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地図を見る北アルプスを望む、広々とした公園。その中心に「安曇野ちひろ美術館」があります。信州はいわさきちひろの両親の出身地であり、この美術館のある松川村は、戦後に両親が移り住んだ場所でもあります。雄大な北アルプスのふもと、四季折々の自然が感じられるこの場所は、いわさきちひろにとって心のふるさとといえる場所。幾度となく訪れ、数多くのスケッチを残したといいます。
館内は、5つの展示室のほか、北アルプスの山々を望める「絵本カフェ」や「子どもの展示室(トットちゃんの部屋)」「子どもの部屋」「絵本の部屋」「ミュージアムショップ」などがあり、ゆったりとした空間が広がります。中庭からの優しい自然光が差し込む場所には、大きな記念撮影用のパネルが。その名や人生について詳しく知らなくても、やわらかい色彩で子どもを描いた絵に、見覚えのある方も多いのではないでしょうか。
写真:下川 尚子
地図を見る安曇野ちひろ美術館は、大きく分けて「ちひろ館」と「世界の絵本館」に分けられます。ちひろ館の展示室は2つ。いわさきちひろの作品を中心に見られる展示室「ちひろの仕事」と、その人生や人物像をゆかりの品々やスケッチから探る、展示室「ちひろの人生」があります。
そして、「世界の絵本館」の展示室は3つ。世界各国の代表的な絵本画家の作品や、絵本の歴史などが紹介されています。何気なく見ていると、幼いころに触れた作品に出会えることも多いはず。ちひろ館・世界の絵本館ともに、年4回展示が変わり、時期によってさまざまな展覧会が開催されています。詳細はスケジュールをご確認ください。
写真:下川 尚子
地図を見る展示室以外にも、立ち寄りたい場所がたくさんあります。
美術館といえば、静かに絵を見る場所で、子どもにとっては退屈してしまうところというイメージをお持ちの方も多いかもしれません。ですが、安曇野ちひろ美術館は、「子どもと一緒に行きたい美術館」。お子さんがいらっしゃる方は、ぜひ一緒に訪れてみてください。
こちらは「子どもの展示室(トットちゃんの部屋)」。安曇野ちひろ美術館に隣接する安曇野ちひろ公園には2016年、名作『窓ぎわのトットちゃん』にちなんだ「トットちゃん広場」がオープンしました。オープンに際し、美術館内にもトットちゃんの通った「電車の教室」が一部再現されたのです。
「子どもの展示室」の奥には、世界の絵本3000冊を置いた「絵本の部屋」が。また、館内にはキッズスペース「子どもの部屋」、絵本『ことりのくるひ』に登場する椅子をモデルとした「ちひろ椅子」などが配置されています。
絵本を読んだり、景色を眺めたりしながら親子でゆっくりと過ごすのも良いですね。こうしたレイアウトは、絵本をテーマにした美術館ならでは。赤ちゃん連れの方も、授乳室があるので安心です。ゆっくりと歩いて、いわさきちひろの世界を感じてください。
写真:下川 尚子
地図を見る鑑賞後は、「絵本カフェ」で一休み。館内でも一番眺めの良いエリアに設けられたカフェは、光がたくさん差し込む温かみのある空間。外には広々としたテラス席もあり、北アルプスの山々や周辺の景色を楽しみながら時間を過ごせます。絵本の棚のほか、子ども向けの椅子や小さなシーソーもあります。芝生で子どもを遊ばせながら過ごす親子連れの姿も。
写真:下川 尚子
地図を見るカフェでは信州の素材を使った食事のほか、いわさきちひろにちなんだメニューも提供されています。ちひろが好んだ「新宿すずや」のいちごババロアは、当時のレシピから再現。同じくちひろが好んだロイヤルミルクティーも。ぜひ、お試しくださいね。
写真:下川 尚子
地図を見る美術館の周辺には公園が広がっていますので、館内だけでなく周辺も散策を。北アルプスを眺めながらお散歩していると、解放的な気分になれるはず。
美術館の東側に広がるのは、チェコの絵本作家パツォウスカーのデザインした「パツォウスカーの庭」。2つの池と8つのオブジェがあり、暖かい時期には水遊びもできます。
北側には、『窓ぎわのトットちゃん』に出てくる電車の教室を再現した「トットちゃん広場」が2016年夏にオープンしました。窓ぎわのトットちゃんといえば黒柳徹子(安曇野ちひろ美術館 館長)の自叙伝ですが、いわさきちひろの絵でも知られた名作。広場を散策していると、トットちゃんが通ったトモエ学園の空気に触れることができます。
そのほか、いわさきちひろが建てた、アトリエ兼山荘を復元した「黒姫山荘」、色とりどりの花々が楽しめる大花壇など、見どころが点在しています。
「世界中のこどもみんなに平和としあわせを」これはいわさきちひろが残した言葉です。
青春時代を戦争の中で過ごしたいわさきちひろ。そして戦後、画家として子どもを描き続け、数々の代表作を残しています。その作品を見て、子どもの愛らしさや柔らかな色彩の美しさとともに、温かな母としてのまなざしや、小さな命の尊さを感じる方も多いでしょう。子どもという存在を大切に思うすべての人に、訪れていただきたい美術館です。
小さな命を見つめる温かなまなざしに触れ、あなたは何を感じるでしょうか。ぜひ、ゆっくりと時間を取って、その世界観に触れてみてくださいね。
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(2024/12/4更新)
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