日本で最初に創建された寺院といわれる飛鳥寺。
887年(仁和3年)と1196年(建久7年)の二度の火災により焼失し、室町時代以降は荒廃していましたが、1632年(寛永9年)と1826年(文政9年)に再建され現在に至っています。
入口の段階では他の寺院との違いを感じることができませんが、この門をくぐると飛鳥の時代にたどり着くことができますよ。
御本尊の「釈迦如来坐像」は、銅製で国の重要文化財に指定されています。
605年(推古天皇13年)、時の天皇が聖徳太子や蘇我馬子や皇子とともに発願し、鞍作鳥(百済の仏師)によって造られた日本最古の大仏。
こちらの大仏様は、高さは約3メートルで銅は15トン、黄金30キロを用いて造られました。他所の大仏様と比較すると小ぢんまりとしてるのですが、大きさとは違った迫力を感じられます。
奈良の大仏様などと比べると、お顔が少し面長に感じられるでしょう。
諸説ありますが、創られた時代が違うことと、当時はまだ国内で仏像を創る技術を持ったものはいなかったとされるため、百済の仏師が渡来して創られたから「百済ならではのテイスト」が入ったではないかと言われています。
また、左右それぞれ見る方向により大仏様の表情が違って見えるのです。
平安・鎌倉時代の二度の火事により建造物は焼失しましたが、奇跡的に大仏様は全焼を免れ後に修復を受けました。建造物が再建されるまでの間は野晒しになっていたこともありますが、1400年以上の間、飛鳥の土地に鎮座されています。
仏像が鎮座するこちらのお堂では、お寺の方が仏像とお寺の歴史のお話しをしてくださいます。興味深いお話しを聞くことができますよ。
昭和31年の発掘調査により、創建時の寺は中心に塔を置き、東・西・北には金堂を配置し、外側には回廊をめぐらされた、講堂も含まれる壮大な伽藍であったことが判明しました。
残念ながら現在は五重塔や回廊などはなく、この「当時の復元図」(上の写真)のようなスケールをそのまま体感することはできません。
「ここが五重塔があったところ」などと復元図を見ながら、昔と今を比べてみると当時のスケールのイメージができます。
この像は室町時代に造られた木造で、太子が16歳のとき、父である用明天皇の病気回復を祈願されている姿と言われており、聖徳太子のゆかり深い飛鳥ならではの木造の像です。
室町時代に造られたこともあり、飛鳥時代に創られた飛鳥大仏とはお顔のテイストが違います。
時代ごとにお顔の特徴が変化していることも感じられます。
仏像様のお顔の違いなどに注目して見てみると更に奥が深くなりますよ。
東大寺など奈良市内の寺院とは違った歴史が感じられる飛鳥寺。
日本で最初に創建された寺と、日本最古の大仏様を見る価値あり!
大仏様のお顔をぜひ左右それぞれから見ていただきたいと思います。
また近くには「橿原神宮」や「飛鳥坐神社」など同時に回れるスポットもあります。
【アクセス】
■電車〜バス
近鉄橿原線または、近鉄南大阪線「橿原神宮前」駅下車、
奈良交通バス岡寺前行、または駅東口より周遊バス(かめバス)
「飛鳥大仏前」バス停下車すぐ。
■電車〜タクシー
近鉄橿原線または、近鉄南大阪線「橿原神宮前」駅よりタクシーで約10分。
■マイカー
西名阪自動車道「天理IC」または、「柏原IC」より車で40分。
南阪奈道路「葛城IC」より車で30分。
※国道169号線を近鉄岡寺駅前交差点で左折〜約10分
※寺院前に有料駐車場あり(普通自動車:500円)
※他所にも「日本最古の仏像」と謳っている寺院もありますが、本記事は「飛鳥寺・飛鳥大仏が日本最古の寺院・仏像」という説に拠って記述しています。
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(2023/12/5更新)
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