五島列島の福江島で遣唐使の夢を追いかけてみませんか?

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五島列島の福江島で遣唐使の夢を追いかけてみませんか?

五島列島の福江島で遣唐使の夢を追いかけてみませんか?

更新日:2015/07/21 12:44

安藤 小冬のプロフィール写真 安藤 小冬

長崎県五島列島の福江島には、奇跡と言っていいほど手付かずの美しい海や岬があります。おしゃれなカフェこそありませんが、平和なこの土地には、遣唐使達の夢を詰め込んだ遣唐使船の歴史がしっかりと刻まれています。

遣唐使船は、大阪・住吉大社で海の安全を祈り、瀬戸内海、九州へと渡り、五島列島の福江島で、唐へ向かう最後の風待ちをしました。五島列島で遣唐使船の足取りをたどってみませんか。

五島列島は、日本の西の端にある島。名前は知っているけど、どうやって行くかご存知でしょうか?

五島列島は、日本の西の端にある島。名前は知っているけど、どうやって行くかご存知でしょうか?

写真:安藤 小冬

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まずは、アクセスから。五島列島最大の島、福江島が玄関口になります。空の旅は、長崎空港や福岡空港から1日4便ほど。船旅なら九州商船が長崎港や佐世保港から高速フェリーで島まで繋いでいます。他にも、カーフェリーで移動というのもありです。時間を稼ぐのであれば、飛行機か高速フェリーが便利。カーフェリーの旅なら朝焼けの景色が楽しめますよ。福岡からの空旅は、なんと40分ほど。長崎港からの高速フェリーも85分。2都市滞在もありですね。

島は、広いのでレンタカーの利用が便利です。空港や港に着くと、レンタカー屋さんのお迎えが待っています。もし、時間があれば島に来る前もしくは、到着時に「長崎しまとく通貨」の購入をお勧めします。5000円分のクーポン1セットに1000円分のおまけがついてきます。一人6セットまで購入可能。また未使用のクーポンは、購入したところで返金も可能です。

事前に旅の予約をするなら、支払を現金、もしくは現地で精算するように手配しましょう。ほとんどのところでクーポンが利用できるのでお得ですよ。

まずは、島の西端にある大瀬崎灯台をめざしましょう。ここが九州で最後に夕陽が沈む絶景ポイントです。

まずは、島の西端にある大瀬崎灯台をめざしましょう。ここが九州で最後に夕陽が沈む絶景ポイントです。

写真:安藤 小冬

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風待ちをした遣唐使船は、大瀬崎岬をまわって唐へと荒波を越えて向かっていきました。まずは、大瀬崎を見下ろすことができる大瀬崎灯台の展望台を訪れてみましょう。港や空港からは、島の真ん中を走る27号線を走るのが近道です。走ってみると島の広さがわかります。

さて、27号線を抜け、国道384号線に合流するとエメラルドグリーンやマリンブルーの海岸線がみえてきます。大瀬崎に辿り着くには、さらに50号線のくねくねした大瀬山の道を上ることになります。

上には駐車場があり、展望台はすぐ目の前。港から1時間半ぐらいで到着です。この高さからの灯台の景色は、絶景です。雨あがりで少々視界が悪かったのですが、晴れた日には、東シナ海の雄大な風景が眼下に広がります。

駐車場からさらに灯台までは、遊歩道が設置されていて20分ほどで歩けます。そこからの眺めもまた格別です。

どうして遣唐船は、福江島をルートに選んだのでしょうか?

どうして遣唐船は、福江島をルートに選んだのでしょうか?

