わずか7軒だけ!草津温泉の中でも希少な独自源泉をめぐろう

わずか7軒だけ!草津温泉の中でも希少な独自源泉をめぐろう

更新日:2020/01/27 12:46

野水 綾乃のプロフィール写真 野水 綾乃 温泉旅ライター、ひとり湯治愛好家、栃木のいいとこ案内人
群馬の名湯・草津温泉には、湯畑、白旗、西の河原、地蔵、煮川、万代鉱という6つの代表的な源泉があり、旅館や共同浴場はだいたいそのいずれかを引いています。敷地内に自家源泉を持つ宿は非常に珍しく、100軒以上の湯宿があるうちの、わずか7軒だけ。どちらも個性豊かな名湯揃いなんです。今回は立ち寄りでも入浴できるおすすめの3軒をご紹介します。

超良質な自家源泉と人気の白旗源泉のダブル使い「若乃湯 草津舘」

超良質な自家源泉と人気の白旗源泉のダブル使い「若乃湯 草津舘」

写真:野水 綾乃

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草津温泉のシンボル、湯畑のすぐそばにある「若乃湯 草津舘」。自家源泉の「若乃湯」に加え、草津の代表的な源泉の中でも最も泉質が良いと評判の「白旗源泉」の両方が楽しめる宿です。

手前のグレーがかった白濁の湯が「白旗源泉」、奥の青みがかった湯が中庭で湧き出している「若乃湯」です。「白旗源泉」も玄関を出てすぐが湧出地ですので、どちらも鮮度は抜群!

淡いライトブルーに魅せられて

淡いライトブルーに魅せられて

写真:野水 綾乃

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午後になると湯の花が揉まれてもう少し白濁してきますが、まだあまり人が入っていない朝の「若乃湯」は淡く澄んだライトブルー。温泉街のガラス工房で見つけた「草津温泉硝子」を思わせる、美しい湯の色に魅了されます。

草津の共同浴場はどこも熱めですが、「若乃湯」は思わず「やさしい〜」と声が出てしまうほど、ぬるめで、あたりが柔らかい。もうひとつの「白旗源泉」がガツンとくる熱さなので、交互に入浴したら最後、しばらく抜け出せなくなりそうです。

草津十二湯に数えられた名泉を守り継ぐ「泉水館」

草津十二湯に数えられた名泉を守り継ぐ「泉水館」

写真:野水 綾乃

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つづいては西の河原通りにある「泉水館」。江戸時代より敷地内にこんこんと湧き出でる名湯で、草津十二湯のひとつにも数えられた「君子の湯」を守り継ぐ宿です。

男女別内湯は小ぢんまりとしているものの、総檜の味わいある造り。青みがかった透明な湯で、浸かると、たくさんの湯の花が舞い上がります。最初は少し熱く感じますが、体が馴染むと、優しい湯の感触に包み込まれるよう。

中庭には宿泊者専用の貸切風呂も

中庭には宿泊者専用の貸切風呂も

写真:野水 綾乃

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中庭に建てられた小屋の中は宿泊者専用の貸切風呂。磨りガラスから外光が柔らかく差し込む、とても雰囲気のあるお風呂です。こちらにも「君子の湯」が贅沢に注がれています。

にぎやかな温泉街の通りに面する宿ですが、一歩入っただけで別世界のように静か。とうとうと湯があふれる音だけが響きます。

なお「泉水館」では、2015年秋より施設をリニューアル予定で、現在の男女別内湯の仕切りを作り直し、すべての風呂を貸切で利用できるようにするそう。2016年夏、完成予定です。

岩肌から染み出す草津最古の自噴源泉「ての字屋」

岩肌から染み出す草津最古の自噴源泉「ての字屋」

写真:野水 綾乃

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最後は、老舗の料亭旅館「ての字屋」。こちらの独自源泉は草津温泉唯一の天然岩風呂にあります。

温泉がどこから湧き出しているかというと、岩盤のあちこちから、こんこんと湯が染み出しているのです。1200年も昔から枯れることなく湧き続ける湯に、太古のロマンを感じます。
あふれ出す湯を受け止める湯船もまた歴史を感じさせるもので、樹齢500年の古代檜で造られています。強酸性の草津の湯でも腐食しないよう、釘や金物は一切使わずに名工の匠の技で仕上げられています。

湯の花がたっぷりと溶け合い、まろやかな乳白色の湯。しっかりと熱めなのに、浸かっていると独特の清涼感が感じられるから不思議です。

天然岩風呂は男女交替制で、日帰り入浴の時間帯は女湯になっています。もうひとつの浴場は「湯畑源泉」を利用していて、露天風呂も用意されていますのでどちらも楽しめますね。

最後に

ほかにはない、そこに行かないと入れない草津の希少な独自源泉、いかがでしたでしょうか。どこも湯船に近い位置で源泉が湧いていますので、引湯による劣化が少ないのが名湯を生み出す所以かもしれません。それぞれ湯の色や感触に個性が感じられますので、湯めぐりでぜひ確かめてみてくださいね。

この記事の関連MEMO

掲載内容は執筆時点のものです。 2015/06/01−2015/06/02 訪問

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