フィリピン・バロックの傑作!パオアイ「サン・アグスティン大聖堂」

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フィリピン・バロックの傑作!パオアイ「サン・アグスティン大聖堂」

フィリピン・バロックの傑作!パオアイ「サン・アグスティン大聖堂」

更新日:2015/06/18 18:56

遠藤 まさみのプロフィール写真 遠藤 まさみ 世界遺産探検家、ホテルマニア、クラフトビア愛好家

東南アジア唯一のキリスト教国にして、国民の83パーセントがカトリック教徒のフィリピン。カトリックの歴史は世界一周を目前に命を落としたマゼランが、1521年にフィリピンに上陸した時から始まりました。

スペインにより各地に建設された聖堂は、フィリピンの文化や建築技法と融合し独自の文化が花開きます。1993年に世界遺産として登録された聖堂から、パオアイの「サン・アグスティン大聖堂」をご紹介します。

ルソン島北部の都市ラオアグから一路パオアイへ

ルソン島北部の都市ラオアグから一路パオアイへ

写真:遠藤 まさみ

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太平洋に浮かぶ大小7107の島々からなる群島国家フィリピン。今回の旅の舞台は、国内最大にして首都マニラのあるルソン島北部の小さな街、パオアイにある世界遺産「サン・アグスティン大聖堂」です。

首都マニラから飛行機で約1時間30分、ルソン島北西端の州都ラオアグ(ラワグ、Laoag)に到着です。先住民の言葉で「光」と言う意味をもつこの街は、スペイン統治時代の古い教会や建物が残る美しく魅力的な街です。そこから更にフィリピンではお馴染みの交通手段、ジープニーに乗って3〜40分、16キロほど南下した終着点が目的地パオアイ(Paoay)です。

とても小さな田舎街は、人通りもまばらで観光客もほとんど居ないせいか、静寂な雰囲気が漂います。思いのほか綺麗な街並みは、まるでぽっとできた新興住宅地のような整然とした美しさも感じされます。それでれいて木造住宅の窓には、昔ながらのカスピ貝を薄く削ってはめ込んだフィリピンの特徴的な窓も見られ、時の狭間に迷い込んだような気持ちにさせられます。

フォトジェニックな世界遺産「サン・アグスティン大聖堂」

フォトジェニックな世界遺産「サン・アグスティン大聖堂」

提供元:遠藤隆尚

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パオアイを歩けば、すぐにお目当ての聖堂は見つかるはずです。小さな田舎街の中心部に、一際大きく目立つ「サン・アグスティン大聖堂(Saint Augustine Church)」は、青空の下で羽を広げて休む鳥のように、優美な姿で出迎えてくれます。

国内に数多くサン・アグスティンという名の教会や聖堂があることから、単にパオアイ教会 (Paoay Church) とも呼ばれる聖堂は、スペイン植民地時代の1694年に着工し1710年に完成しました。珊瑚とレンガで造られたバロック様式の大聖堂とベルタワーは、1993年に他の3つの聖堂と共に「フィリピンのバロック様式の聖堂群」として世界遺産に登録されました。

落ちた天井のアンバランスさが美しい聖堂内へ

落ちた天井のアンバランスさが美しい聖堂内へ

写真:遠藤 まさみ

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聖堂の正面から内部へと足を踏み入れてみましょう。
入り口では聖水盤を持つ天使が出迎えてくれます。大きな窓に彩られたステンドグラスから差し込む光にゴシックの面影が感じられるものの、豪華なイメージのゴシック様式の聖堂なのに、無骨な鉄筋とトタンで補修している天井とのアンバランスさが、危うくも脆く儚く感じられます。

もともと「地震のバロック」、つまり台風や地震などフィリピンの風土に合わせた工夫と、大航海時代の西欧列強からの攻撃を想定して造られたことが世界遺産として評価されたのですから、ヨーロッパにあるバロック様式の教会や聖堂とは違っていて当たり前なのでしょう。「1706年と1927年に地震によって被害を受けた」と記された案内板から察するに、地震を想定した耐震構造が功を奏して崩壊を免れてきたのですから、さすが「地震のバロック」です。

聖堂側面の庭園とバットレスに注目!

聖堂側面の庭園とバットレスに注目!

写真:遠藤 まさみ

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聖堂内の左手にあるドアから外へ出てみましょう。
石畳の小路の先に、美しく設えられた庭園が広がっています。足元に目を向けるとかわらいらしい花の間に、木や石で造られた「サン・アグスティン大聖堂」のオーナメントがたくさん飾られ、この聖堂が今なおフィリピンの人々に愛されているのが見て取れます。

聖堂のもう1つの見所は、聖堂の両側面と背面から張り出した24個の「バットレス(buttress、控え壁)」です。ゴシック建築の特徴ともいえるバットレスは、細い支柱と高い天井を持つ聖堂の荷重を分散させるために、主壁を支持・補強する役割を持っています。ヨーロッパのそれよりも大きく張り出しているように感じるこのバットレスこそ、地震に耐えうる力を体現しているといえるでしょう。

司教の住宅?趣きのある廃墟を探検して

司教の住宅?趣きのある廃墟を探検して

提供元:遠藤隆尚

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庭園を出てマルコス・アベニュー(Marcos Ave.)通りを渡り、その先にある廃墟にも訪れてみてください。門に描かれた「MRS MARTHA C PL & FAMILY」以外には何も案内もなく、いつ誰が住んでいたのかは、想像するしかありません。

唯一正面に残る、2階の窓の下に描かれた漆喰壁飾りには、カトリック教会において司教が典礼の執行時にかぶるミトラ(Mitra)のような帽子が見て取れます。いつの時代なのか、サン・アグスティン大聖堂の司教の住宅だったのかもしれません。むき出しになった赤レンガの壁や階段、アーチ型の開口部には彫刻の美しい重厚なドアや、美しいステンドクラスに彩られていたのでしょうか。過去に思いを馳せて、想像を楽しんでみてください。

ルソン島にある世界遺産を巡って

今回は「フィリピンのバロック様式の聖堂群」の中から、パオアイの「サン・アグスティン大聖堂」をご紹介しました。そのほかマニラにある「サン・アグスティン大聖堂」もアクセスがよいので、訪ねて同じ名を持つ大聖堂の違いを見つけて楽しんでみてはいかがでしょうか。

また、パオアイから「ビガン歴史地区」や、「コルディリェーラの棚田群 」などの世界遺産へのアクセスも可能です。フィリピン・ルソン島にある世界遺産の世界を堪能してみてください。

*「フィリピンのバロック様式の聖堂群」は、他にルソン島は首都マニラの「サン・アグスティン大聖堂」、サンタマリアの「ヌエストラ・セニョーラ・デ・ラ・アスンシオン聖堂」、パナイ島ミアガオの「サント・トマス・デ・ビリャヌエバ聖堂」が世界遺産に登録されています。

■アクセス
マニラから:飛行機でラオアグに移動、ラオアグからパオアイ行きジープニーに乗り終点で下車。約30〜40分。
ビガンから:ラオアグ行きのバスに乗り、バタック(Batac)で途中下車(約1時間30分)。そこからパオアイ行きジープニーに乗車(約5分)

掲載内容は執筆時点のものです。 2013/10/20 訪問

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