写真:もんT
地図を見るJR磐越西線は新潟県の新津駅から会津若松を経て、福島県の郡山駅までを結ぶ、全長175.6kmの路線。途中の会津盆地の端に位置する喜多方駅までの間は、運行本数も少ない、非電化のローカル線区間です。
普段はディーゼルカーがのんびりと行き交うこの区間を、4月〜11月の土曜・休日はSL列車が走ります。2015年の運行ダイヤの概要は…
(行き)新潟9:30発→喜多方13:05着→会津若松13:32着
(帰り)会津若松15:25発→喜多方15:51発→新潟19:01着
7両編成の特別な客車を牽引するのは、「貴婦人」の愛称をもつC57型蒸気機関車。機関車が点検整備中のときは、C61型など別の蒸気機関車やディーゼル機関車が、同じ客車を牽引します。
この「SLばんえつ物語号」、日本で運行されているSL列車の中では最長距離、126.2kmを走破します。それだけに、長時間の乗車でもだれもが楽しめる趣向が凝らされています。目的地までの道中も、楽しい時間を過ごせます♪(詳しくは後ほど…)
乗車するには、乗車区間に有効な乗車券に加えて、普通車は指定席券(大人¥520)、グリーン車はグリーン券(乗車距離により大人¥770〜¥1670)が必要です。運転日や時刻・停車駅の詳細は、JR東日本新潟支社のウェブページなどで確認しておきましょう。
写真:もんT
地図を見る行きの「ばんえつ物語号」は、咲花(さきはな)駅の手前から進行方向左手に阿賀野川を見ながら進んでいきます。県境に近づくと阿賀野川は名前を阿賀川と変え、渓谷美も増していきます。その優美な景観はドイツのライン川に比肩…、「阿賀野川ライン」と称されます。
阿賀川の流れは、県境近くの三川(みかわ)駅付近からは進行方向の右、そして福島県に入った徳沢(とくさわ)駅あたりからは左、さらに尾登(おのぼり)駅を過ぎると右に…と、移ろいゆくので、どちら側の席に座っても渓谷美が楽しめるでしょう。車窓を愛でながら、大正時代をモチーフにしたレトロな客車に揺られて、ノスタルジックな鉄道の旅が楽しめます。
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地図を見る沿線の風景は阿賀川の渓谷美だけではありません。のどかな山村やかなたに連なる山々の風景にも注目です。この美しい風景をもっとワイドに楽しみたい!ということであれば、展望車に行って見ましょう!「ばんえつ物語号」には7両編成のうち、展望スペースが3箇所もあります。
7号車のグリーン車の展望スペースはグリーン車利用客専用の展望スペース。行きの列車はこちらが最後尾になります。帰りの列車は1号車の「オコジョ展望車両」が最後尾。いずれも最後尾からは、写真のように180°のワイドなパノラマを満喫できます。
(写真は帰りの「ばんえつ物語号」最後尾1号車から撮影)
列車は、阿賀川やその支流、そして山々の間を、いくつもの鉄橋やトンネルで駆け抜けていきます…。昔の鉄道唱歌で歌われた世界ですね♪
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地図を見る「ばんえつ物語号」の旅は、風景を愛でる以外にもお楽しみが充実。大人も子どもも楽しく過ごせるよう趣向が凝らされています。
まずは各車両ごとに行われるじゃんけん大会。アテンダント対参加希望者でじゃんけんをして、最後の5人くらいまで勝ち残ると記念の缶バッジがもらえます。この缶バッジ、非売品のレアグッズなので注目です。
続いては1号車の「オコジョ展望車両」。車端部半分は先ほど紹介したとおりの展望スペースですが、残りは小さな子どもたちが遊べるフリースペース。乗っているだけでは退屈…という子どもでも、ここなら目的地まで楽しく時を過ごせますね。
乗車記念のグッズがほしい!という方は、5号車へ!車両の4号車寄りに売店があり、キーホルダーやストラップなどのグッズ、それからお弁当や飲み物がそろっています。
それから売店の隣には「SL茶屋」の暖簾が…。沿線の地酒の呑み比べセット(¥1250)など、本格的な日本酒や酒の肴はこちらでどうぞ♪
購入したお弁当や地酒は、隣の4号車展望車両にておいしくいただきます。4号車は車両全体がフリースペース。写真のように座席やカウンターがサイドに向いていて、車窓いっぱいに広がる風景を味わいながら、思い思いにくつろげます。
乗車記念のスタンプは、ここ4号車にあります。また写真にも写っていますが、ここにはレトロな郵便ポストも…。このポストに投函した郵便物には、「ばんえつ物語号」をデザインした特別な消印スタンプが押されます。これも旅の記念になること、間違いなしです。
「ばんえつ物語号」ならば、終点までの約4時間の道中も、十人十色の旅の思い出が作れます♪
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地図を見る「ばんえつ物語号」が目指す会津盆地には、喜多方や会津若松など観光資源が実に豊富…。しかしそこへの途中駅周辺にも、魅力的な観光スポットが点在します。駅から歩ける範囲で観光を楽しみたいのなら、喜多方の1駅手前、山都(やまと)駅がおススメです。
周辺は会津山都蕎麦の産地。山都駅から歩いて10分弱の範囲に評判のお蕎麦屋さんが数軒あります。行きの「ばんえつ物語号」は、ちょうどお昼時の12:37に山都駅に着くので、ここで下車して昼食をとること、おススメです。駅前を左に折れて道なりに行くと、踏み切りの先に山都の町並みが続き、お蕎麦屋さんも数軒見つかります。
また、さらに道なりに行くと、阿賀川の支流、一ノ戸川を渡ります。右手には磐越西線の一ノ戸川橋梁が!1910年の開業時から使われている、長さ445mにも及ぶ堂々たる鉄橋です。ここまで駅からは徒歩10分。行きの「ばんえつ物語号」は山都駅で10分間停車するので、山都駅で下車した場合は、鉄橋方面へ小走りで急ぐと、このあたりで汽笛をこだまさせて鉄橋を渡っていく「ばんえつ物語号」を見送ることができるでしょう。
この一ノ戸川橋梁は「ばんえつ物語号」の有名な撮影スポット。SL運転日には、沿線で最も多くの鉄道ファンやギャラリーが集まります。特に人気の場所は、鉄橋の南側。駅からは徒歩20分ほどで到着です。行きの「ばんえつ物語号」が行ってしまった後は、13時半頃に下りと上りの普通列車が続けて鉄橋を渡っていくので、その頃合に鉄橋の近くに行ってみるのも良いでしょう。写真を撮るだけでなく、ビデオもまわしてぜひ音も拾って!このレトロな鉄橋を渡っていく列車の走行音、「うつくしまの音30景」に選ばれています。
優美な阿賀野川ラインに沿って、「SLばんえつ物語号」で磐越西線を旅してきました。列車は山都駅を出て一ノ戸川の鉄橋を渡ると、阿賀野川水系とはお別れです。その先、線路は峠を越えて、会津盆地の喜多方市街へと下っていきます。
今回の旅の区間、日常を走るディーゼルカーでの旅も魅力的ですが、「SLばんえつ物語号」で旅すると、ノスタルジックな+αの思い出ができることでしょう。旅の思い出の1ページにぜひ加えてみてくださいね。
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(2024/9/16更新)
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