧藩時代は、この石票のあたりに木戸があり、夕方になると閉ざされました。また当時この街路は、T字型になっており、扉に閂を差し込んで木戸を閉めたため、通称「カンノキ」と呼ばれていたそうです。

写真の石票には「北 上下-小畑 石州道」とあります。右側は「西 市邑・甲山道」の文字も見えます。 
この「カンノキ」側の建物も大変立派なお城作りのお屋敷で、出口通りには歴史ある商家が建ち並び、歩いているとタイムスリップしたかのようです。

石州街道の出口通りを、往時を偲びながら、しばし散歩してみませんか?

備後府中焼きの美味しい店は、「府中焼きMAP」も活用して!

備後府中焼きの美味しい店は、「府中焼きMAP」も活用して!

写真:村井 マヤ

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備後府中焼きは、広島県東部の府中市で昔から愛されている広島風のお好み焼きです。
広島風のお好み焼きですが、その特徴としては「ミンチ肉」を使用している点!基本的にそばかうどんを入れますが、それはお好みで。ミンチの旨味と野菜の甘さが引き立ち中はフワフワ、外はカリッとした食感。またそばが香ばしくて、カリ、フワ、旨い!

お店によって微妙に焼き加減が違ったり、トッピングに特徴があり同じ味はありませんので、食べ歩きは楽しいですよ。40軒近いお店が軒を連ねていますので、きっとお好みの味に出会えるはず。

府中焼きを食べ歩きするなら、府中商工会議所が発行している「備後府中焼きMAP」を手に入れて場所や、お店の特徴を参考にして府中焼き巡りをしてみて下さい。

写真は、「平の家」の府中焼き。昭和27年創業の老舗のお好み焼き屋さん。現在は、2代目のご主人が切り盛りされています。古民家を改装した素敵な佇まいのお店です。石州街道の出口通りにお店はあります。先ほどご紹介した「カンノキ」の斜向かいです。

「平の家」の府中焼きの特徴は、最後にかける生卵と黒毛和牛のミンチです。卵がオリジナルソースと絡み合い、何とも言えない甘さが絶妙。是非一度ご賞味下さい。

「平の家」の詳細は、下記MEMOをご覧ください。

出口川にかかる大黒橋には、可愛いレリーフが・・。

出口川にかかる大黒橋には、可愛いレリーフが・・。

写真:村井 マヤ

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先ほどご紹介した平の家は、出口通りと呼ばれる通りと大黒橋(写真)から商店街へ通じる通りの交わる所にあります。

川沿いの風情ある佇まいは、懐かしい雰囲気が漂っています。また、写真の大黒橋には、ちょっと可愛い仕掛けがありますよ。橋を通られるときは、注意してご覧くださいね。

またこの出口川をずっと下ると剣先という場所に出ます。山陰から運ばれてきた物資や府中の産物は、この剣先から舟で福山・大阪へと運ばれました。
川沿いには、当時の旺盛を偲ばせる建物などが残っており、物流の要所だったこと示しています。

府中焼き巡りをしながら、歴史散歩も楽しめる・・

府中市を代表するB級グルメ「府中焼き」は、お手頃価格で楽しめます。もちろん1日で何店舗も巡るのは大変でしょうが、のんびり散歩しながら、お友達やパートナー、ご家族で散策されてはいかがでしょうか?

歴史的な名所も多いですし、近くには有名な「首無地蔵」というご利益のあるお地蔵さんを祀る場所もあります。
名前は、ちょっと怖いですが、このあたりでは有名な参拝者の絶えないお地蔵様。触れば願いが叶うと言われています。今回ご紹介した出口通りから近いので、興味があれば立ち寄ってみて下さい。

名所巡りをしながら歩いていたら、きっとお腹も空きますよ・・。そこで、また「府中焼き」を食べちゃいましょう♪
どんな味に出会えるか楽しみですね。

掲載内容は執筆時点のものです。 2015/06/01 訪問

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