写真:安藤 小冬

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実際、遣唐船が唐へ渡るルートは三つありました。五島列島から東シナ海を横断するルートは、702年から838年頃まで利用されており、その当時、航海期間が短く最短ルートでした。空路でいえば、日本からアリューシャン列島上空を飛んでアメリカに飛ぶようなものですね。ところが、このルートは最も危険な航路とされていました。たくさんの船が難破したり、漂着したりしてまさに命がけの旅でした。

このルートで中国に渡った有名人は、何と言っても空海でしょう。第16次の遣唐船に乗り込んだと言われています。一緒に最澄、橘逸勢、またのちに三蔵法師の称号を得た霊仙も乗船していました。すごい顔ぶれ。のちに空海は、唐での留学を終えて真言密教を日本にもたらしました。

なぜ、この地に遣唐使船が立ち寄ったかというと、福江島では、航海に必要な飲料水を供給することができたからです。例えば、柏崎にあるふぜん河という大井戸は、今でも枯れることなく、湧水をたたえています。この大井戸の水は、実際に遣唐使船に積みこまれたものです。港は、すぐ近くなので運ぶのにも便利だったことでしょう。

遣唐使達が最後にみた日本の風景は、ここ。

遣唐使達が最後にみた日本の風景は、ここ。

写真:安藤 小冬

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姫島を望む三井楽北部の柏先には、空海の記念碑「辞本涯」があります。空海は、31歳の時に遣唐使として唐へ留学に赴くことになりました。空海には、色んな逸話が残されています。

日本は、遣唐使を送り、唐と対等な立場で外交を行うことを意図していました。ところが、唐からすれば朝貢使。遠国だから20年に1回ぐらいの朝貢でいいよと言われていました。

あるとき唐へ赴く遣唐使船が、悪天候にみまわれて大阪の住吉に戻ってきました。空海は、この絶好のチャンスを逃さずあらゆるコネを使い、また短期間で留学費用をかき集め乗船しました。これを逃すと次のチャンスは数十年後。だったら「今でしょ」って奮起したんですね。

記念碑にある「辞本涯」とは、もう再び日本の地に戻ってこないかもしれない辞世の句のような響きとともに、海の向こうの唐を目指す希望や決意が秘められています。

また、この碑の近くにある三井楽の淵の元は、大瀬崎灯台と同じく夕陽の絶景ポイントですので、是非立ち寄ってみてください。脇道にそれますが、三井楽や玉之浦には、隠れキリシタンの歴史が刻まれた教会が点在していますので、こちらもお見逃しなく。

さらに玉之浦には、荒川温泉といって地元の人たちにも愛される温泉郷もあります。ドライブで疲れたら足湯でリフレッシュできますよ。ここ荒川温泉、実は日本最西端にある温泉でも有名です。

最後に、本当のロマンはここから。今も東シナ海を毎年渡る現代の遣唐使達がいます。

唐も滅び、遣唐使船もなくなった現在でもここ五島列島から東シナ海へ渡っているのは、「ハチクマ」です。鷹の種類でスズメバチとかを食べるので有名。日本で繁殖したハチクマは、遣唐使船のルートで中国、そして東南アジアへ渡り越冬します。

北海道から竜飛岬、乗鞍、白樺高原、琵琶湖、瀬戸内海、九州、そして五島列島に集まってくる日本海側のルート。ハチクマが風をきって岬や山々を優雅に飛ぶ姿にロマンを感じる人は多く、越冬するハチクマの最後の寄港地、福江島には、毎年9月中旬から10月上旬にファンが押し寄せます。ご紹介した大瀬崎が観測のメインスポットです。

毎年ハチクマ達は風待ちをして仲間たちと合流し、鷹柱をつくり上昇気流にのって飛び立ちます。すごい数のハチクマ達が飛び立つ姿は圧巻です。

また、大瀬崎灯台のそばでは、同じ時期に福江島と平戸でしか見られない絶滅危惧品種の「シマシャジン」が、小さな釣鐘状の青い花を咲かせます。こちらも見逃せません。

あなたも是非、福江島で遣唐使達のロマンを追いかけてみませんか?

掲載内容は執筆時点のものです。 2015/05/31−2015/06/01 訪問

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