写真:盛 千夏
地図を見るスペイン語で「La Tomatina」(ラ・トマティーナ)と呼ばれるこの奇妙なお祭りは、毎年8月の最終水曜日(2018年は8月29日)にバレンシア州ブニョル(Bunol)で村祭りの一イベントとして開催されます。
お祭りの起源には諸説があり、一番有力なのは1945年の村祭りの最中にある男性が楽器を弾きながら歌を歌っていたところ、あまりに歌が下手だったため、ブニョル村の若者達が八百屋のトマトをつかんで彼に向って投げた、というものです。
毎年お祭りのために100トン以上のトマトが用意されます。ブニョルではさぞかしたくさんトマトを栽培しているのだ、と思われるかもしれません、が実はトマトの産地ではありません。
お祭り用のトマトはわざわざ、バレンシア県のお隣カステジョン県のXilxesという村から購入してきます。お祭りのために契約を結んでいて特別に栽培しているというから驚きです。
ブニョルの人口はわずか1万人弱。でも「トマト投げ祭り」の時は人口が4万人に膨れ上がり、国際色も豊かです。参加者で一番多いのはもちろんスペイン人ですが、オーストラリア(12.40%)、イギリス(11.79%)についで日本からの参加者は全体の10.17%にもなるそうです!
お祭りの前後はとても静かなブニョル村。古い街並みも残っているので、あえて「トマト投げ祭り」を外して訪れるとスペインの長閑な田舎町を楽しめます。
写真:盛 千夏
地図を見るブニョルに到着後は、人の流れについていけば「トマト投げ祭り」の会場に行きつくことができます。
写真のように、トマト投げ開始1時間でも会場となる通りは人で埋め尽くされ、「パロ・ハボン」(Palo Jabon)と呼ばれる「トマト投げ祭り」の前座とも言えるべき伝統的な行事が始まります。
「パロ・ハボン」のルールはいたってシンプル。「パロ・ハボン」と呼ばれる柱に石鹸を塗りたくったものが登場し、柱のてっぺんには生ハムを丸ごと一本ぶら下げます。何人もの人がツルツルの柱に飛びついて登り、生ハムを取ろうと躍起になります。でも柱はとても滑りやすいので、なかなか成功者が現れず会場はヤジとエールが入り乱れ、いやでも盛り上がってきます。誰かが生ハムをゲットするとここで「パロ・ハボン」は終わり、この日のヒーロー誕生となります。
「パロ・ハボン」で会場のテンションが最高潮に達したところで、「トマト投げ祭り」の始まりです!
「パロ・ハボン」が終わると「トマト」コールが始まり、市庁舎の合図ともにお祭りスタートです!
トマトを積んだ数台のトラックが、村の狭い通りにどんどん侵入し、荷台に乗った人が上からトマトを容赦なく投げてきます。
しばらくすると、今度は荷台からどどっとトマトが地面に落とされるので、それを拾って当たりかまわず投げて下さい。このトマトバトルには敵味方はなく、あえて言えば自分以外みんな敵です。年齢も性別も国籍も関係ありません。みんなが真っ赤になる最高にアホらしくて、アドレナリン出まくりのクレイジーなお祭りです。
楽しんだもの勝ちなので、思う存分トマトを投げ、狂気のトマトの海にダイブ!
トマト投げ祭りではいくつかのルールが定められています。
1.トマトは潰してから投げること。丸ままのトマトを投げつけられるとかなり痛くて危険です。
2.ガラス瓶のような割れそうなもの、危険物は持ち込まないこと。
3.他人の衣服を無理やり破かない。
4.トマティーナ終了の合図後は、トマトは投げない。
他人の衣服を破かないとありますが、外国人女性は目立つのでたまに標的になってしまうことも。できればグループで参加&行動がおススメです。
写真:盛 千夏
地図を見る「トマト投げ祭り」はオシャレして参加するお祭りではありません。
女性ならば、水着の上にボロボロの捨てても良いTシャツにショートパンツ。男性ならば、同じく古いTシャツにショートパンツ(水着でも!)が良いでしょう。白いTシャツを着て参加すると、後でトマトの威力がわかって面白いですよ。
トマトは目に入ると意外にしみるので、ゴーグルも持参すると良いです。そして足元は脱げやすく滑りやすいビーチサンダルはNG。捨ててもよい古いスニーカー、あるいは丸ごと洗えるスポーツサンダルがおススメ。
トマトを投げている時間はわずか1時間。終わったらどろどろのトマトを仮設シャワーなどで洗い流します。街中には、親切にホースを持ち出して水シャワーを提供してくれる村人も多数。
ブニョルには有料ロッカーも用意されるので、水シャワーの後で着替えると良いでしょう。そして曇りや雨の日の場合は水シャワーを浴びるとぐっと体感気温が下がるので、薄手の上着などもあると便利です。
バレンシアからブニョルまでのアクセスは電車(近郊線のCercania)が便利。電車はサン・イシドロ(San Isidr)駅からC3番線に乗車し、ブニョルまでは45分の距離です。お祭りあとの水シャワーで濡れたまま乗り込むことは一瞬躊躇しますが、この日ばかりは気にしないでください。周りもみんな同じような感じで乗車拒否されることはありません。またバレンシア市内とブニョルをつなぐバス路線もあります。
ブニョルの村内にはホテルの数も多くなく、あっという間に満室になるので、宿泊はバレンシアがおススメです。1時間で終了するお祭りなので当日に別の都市へ移動も可能ですが、かなり体力を消耗するお祭りなのでお祭り後は1泊するのがベターです。
また、2013年からは、「トマト投げ祭り」に参加するにはチケットの事前購入が必要になりました。8月になってからの購入では遅いのでお早めに!
トマト投げ祭りだけに参加するチケットを個人で購入する場合は、トラブルを避けるためにも必ずオフィシャルサイトから購入してください。(Memoを参照)
2018年6月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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(2025/1/15更新)
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