歌とワインと角笛と!ドイツ「ディンケルスビュール」は夜警ツアーが面白い!

歌とワインと角笛と!ドイツ「ディンケルスビュール」は夜警ツアーが面白い!

更新日:2016/03/09 11:54

フルリーナ YOCのプロフィール写真 フルリーナ YOC 絶景・感動探究家、旅する音楽講師
ドイツ・ロマンチック街道には美しい町が点在する人気の観光エリア。ここで宿泊するなら「ディンケルスビュール」がオススメ!なぜなら角笛の音と共にワインを飲みながら、伝統の夜警さんと共に街を巡る無料の「夜警ツアー」がとても楽しいのです。また、この町は中世の街並みをそのまま残す木組みの家で有名ですが、魅力はそれだけにあらず!城壁の遊歩道から訪れる、城壁外の濠の水辺の美しさは格別です。ぜひ訪れてみて下さい。

ロマンチック街道・珠玉の町!ディンケルスビュール

ロマンチック街道・珠玉の町!ディンケルスビュール

写真:フルリーナ YOC

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ドイツ・ロマンティック街道には、お伽の国のように可愛らしい家並を楽しめる古都が点在しています。中でもここディンケルスビュールは、農民戦争・30年戦争・第二次世界大戦と奇跡的にほとんど被害を受けていないために、中世そのままのオリジナルな街並みを残しています。そしてその平和の立役者は子ども達!

時は1632年。ヨーロッパ中が戦乱に巻き込まれた30年戦争の真っただ中。ディンケルスビュールは敵国スウェーデン軍に取り囲まれてしまいました。そしてこの町が街を破壊されそうになった時、この町の門番の娘ローレは小さな子供たちを引き連れて、スウェーデン将軍の前にひざまずいて町を壊さないで!町のみんなの命を助けて!と訴えました。

沢山の子供たちの中に、我が子の面影を見た敵国の将軍は子ども達を撃つことはできず、街を攻撃することなしに穏便に占領。私たちが今、この街並みを中世そのままに見ることが出来るのは、この町の子どもたちの勇気ある行動と、子供たちに心を動かされた軍人たちの良心があったからなのです。

ディンケルスビュールの有名人!「夜警(ナイトウオッチャー)」とは?

ディンケルスビュールの有名人!「夜警(ナイトウオッチャー)」とは?

写真:フルリーナ YOC

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ディンケルスビュールには中世から続く夜警(ナイトウオッチャー)がいます。夜警はドイツ語ではNachtwaechter・・夜を見張る者という意味。中世の時代にはどの町にも夜警さんがいて、夜になると酒場は営業時間を守ってるか?火事や事件が起きていないか?と、角笛と槍とカンテラを持って暗い町を見回りました。また夜警は時計の代わりに時間ごとに歌を歌い、火事や事件があると角笛を吹いて人々に知らせました。

ディンケルスビュールでは中世以来ずっと、この夜警さんの伝統が受け継がれ、観光客も一緒に夜回りができる「夜警ツアー」が無料で行われています。夜警ツアーは他の町でも行われていますが、なんといってもディンケルスビュールの夜警ツアーが一番楽しいんです。なにせ無料で歌とお酒を楽しみながら、和気あいあいと夜の街を案内してもらえるのですから!

みんなでワインを回し飲み!ほろ酔い気分で、もうみ〜んなお友達!

みんなでワインを回し飲み!ほろ酔い気分で、もうみ〜んなお友達!

写真:フルリーナ YOC

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夜警ツアーのスタートは、夜9時・聖ゲオルク教会の前です。ツアーに参加する人々が集まり9時になると、夜警さんは大きな角笛をボーッっと吹き歌を歌いはじめます。「さあ、みなさん聞いてください。鐘が9つなりました。ディンケルスビュールの夜の美しさを・・・」

そう・・ほのかな灯りに照らされるこの街の夜は、本当に美しく絵画のよう!その美しい夜の街のホテルやレストランを一軒ずつ回ります。お店の前に着くと夜警さんは角笛を吹き鳴らし歌を歌い始めます。するとお店の人が一杯のワインを振る舞います。夜警さんが一口飲むとワインはみんなに手渡され回し飲み。お酒でみんなの顔が赤らんでくるころには、すっかり和やかな雰囲気。参加者同士ほほえみを交わしたり、片言の英語やドイツ語でお国を聞いたり・・。国境を超え、もうみんなお友達気分!

ツアーは最後まで参加すると2時間を超えますが、もちろん途中で抜けてもOK。自分の泊まっているホテルまで来ると「チュース(バイバイ)」「グーテ・ライゼ(良い旅を)」「グーテ ナハト(おやすみ)」などと声をかけて去っていく人も。さよならするのが、ちょっぴりさびしく感じちゃうほど、ホンワカと温かな旅情を感じさせてくれるツアーです。

ディンケルスビュールは城壁散歩と城壁の外もオススメ!

ディンケルスビュールは城壁散歩と城壁の外もオススメ!

写真:フルリーナ YOC

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ディンケルスビュールは、城壁内(旧市街)の美しい街並みだけみて帰ってしまう旅行者も多いのですが、それではもったいない!ぜひ城壁散歩や城壁沿いの水辺を散歩することをお勧めします。城壁からはディンケルスビュールのレンガ色の中世の街並と屋根を一望。また、城壁の外には緑と旧市街の建物がフォトジェニックな美しさで静かに佇んでいます。旧市街の中の華やかなお伽の国のような街並みとはまた違った、しっとりとしたロマンティックな風景を満喫できます。

緑を水面に映す美しい水辺散策!

緑を水面に映す美しい水辺散策!

写真:フルリーナ YOC

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ディンケルスビュールは「川と草地」の風景がとても美しい町として知られています。その美しさは城壁外から眺めなければ体験できません。水辺の展望ポイントとしてはローテンブルグ門を出たローテンブルガー池や、門を出て左の方にぐるりと回りこんだ先にある市立公園付近の風景がとても素敵です。

また、ヴェルニッツ門からネルトリンガー門のあたりの濠もオススメ。濠には旧市街のWethgasseから繋がる木橋から城壁外に出ると行けます。ここからもロマンティックで美しい風景が広がりオススメです。

ディンケルスビュール「子供まつり」について。

ディンケルスビュールの人々にとって子供たちは、我が故郷・我が町を救ってくれた大切な存在。子どもたちの純真な心が、戦争の中で大人の良心を呼び起こし町を救った出来事は、「子供祭り」として人々に伝えられています。「子供祭り」はドイツ語で「kinderzeche」これは(子供たちのもてなし)という意味。当時、敵兵が去った後、町の人々が子供たちの勇気に感謝して、食事やご褒美を子供たちにプレゼントしたことが起源となっています。

この日は町中全部が中世にタイムスリップ。美しい旧市街で、市民たちによる歴史劇やパレードが行われます。この日は世界中から観光客が訪れるのでホテルの予約はお早めに。2016年は7月14〜25日に開催予定です。ぜひ美しきディンケルスビュールと共に、楽しい夜警ツアーや子供祭りも体験してみて下さい。

交通アクセスはレンタカーが一番便利ですが、公共交通で行く方はDBB(ドイツ国鉄)のHPから出発地と目的地を入れると電車バスを含めて検索できます。MEMOに入れておきますのでお使いください。それでは皆さん、素敵な旅を!

掲載内容は執筆時点のものです。 2002/09/14−2002/09/15 訪問

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