写真:乾口 達司
地図を見る長弓寺の創建は奈良時代。当地をおさめていた小野真弓長弓(おののまゆみたけゆみ)とその子息・長麿(ながまろ)が聖武天皇の従者として当地で狩りをおこなっていたときのこと。茂みから飛び出した怪鳥をとらえようとして、長麿が放った弓矢が長弓に突き刺さり、長弓は他界。長弓の死をいたんだ聖武天皇は行基に命じて仏堂を建てさせました。それが長弓寺のはじまりであるといわれています。以後、伽藍の整備が進められ、最盛期には塔頭(子院)の数が20院にものぼったといわれていますが、その後、荒廃。現在は新興住宅地の一角で千三百年の歴史をひっそり刻み続けています。
新興住宅地にとりかこまれているといえば、季節の草花なんて生えていないんじゃない?そう誤解してしまう方も多いでしょう。しかし、実際に長弓寺を訪れると、境内にはたくさんの草木が生い茂っていることにお気づきになるはず。なかでも、梅雨の季節にはたくさんのアジサイが可憐な花を咲かせ、参拝者の心を癒してくれています。写真は長弓寺の表玄関というべき山門付近で見られるアジサイ。ご覧のように、色あざやかなアジサイがたくさん咲き乱れています。
※…写真は2014年の様子です。
写真:乾口 達司
地図を見るこちらは参道脇のアジサイ。長弓寺に参詣するときは富雄川沿いの車道を折れ込み、参道を奥へと進むルートが一般的ですが、アジサイはその折れ込んだあたりから参道沿いに延々続いています。境内の一角には駐車場も設置されているので、車でのアクセスも快適。アジサイの名所としてはあまり知られていないため、駐車場にもスムースに車をとめられることでしょう。ただし、道沿いに咲き乱れるアジサイに目を奪われてハンドル操作を誤らないよう、運転にはくれぐれもご注意ください。
写真:乾口 達司
地図を見る長弓寺には、現在、薬師院・法華院・円生院・宝光院の4つの塔頭が点在しています。遠くに見えるのは薬師院の建物。薬師院の南側の空き地にもアジサイが咲いていますが、歴史的建造物とアジサイの組み合わせ、マッチしますね。
写真:乾口 達司
地図を見る境内にはほかにも各所でアジサイが見られます。写真は散策路で見かけたアジサイ。もちろん、隠れたアジサイのスポットだけに、観光客でゴッタ返し、ゆっくりアジサイを見物できないといったこともありません。それぞれのペースにあわせて境内をゆっくり散策しながら、各所のアジサイをじっくり堪能しましょう。
写真:乾口 達司
地図を見るもちろん、せっかくお寺に参詣したのですから、本堂にもお参りしましょう。現在の本堂は鎌倉時代中期の弘安2年(1279)に再建されたもので、現在、国宝に指定されています。内陣に安置された厨子には本尊の十一面観音菩薩立像(国の重要文化財)がおさめられていますが、塔頭に事前に連絡を入れておくと堂内まで案内していただけるので、ぜひ、事前の連絡をお勧めします。アジサイを愛でながら、国宝の本堂や重要文化財の御本尊まで拝めるなんて、魅力的ですね。
奈良市の隠れたアジサイスポット・長弓寺の魅力をご理解いただけたでしょうか。人ごみを気にせず、自分のペースでアジサイを見物できるのが、長弓寺のアジサイの魅力。アジサイを愛でながら、ゆったりとした時間を満喫してください。
※…長弓寺のアジサイの開花時期は6月中旬から7月上旬にかけてです。
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(2023/12/4更新)
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