写真:乾口 達司
地図を見る大阪府立近つ飛鳥風土記の丘(おおさかふりつちかつあすかふどきのおか)は、大阪府南河内郡河南町にある史跡公園。大阪府を代表する一須賀古墳群の保存を住宅開発から守るという目的のもとに設置・整備されました。その広さは29ヘクタール。園内には散策路が設けられており、ご覧のように散策路に沿って古墳が点在しています。
一須賀古墳群は、6世紀前半から7世紀中頃にかけて築かれた群集墳。23支群・総数262基で、その大半が直径十数メートル程度の円墳から成り立っています。実際に散策路を歩くと、いたるところで開口する円丘状の古墳を見ることができますが、群集墳を間近に見ることができる点に大阪府立近つ飛鳥風土記の丘の最大の魅力があるといえるでしょう。
写真:乾口 達司
地図を見る写真は一須賀古墳群のなかでも最大級の規模を誇るD4号墳。直径25メートル、高さ2.3メートルの円墳で、内部には石棺・木棺を合わせて4基の棺が確認されました。金銅製飾金具やかんざしなど、大陸から伝わったと考えられる副葬品も多数出土しています。ということは、埋葬されていた人物は大陸からの渡来人の一族であることも考えられますが、石室は開口しているので、石室内に立ち入ることも可能。ぜひ、石室内に足を踏み入れ、その黄泉の世界をご堪能ください。
写真:乾口 達司
地図を見る写真はB9号墳。円墳が大半を占める一須賀古墳群にあっては珍しく方墳です。石室内には組合式の家形式石棺が復元されていますが、復元されたものであるとはいえ、石棺が安置されているのは珍しいので、築造当時、石室にどのような形で石棺が安置されていたかを知るのに参考になることでしょう。
写真:乾口 達司
地図を見る近つ飛鳥風土記の丘の園内に点在するのは、一須賀古墳群だけではありません。実は当地から3キロメートルほど離れたところに広がっていた寛弘寺古墳群から移築された寛弘寺45号墳なども保存されています。45号墳の石室の全長は9.7メートル。7世紀前半の築造と推定され、この時期では国内でも最大級の規模を誇ります。
写真:乾口 達司
地図を見る園内には展望台も設置されており、眼下に広がる「近つ飛鳥」およびその周辺地域の様子を見渡すことができます。お天気が良ければ、遠く大阪湾や六甲山まで見渡せるので、近つ飛鳥風土記の丘を散策する際はお天気の良い日を選びましょう。
史跡公園として保存・整備された、近つ飛鳥風土記の丘の魅力がおわかりいただけたでしょうか。周囲には他にも「近つ飛鳥」および大阪府の埋蔵文化財を展示した近つ飛鳥博物館もあり、近つ飛鳥風土記の丘を訪れる際は当館で事前に考古学の知識を仕入れてから散策すると、よりいっそう楽しめるはず。もちろん、四季折々の樹木もたくさん生い茂っているので、お弁当片手にのんびり過ごすのも一計でしょう。当地で古代史の世界にどっぷりひたってみてください。
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(2024/9/16更新)
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