クールジャパンミュージアム!渋谷区東は日本文化の国際発信基地

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クールジャパンミュージアム!渋谷区東は日本文化の国際発信基地

クールジャパンミュージアム!渋谷区東は日本文化の国際発信基地

更新日:2016/04/08 12:49

Naoyuki 金井のプロフィール写真 Naoyuki 金井 武蔵国ナビゲーター、歴史探索ブロガー

世界的に有名な渋谷は、駅前のスクランブル交差点などを中心に若者たちの喧噪が渦巻いています。しかし、渋谷駅から少し奥に進むと、そこには驚くような閑静でアカデミックなエリアがあり、日本の歴史・文化・芸術の一端を垣間見ることができる渋谷とは思えない空間が存在しているのです。
今回は、クールジャパンを世界に向けて発信しているスポットが集まる渋谷区東エリアをご紹介いたします。

古代の信仰を発信する『國學院大學博物館』

古代の信仰を発信する『國學院大學博物館』

写真:Naoyuki 金井

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分かりやすい日本史を描いた代表作“梅干と日本刀”で、一世風靡した考古学者で國學院大學名誉教授が樋口清之博士。
博士によって創設された「考古学陳列室」と、学院大学ならではの「神道資料館」が合体したのが『國學院大學博物館』です。

見どころのポイントは“山ノ神遺跡復元模型”で、奈良県大神神社の神体山である三輪山内にある山ノ神遺跡を復元したものです。山自体をご神体として崇めた原始神道の代表例で、その遺跡は、日本最古の神社の一つと云われる大神神社の由緒を今に伝える貴重なもので、この大神神社を元にして建立されたのが伊勢神宮と云えば、その存在の重要性は推して知るべしでしょう。
こうした展示品を始めとして、神道を具体的に知ることができる稀有な展示品が溢れているのです。

日頃から機会あるごとに神社にお参りしている日本人ですから、あまり堅苦しく考えず、手軽に“神道”の歴史や文化を楽しむには絶好のスポットなのです。

江戸時代の偉業を発信する『温故学会』

江戸時代の偉業を発信する『温故学会』

写真:Naoyuki 金井

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江戸時代の国学者で幼少期に失明しながらも研鑽に努め、当時の盲人の職業団体のトップになったのが総検校・塙保己一。
子供の頃、母から「塙先生をお手本にしなさい」と励まされて育ったヘレン・ケラーも昭和12年の来日時に、ここを訪れたほどの偉人です。

この塙保己一が、古書の散財を危惧して作った“群書類従”は、古代から江戸時代初期までに作られた史書や文学作品1273種を収めたシリーズ書で、全666冊からなる膨大な書籍です。江戸時代の印刷は木版ですので、保己一は自ら借金を背負いながら17,244枚の版木を製作し、1793〜1819年に“群書類従”を刊行したのです。
この貴重な版木を保存・管理しているのが『温故学会』で、現在、重要文化財に指定されていますが、版木を間近で見ることもできますし、有料ですが印刷をお願いすることもできるのです。

日本の歴史を編纂した塙保己一の偉業を、膨大な版木に感じることができるスポットです。

江戸〜大正の女性芸術を発信する『香雪記念資料館』

江戸〜大正の女性芸術を発信する『香雪記念資料館』

写真:Naoyuki 金井

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宮中での奉仕後、教育者としての道を歩み、実践女子学園の前身である実践女学校・実践女子工芸学校を設立したのが下田歌子女史。
そして近世以降の絵画を収集・保管・展示しているのが、歌子女史の号“香雪”に由来した『香雪記念資料館』で、実践女子大内にあります。

この記念館の特徴は、何といっても実践女子学園らしく、女流画家の作品を中心にコレクションしていることです。
源氏物語などの日本の古典文芸に関係した作品を数多く描いた江戸時代の狩野派の絵師・清原雪信。近代大阪を代表する南画家で、画塾を開いて若い女性を指導し、多くの女性画家を門下から輩出した河辺青蘭。こういった著名な女流画家を始めとして、女性ならではの作品を見ることができるとともに、歌子女史自身の宮中御下賜品や書画、文学著作なども見逃せません。

女性にテーマを絞り、女性の感性を余すところなく発揮した作品を通して、溢れる美をじっくり堪能できるスポットです。

昭和の日本画を発信する『山種美術館』

昭和の日本画を発信する『山種美術館』

写真:Naoyuki 金井

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SMBCフレンド証券(旧・山種証券)の創始者が山崎種二氏。
この山種氏個人の絵画蒐集に対して、「世の中のためになることをやったらどうか」という横山大観の一言で、1966年に日本初の日本画専門美術館としてオープンしたのが『山種美術館』です。

重要文化財もあるコレクションは有名ですが、興味深いのがその蒐集方法。
横山大観など、当時活躍していた画家とは直接交流の中から作品を蒐集し、無名時代の奥村土牛などは将来性を買って支援していました。更に、1970年代のオイルショックで破綻した商社・安宅産業のコレクションの一部を一括購入するなど、当時の社会世相と相まった実に興味深いコレクションなのです。

証券会社らしく兜町で産声をあげた美術館は、桜の名所千鳥ヶ淵に移ってからは桜作品の展示会が恒例となるなど、“世の中のため”を貫いています。
現在の地渋谷でも、日本画の魅力を“世の中のため”に発信し続けているスポットなのです。

渋谷の歴史文化を発信する『白根記念渋谷区郷土博物館・文学館』

渋谷の歴史文化を発信する『白根記念渋谷区郷土博物館・文学館』

写真:Naoyuki 金井

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渋谷区議会議員であった故・白根全忠氏より寄贈を受け、“渋谷区立白根記念郷土文化館”として1975年に開館し、2005年にリニューアルした際に文学館を併設したのが『白根記念渋谷区郷土博物館・文学館』。

エントランスには、渋谷のシンボルである“ハチ公”がお出迎え。
常設展示室では、渋谷の歴史が学べ、意外と興味深いのが“地下鉄銀座線”の話。銀座線の終点渋谷駅は、地下鉄ながら地上3〜4階にあたる高さにあり、これはわざわざ高くしたのではなく自然な高低差でできたもので、文字通り“渋谷”が谷であった証拠となるものなのです。また、それまでの農村から昭和になっても郊外の一都市でしかなかった渋谷が、1964年の東京オリンピック以降に大変貌した姿は、2020年のオリンピックの道標といえる歴史を含んでいます。

現代のトレンドタウン渋谷の知られざる一面が垣間見られ、改めて渋谷の発展・変貌ぶりに驚かされるスポットなのです。

最後に。。。

渋谷東エリアに密集するクールジャパンスポットでは、平成26年度から「東京・渋谷から日本の文化を発信するミュージアム連携事業」として、國學院大學X渋谷区や、國學院大學X山種美術館と云ったコラボレーション企画も始められています。更に山種美術館X香雪記念資料館の独自な企画展も開催されました。
渋谷の喧騒を離れて、たまにはアカデミックな世界に浸って、日本の良き歴史と伝統、文化を見直してみてはいかがですか。

今回は時系列にご紹介しましたが、ブラッと散策を兼ねてなら、JR渋谷駅〜『香雪記念資料館』〜『國學院大學博物館』〜『白根記念渋谷区郷土博物館・文学館』〜『温故学会』〜『山種美術館』〜JR恵比寿駅と辿るのをおススメします。

掲載内容は執筆時点のものです。 2015/06/26 訪問

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