写真:渡部 洋一
地図を見る坂の街、長崎。港を見下ろす丘の上に、グラバー園はあります。
幕末、貿易に成功した外国商人たちが、南山手の高台に住宅を建てるようになったのが始まり。現在のグラバー園は、イギリス人商人グラバー、リンガー、オルトの旧邸があった敷地に、市内に点在していたその他の洋館を移築した観光施設です。
絶景を望む丘に建つ9つの洋館たちは、早くから西洋の文化を取り入れたエキゾチックな港町長崎を象徴する風景です。
写真:渡部 洋一
地図を見るグラバー園内に建つ旧ウォーカー邸。屋根に日本瓦を用いた和風の洋館は、日本海運業界に多大な功績を残したイギリス人ロバート・ネール・ウォーカーの次男、ロバート・ウォーカー・ジュニアの旧宅です。
ロバート・ネール・ウォーカーは、日本で初めて大量生産を開始したと言われる飲料水「バンザイサイダー」で、清涼飲料水の会社を長崎に設立したことでも知られています。ウォーカーゆかりの「バンザイサイダー」は、園内のガーデンカフェで飲むことができます。
写真:渡部 洋一
地図を見る長崎の街を見下ろす丘の上に、9つのハイカラな洋館が立ち並ぶグラバー園。その主役と言えるのが「旧グラバー住宅(グラバー邸)」です。文久3年(1863年)に建てられたイギリス商人トーマス・ブレーク・グラバーの住宅で、現存する日本最古の木造洋風建築です。西洋式を基本としながらも、屋根には伝統的な日本瓦を用いるなど和の要素も取り入れた独特のスタイル。建築時、グラバーの年齢は26歳。遠く異国の地からやってきた若者の、この国で日本人と共に暮らし成長していくのだという強い意志が、和と洋が融合したこの独創的な建物に表れているように感じます。
幕末の動乱の中、坂本龍馬や後藤象二郎をはじめ多くの志士たちを影で支えていたと言われるグラバー。このグラバー邸は、激動の時代の目撃者でもあるのです。
その名が園名にも用いられるなどグラバー園の中でもメインスポットと言える旧グラバー住宅は、「明治日本の産業革命遺産 九州・山口と関連地域」の構成要素として、2015年5月4日に世界遺産登録勧告を受けました。世界遺産登録が実現すれば、世界が認める人類の偉大な宝となり、ますます注目を集めることとなるでしょう。
写真:渡部 洋一
地図を見るグラバー園の魅力は、エキゾチックな洋館だけではありません。
長崎が舞台の超有名オペラ『蝶々夫人(マダム・バタフライ)』。グラバー園内にはその名作を世界各地で歌い続けた世界的プリマドンナ三浦環(みうらたまき)の銅像が建っています。
長崎ゆかりの蝶々夫人の像はドラマのロケ地等にも使われ、人気の撮影スポットにもなっています。
写真:渡部 洋一
地図を見るグラバー園内にある、「西洋料理発祥の碑」。
16世紀中頃ポルトガル船の来航によって始まった日本の西洋料理の歴史。その味と技は鎖国時代唯一の開港地であった長崎からもたらされたことを記念した石碑です。
江戸時代、日本で唯一異国へと開かれた長崎は、様々な分野で日本史を動かすこととなりました。「食」もその例外ではなく、この西洋料理発祥の碑は長崎が日本史においていかに重要な土地であったかを示しています。
いかがでしたか?
長崎を代表する観光名所であり、世界遺産登録勧告に沸くグラバー園の歴史と魅力をご紹介しました。
日本を愛した外国人たちが残した、和と洋の融合した洋館。長崎が日本史に刻んだ偉業を今に伝える記念碑。グラバー園には、長崎を観光する上で必見と言える魅力で満ちています。
長崎を訪れる機会があるのなら、グラバー園に足を運んでみませんか?街を見下ろす丘の上を駆け抜けるエキゾチックな風が、あなたを魅惑のタイムトリップへ誘ってくれるはずです。
グラバー園へのアクセス、入場料、入場時間等の情報は、記事下部にある「MEMO」よりご覧いただけます。
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(2024/3/28更新)
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