写真:Hiroko Oji
地図を見るブルガリアの首都は?と聞かれても、その名はすぐには出てこないかも知れないほど日本人には馴染みの薄い国かもしれません。その名は「ソフィア」(Sofia)といい、ソフィアから列車なら2時間、バスなら途中の町で乗り換えて2時間半で到着するのが、コプリフシティッツァ(Koprivshtitsa)の村です。周囲を山で囲まれ、標高1050メートルの涼しい気候から、避暑地としても知られています。
到着した途端、時間が止まったかのような物静かな雰囲気の中、時折走り去るのは、馬が引く荷車!今でも、荷物運びには現役で活躍中です。車窓風景でも馬車があちこちで見られますが、この馬がいなければ、今の村の生活には支障をきたしてしまう・・・そんな大切な生活の一部となっているのです。馬の走る「パカッ、パカッ」という小気味よい響きになぜか惹きこまれてしまいます。
写真:Hiroko Oji
地図を見る片田舎のコプリフシティッツァの村ですが、19世紀、バロック様式と民族復興様式が融合した屋敷がこの地方の邸宅に取り入れられるようになり、今でもたくさん保存されています。独特な張り出し窓が印象的なお屋敷です。中には住居として使われているお屋敷もあり、運よく住民に出会ってお庭や家の中を案内してもらえることもあります。一般的には、名前の付けられた有名なお屋敷は6軒で、ハウスミュージアムめぐりの形で一般公開されています。
写真のお屋敷は、オスレコフ・ハウスといい、豪商オスレコフが1856年に建てたもの。玄関の部分を支えているのは彼がレバノンから持ち帰ったスギ材の柱で、ファサード部分が装飾画で覆われた外観は一際目を引きます。その他には、シンプルな中にも力強いブルーの外観が美しく、玄関上部に装飾の入った壁がはめ込まれているリュトフ・ハウス、インテリアデザイナーの大工が施工した、中央部の波打ったデザインとオレンジ色が特徴的なカプレシュコフ・ハウスなど、外観を見ていくだけでも楽しめるお屋敷たちです。
写真:Hiroko Oji
地図を見る外観だけでなく、お屋敷の内装もそれぞれ見応えがあります。お屋敷によっては西ヨーロッパ風のお部屋だったり、トルコ風に窓際全面が長ベンチのようになり、ベッドとしても使えるよう色鮮やかな特色ある織物で覆われているお部屋だったり、華々しいものからシンプルなものまで様々。
床には手工芸品の美しい模様の敷物が敷かれ、天井は凝った細かい木彫り装飾で覆われた木製のもの。シャンデリアはお部屋に合わせてゴージャスにデザインされています。また、台所用品の数々、トルコ風の茶器やゆりかご、レースや刺繍作品、手の込んだ刺しゅう入りの民族衣装、宝飾品、機織り機や印刷機などが展示されているのも面白いところ。その当時どのように生活していたのか思い描きながら見ることができます。
写真:Hiroko Oji
地図を見る村の中には、石畳のデコボコの路地沿いに石積みの塀に囲まれた民家が続きます。どの民家にも広いお庭があって緑いっぱい!家々の間を小さな川が流れ、川にはところどころに古くからある石橋が架けられています。集落の周りは長閑な牧草地風景が広がり、さらに山が取り囲む、そんな村を小高い村外れの展望台から静かに見守るかのように像が立っています。
ここからの眺めは長閑そのもの!村を歩き回って疲れたら、どっかりと座り込んで眺めを楽しむのも寛ぎのひとときです。
写真:Hiroko Oji
地図を見るハウスミュージアムとなっている6軒のお屋敷は、お得な共通券を利用して見学できるようになっています。館内の写真撮影もOK!中心地の四月蜂起記念碑のある広場に面したインフォで購入できますので、是非ご利用くださいね。
ハウスミュージアムを始め、村内の民家はそれぞれ広いお庭にも恵まれています。緑豊かでお花が溢れるお庭は、村全体のゆったり感にもつながっています。そんなゆったりした環境はこの村だけでなく国全体がそうであるように、住んでいる人々もとってものんびりしていて、心優しさが溢れています。第一印象は、寡黙でシャイな感じですが、実は温かくておおらか!英語はあまり通じませんが、一生懸命聞いてあげようという姿勢で親身になって対応してくれる、そんな村人の姿があちこちで見られます。
現在では、歴史的なブルガリアの建造物が残され、田舎にありながら民族音楽祭が開催され、観光地ともなっているコプリフシティッツァです。列車やバスが頻繁にあるわけではないのですが、丸1日かけて首都のソフィアからでも訪れる価値は十分にあります。心癒されにご訪問されては、いかがでしょうか。
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(2024/12/14更新)
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