祇園祭は数々の三大祭のひとつに挙げられています。日本三大祭(大阪の天神祭、東京の山王祭、神田祭または東北ねぶた祭、九州博多どんたくなど)、京都三大祭(他は葵祭、時代祭)、日本三大曳山祭(他は岐阜県高山市の高山祭、埼玉県秩父市の秩父夜祭)、日本三大山車祭(他は岐阜県高山市の高山祭、滋賀県長浜市の長浜曳山祭)のうちの一つで、いずれも日本を代表する祭りです。
祇園祭は、千百年以上の伝統を有する京都八坂神社の祭礼です。古くは、祇園御霊会と呼ばれ、貞観11年(869年)に日本各地に疫病が流行し、また陸奥国(今の東北地方)沖で発生したと推定されている巨大地震貞観地震など災害が発生した年に、平安京の神泉苑に、当時の国の数66ヶ国にちなんで66本の鉾を立て、祇園の神を祀り、さらに神輿を送って、災厄の除去を祈ったことにはじまります。
祇園祭は、7月1日の「吉符入」にはじまり、31日の境内摂社「疫神社夏越祭」で幕を閉じるまで、1ヶ月にわたって各種の神事・行事がくり広げられます。 応仁の乱(1467年)で都は灰燼に帰し、また幕末の元治元年(1864年)の禁門の変での大火「どんどん焼け」で多くの山鉾が焼失したりして祇園祭が中断されるなど歴史に翻弄されながらも千百年以上続けられています。
祇園祭の有名な見所は7月17日の前祭(さきまつり)、7月24日の後祭(あとまつり)に行われる33基の山鉾巡行です。前祭は長刀鉾を先頭に、最後尾の船鉾まで23基の山鉾が京都の中心部を巡行し、後祭は橋弁慶山を先頭に10基の山鉾が巡行します、後祭の最後尾は平成26年に150年ぶりに巡行に復帰した大船鉾です。
大きな山鉾が祇園囃子のコンチキチンを響かせながら進む姿は迫力があります。特に直進しかできない構造の山車を交差点で90度転回させる辻回しが人気です。水をまいた竹の上を10トンもある山車を滑らせて2回から3回程度かけて90度展開させます。
宵山の期間(前祭の時は7月14日から16日、後祭の時は7月21日から23日)に、山鉾が建てられている通り沿いでは、表の格子を外して秘蔵している屏風や美術品、調度品などを飾り、祭り見物に来た人々にも、通りから鑑賞してもらえるようにしている旧家があります。先祖代々受け継がれた品々が多く、中には国宝・重文級の作品もあります。
京都の永く受け継がれてきた文化を間近で感じることができます。
これらは旧家の飾りに屏風が多いことから「屏風祭」とも呼ばれ、各山鉾町の伝統文化を感じることができます。たった3日間だけ、京都の街に設けられる「美術館」とも言えます。山鉾から聞こえる祇園囃子のコンチキチンという独特の囃子を聴きながら彩り鮮やかな屏風見物をしてみませんか?
宵山期間に一般見学もできる山鉾もあります。実際に上がって豪華な内部の装飾見学や、山鉾の上からの街の眺めを楽しむことができます。
上の写真は宵山の日の日中に放下鉾に上がって、町家の屋根を撮影した様子です。
宵山と巡行当日の期間前後、山鉾が立ち並ぶ街中で祇園祭の各種行事が催されています。
(1)花傘巡行(7/24):花傘は、山鉾の古い形態を現代に再現したもので、 傘鉾・馬長稚児・児武者や、花街の芸妓舞妓、六斎、祇園囃子の曳山等総勢千人の行列が四条通りなどの繁華街を練り歩きます。
(2)神幸祭(7/17)、環幸祭(7/24):祇園祭の中核となる神事で、山鉾巡行と同じ日の夕刻、八坂神社の神霊が遷された三基の神輿が八坂神社から四条河原町近くの御旅所の間を渡御します。
(3)伝統芸能奉納:祇園祭の祭神を祀る八坂神社では、宵山の間、様々な伝統芸能が奉納されます。 舞や茶道、邦楽の演奏等、あらゆる伝統芸能を一度に、しかも無料で観る事ができます。
(4)その他:京都文化博物館の祇園祭の特別イベント、池坊学園「花きらきら」祇園祭協賛一般開放、などなど沢山あります。
これらの行事も楽しみながら、「静の美術館」巡りをすると、祇園祭の楽しさが倍増します。
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(2025/1/22更新)
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