ブリュッセル市庁舎前に広がる広場、グランプラスを「世界一美しい広場」と評したのは、「レ・ミゼラブル」の原作者であるヴィクトル・ユゴー。
中央に塔がそびえ立つブリュッセル市庁舎の建築は、1402年から1455年にかけて建設されました。塔や壁面の装飾が空に向かって突き上げるようなデザインとなっているのは、12世紀から15世紀にかけてフランスを中心に発展したゴシック様式で建築されたから。市庁舎にゴシック様式が用いられているのも、パリの影響が感じられる見所のひとつです。グランプラスは、歴史的建造物とそれによって生まれる景観などが評価され、世界文化遺産に登録されています。
グランプラスはブリュッセルの中心地のほぼ中央に位置しており、各所にグランプラスの場所を示す看板もあるので、観光の拠点にぴったりです。ブリュッセルに到着したら、まずはグランプラスを目指しましょう。
ギャルリー・サンテュベールは、1846年から1867年にかけての20年ほどの年月をかけて建設されました。先ほどの市庁舎と比べるとぐっと新しい建築に感じられますが、こちらはヨーロッパ最古のショッピングアーケードです。
柔らかな印象のピンクを基調としたネオ・クラッシック様式とネオ・イタリア様式が掛け合わされた建築となっています。華やかでありながら、それぞれの店舗を邪魔しない、主張しすぎないデザインは絶妙です。トップライトが降りそそぐ空間は天井も高く、屋内でありながらも開放感があり、レストランやカフェでゆっくりと過ごすのもオススメです。
ギャルリー・サンテュベールには、様々な種類のお店とカフェやレストランがあるほか、ノイハウスやゴディバ、ピエール・マルコリーニなど、ベルギーを代表する有名ショコラティエの店舗が集中しています。お土産の購入もぜひ、こちらでどうぞ。
1873年に完成したこちらの証券取引所は、現在は使われていません。けれども、交通量の多い道路に面したファサードの階段はベンチのように使われ、たくさんのブリュッセロワが集っています。内部に入ることは出来ませんが、外観の見学に観光客の姿も。
重厚なファサードをもつ、証券取引所はネオ・ルネッサンス様式の建物です。ギャルリー・サンテュベールの様式にもあった「ネオ」。これは、19世紀に入る頃から徐々にヨーロッパの建築界で起こっていた古典的な建築様式の復興を表す言葉です。
ネオ・ルネッサンス様式というのは、15世紀から17世紀にかけて隆盛していたルネッサンス様式に新たな要素をプラスして、デザインされています。ルネッサンス様式は、ゴシック様式に対抗する形で生まれた様式で、数学的に空間や装飾のバランスを検討するなど、新たなアプローチで美を追求しました。市庁舎と対比させるとまったく違う特徴を持つ建築であることがわかると思います。
こちらのレンガ造りの建物は、当初ミートマーケットとして使われていたものです。現在は、サンジェリ・ホールと呼ばれ、常設のカフェやインフォメーション、また多目的スペースとして様々な催しに活用されています。こちらもネオ・ルネッサンス様式です。
サンジェリ・ホールと証券取引所とでは、見た目が大きく異なるので、ネオ・ルネッサンス様式って何!?と混乱させてしまいそうですね。ルネッサンス様式は、長い年月をかけて、ヨーロッパの各所で発展していったことや比率から計画をする概念的な要素が大きかったことなどから、多様な建築物を生み出してきました。それを再興させたネオ・ルネッサンス様式が多様なのは必然的なことでしょう。
内部は吹き抜けとなっており、二階の回廊のようなスペースでは展示を行っていることも。一階の中央には噴水があり、それを取り囲むようにテーブルが配置され、ここでもくつろぐブリュッセロワの姿を見ることができます。もともと、マーケットであった大きな空間を生かして、市民の憩いの場としているのは、素晴らしい建築の転用です。いつか証券取引所も、何らかの形で生まれ変わったらうれしいですね。
グランプラスの広場も、ギャルリー・サンテュベールも、証券取引所の階段も、マーケットが変身したサンジェリ広場も……ご紹介したすべての場所は、ゆったりと過ごすことができて市民に親しまれているスポット。
ヨーロッパの人々は日本人よりも居心地のいい場所で、休息の時間を過ごすことに長けているのではないでしょうか。建築の歴史を感じながら休息の時間をとって、建築やブリュッセルの街をゆったりと眺めるのも素敵な時間になると思います。好きな場所を見つけて、ブリュッセロワのような時間を過ごしてください。
この記事の関連MEMO
トラベルjpで250社の旅行をまとめて比較!
このスポットに行きたい!と思ったらトラベルjpでまとめて検索!
条件を指定して検索