大安禅寺のはじまりは、今から1200年余り前、泰澄大師が竜王山田谷寺として創建したお寺です。天正2年(1574年)、織田信長の越前攻略(越前一向一揆)の兵火に遭い、焼失しました。その後、万治2年(1659年)第4代福井藩主松平光通公が、松平家の永代菩提所として建立されたのが現在の大安禅寺です。以来3百数十年もの間、火災、震災などの難をのがれ、本堂など今も当時のままの姿を見ることができます。
北陸三十三観音霊場の10番目の札所で、平成20年には本堂をはじめとする伽藍一体が国の重要文化財に指定されました。
大安禅寺は、足羽川が九頭竜川に流れ込むあたり福井駅から北西約10Kmほどのところに位置しています。
本堂に祀られているご本尊「正十一面観音」は、平安時代に作られた木造の観音様です。その両端には狩野派によるふすま絵があり、歴史を感じる空間になっています。本堂から境内の花菖蒲園に向かうところには、白い玉砂利と岩で構成されている石庭の「阿吽庭」があります。日光東照宮をつくった宮大工が手がけたと言われている開基堂もあります。
梅雨時に訪れると、約1万株の花菖蒲と約1千株の紫陽花、さらにバラ園のバラも咲いています。棚田のように、山に沿って菖蒲園、バラ園が段々に作られていて、坂道を登るたびに目の前に広がる景色が変わります。端に東屋もあり、一休みしながら庭の花を楽しむことができます。
毎年花菖蒲祭が開催されて、コンサートやパフォーマンスなどのイベントが催されています。第32回の2015年は6/6〜6/28の開催です。
大安禅寺境内の花菖蒲園、バラ園を通り抜け山道を少し登った先に、福井の名石「笏谷石(しゃくだにいし)」を1360枚を敷き詰めた福井歴代藩主の永代廟所「千畳敷」があります。正面は初代福井藩主結城秀康公の墓石で、11代目までの殿様が祀られています。その墓の高さは3m以上もあって、上野寛永寺にある徳川将軍のものよりも大きいそうです。
生前、大安禅寺をこよなく愛した幕末の詩人「橘曙覧」の奥墓なども、山の近くの墓所にあります。
山門から山をまっすぐ登る階段の参道沿いにも、紫陽花が咲いています、見頃は6〜7月半ば。現在この道の通りぬけはできませんが、下から見上げてみましょう。鬱蒼とした木々と紫陽花は、情緒ある古寺の趣を今に残しています。
(1)福井市街には、歴史の名所が数多くあります。
福井藩主・松平家の別邸で優美な書院建築と庭園内の広大な園池を持つ「養浩館庭園」、福井出身とされる継体天皇にまつわる歴史物や古墳群が点在する「足羽山公園」、徳川家康のニ男・初代福井藩主・結城秀康が慶長11年(1606年)に築城した、今はお堀が名残をとどめている「福井城の城址」、柴田勝家やお市の方の像がある「柴田神社」などなどがあります。
大安禅寺を訪れたときに、是非、福井市街を巡って越前の歴史に思いを馳せてみてください。
(2)大安禅寺のへのアクセス
車の場合:北陸自動車道・福井北ICで降りて越前海岸方面へ国道416号線を直進 (福井北IC〜大安禅寺 約25分)
JR・バスの場合:福井駅(京福バス川西方面行き)〜大安寺門前バス停 約30分 下車後、大安禅寺まで徒歩 約20分
(バスの本数が限られているので、京福バスのHPなどよく確認してください)
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(2024/9/17更新)
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