写真:野水 綾乃
地図を見る「湯畑」に面して建つ総木造の建物。その威厳ある佇まいにしばし圧倒されるでしょう。
「御座之湯」は、江戸から明治にかけて湯畑の周囲に実在した共同浴場のひとつを再建したもの。源頼朝にゆかりがあり、頼朝が入湯した場所に腰掛けた御座石があったことからその名が付いたとされています。
この総木造の建物も、かつての御座之湯があった江戸から明治期の造りにこだわられています。当時、草津で温泉宿を営んでいた人たちは、極寒を避けて冬の間だけ近くの六合村(現・中之条町)に移り住む、「冬住み」のスタイルをとっていました。その冬住みの家屋をもとにデザインされていて、薄い杉板を打ち付けた「とんとん葺き」の屋根が特徴になっています。
写真:野水 綾乃
地図を見るかつての御座之湯には、頼朝が腰掛けた「石」と「木」の湯船がありました。そのため、男女日替わりの2つの浴室もそれぞれ「石」と「木」がモチーフになっています。写真は「木之湯」。檜の湯船からは芳しい木の香りが漂い、見上げると屋根を支える立派な梁や斜め柱が目に入ってきます。もう一方の「石之湯」は御影石造りの湯船。
昔ながらの共同浴場のスタイルを伝えるため、洗い場の数は少なく、湯船があるだけのシンプルな造りになっています。
写真:野水 綾乃
地図を見る草津温泉には代表的な6つの源泉があります。その中から「湯畑源泉」と「万代源泉」の異なる2種類の源泉がそれぞれの浴場に引かれていて、入り比べができるようになっています。これまでの草津の日帰り温泉ではなかった試みですね。
右側の湯船には「湯畑源泉」。その名の通り、目の前の湯畑より湧出するお湯で、ほかの源泉にくらべて柔らかな印象です。左側の湯船は「万代源泉」。源泉温度が96℃と高く、pH値が約1・6と刺激が強めです。
2つの源泉の違いを地元の方は次のように表現されていました。
歴史のある「湯畑源泉」は円熟味を増したワイン、
温泉としてはまだ若い「万代源泉」はボージョレ・ヌーボーのようだと。
草津の共同浴場は湯温が高めなところが多いですが、こちらは入りやすい温度になっています。熱さの刺激が少ないためか、つるすべ感が際立って感じられます。
写真:野水 綾乃
地図を見る2階には45畳の大広間があり、湯上がりに無料で休憩ができるようになっています。窓からは湯畑が一望でき、草津に来たことをしみじみと実感させてくれます。湯畑の見える老舗旅館でくつろいでいるかのような気分になってきませんか。
よく見ると、窓枠に至るまで木造にこだわっているのが分かります。“ホンモノ”は時を経るごとに味わいを増していくはずです。
草津のように情緒ある温泉街を訪れると、浴衣で街歩きを楽しんでみたいもの。御座之湯では、かわいい外出用浴衣のレンタルを行っていますので(4〜11月のみ)、旅館に宿泊しなくても浴衣でおさんぽが楽しめます。着付けもスタッフが手伝ってくれるので安心。休憩スペースも充実していますし、日帰りで草津に訪れたときはこちらを拠点に過ごしてみてはいかがでしょうか。
2015年5月に新しく生まれ変わった「西の河原露天風呂」と、伝統の入浴法「合わせ湯」が体験できる「大滝乃湯」とセットになった「ちょいな三湯めぐり手形」も発売中です。入浴料が500円お得になるうえ、三湯めぐると認定書がもらえるのも嬉しいですね。
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(2024/10/10更新)
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