世界遺産「マカオ歴史地区」コロニアルカラーが煌めく教会を訪ねて

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世界遺産「マカオ歴史地区」コロニアルカラーが煌めく教会を訪ねて

世界遺産「マカオ歴史地区」コロニアルカラーが煌めく教会を訪ねて

更新日:2015/07/06 10:25

遠藤 まさみのプロフィール写真 遠藤 まさみ 世界遺産探検家、ホテルマニア、クラフトビア愛好家

ポルトガル植民地時代の建造物や広場、住宅や公共的建築物など、22の建造物と8つの広場が世界遺産として登録されている歴史の街マカオ。

約9平方キロメートルの小さなマカオ半島内にあるので、お散歩感覚で見て回れますが「時間がないので見所を絞りたい!」というのであれば、たとえば「教会」はいかがでしょうか。植民地政策と宗教は切っても切れない間柄。教会を通してマカオの歴史を覗いてみましょう。

船乗りが航海の無事を静かに祈った「聖ローレンス教会」

船乗りが航海の無事を静かに祈った「聖ローレンス教会」

写真:遠藤 まさみ

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マカオで最も古い3つの教会の1つに数えられる聖ローレンス教会は、1560年以前にイエスズ会によって建てられました。簡素な木造建築からスタートした教会はその後何度も改修が加えられ、1846年にマカオの建築家の設計の元、現在のような形となりました。

埋め立て前の当時は浜辺にあったため、ポルトガル人船乗りの家族は教会の石段に集まって、航海の無事を静かに祈っていたと言われています。「風順堂」とも呼ばれるのですがこれは「祈順風順水」、つまり運気が好く順調に物事が進むという中国の故事に由来しています。

柔らかなクリームイエローが印象的な聖ローレンス教会。扉をくぐれば澄み渡り慈愛に満ちたりた空のような天井、外観と同じくクリームイエローの壁に白い梁が黄金色に染まる雲のような、厳かでいて優美さを感じさせてくれます。聖ローレンスと聖母伝説の一説をモチーフにした図案とモダンなデザインのステンドグラスもまた見所の1つです。

■聖ローレンス教会(聖老楞佐教堂、風順堂、Lgreja de Sao Lourenco)
住所:澳門風順堂街

龍のひげとも呼ばれた「聖オーガスティン教会」

龍のひげとも呼ばれた「聖オーガスティン教会」

写真:遠藤 まさみ

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ロバート・ホー・トン図書館やドン・ペドロ5世劇場など、マカオの世界遺産が集結している聖オーガスティン広場に建つクリームイエローの教会が、聖オーガスティン教会です。

1591年当時、スペインのアウグスチノ修道会により建てられた修道院はとても簡素な造りでした。屋根を覆っていたヤシ科のトウビロウの葉が風に吹かれて揺れる様子が、龍のひげのように立つことから「龍鬚廊」とも呼ばれていました。現在の建物は1874年に再建されたものです。

正面ファザード(建築物の正面、デザイン)は、ヨーロッパのルネサンス時期の新古典様式のデザインに、クリーム色の壁に飾り窓が可愛らしい外観です。主祭壇にある十字架を担いだキリスト像「受難のイエス像」は、主祭壇の側面から入って間近で祈りを捧げられるようになっています。毎年四旬節の最初の日曜日から、2日間に渡って行われる「キリスト受難行列」の儀式では、受難のイエス像がカテドラルまで行進、翌日にこの教会に戻されます。マカオのカトリック教徒にとって重要な「キリスト受難行列」の儀式に合わせて、旅行の計画を立てるのも良いですね。

■聖オーガスティン教会(聖奧斯定教堂, Igreja de Santo Agostinho)
住所:澳門崗頂前地2

薔薇の名にふさわしく美しい「聖ドミニコ教会」

薔薇の名にふさわしく美しい「聖ドミニコ教会」

写真:遠藤 まさみ

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セナド広場のその奥、聖ドミニコ広場に建つ聖ドミニコ教会のファザードは、数あるマカオの教会の中でも特に美しいといえるでしょう。

中国で最も古い教会の1つである聖ドミニコ教会は、1587年にメキシコのアカプルコから来た、3人のドミニコ会スペイン人修道士によって建てられた木造の礼拝所からスタートしました。木造だったことから「板樟堂(板造り堂)」とも呼ばれていましたが、1828年に再建され、現在のような姿となりました。さらに祭壇に祀られた薔薇の聖母子像から、玫瑰堂(薔薇の教会)とも呼ばれ、マカオの人々に慕われています。

毎年5月13日の18:00から行われるファティマの巡礼では、ここから聖母像がペンニャ教会まで運ばれます。また、教会の右手から奥に入った鐘楼を改築した博物館には、約300点の宗教品が展示されています。

■聖ドミニコ教会(Igreja de S. Domingos、板樟堂、玫瑰堂)
住所:澳門板樟堂前地

かつて人気No1の結婚式場だった「聖アントニオ教会」

かつて人気No1の結婚式場だった「聖アントニオ教会」

写真:遠藤 まさみ

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結婚を司る聖アントニオの聖像が祀られている聖アントニオ教会は、1560年以前に建築された、マカオで最も古いカトリック教会の1つです。木造の小さな礼拝堂からはじまり、教会は幾度もの火災と修復を繰り返しています。石造りの様式となったのは1638年のことで、庭に「1638」と記された十字架が残っています。現在の教会は1875年に再建され、外観は1930年に修復され完成しています。かつてポルトガル人のお気に入りの婚礼場所だった聖アントニオ教会。信者はみな白い服をまとい、その手に花束を持っていたため「花王堂」と呼ばれていました。

教会正面のファザードは新古典様式で、室内および祭壇はバロック様式です。白とクリーム色の壁に、天井から垂れ下がるアンティークのシャンデリアが、落ち着いた雰囲気を醸し出しています。

■聖アントニオ教会(聖安多尼教堂, 花王堂, Igreja de Santo Antonio)
住所:澳門花王堂前地

フランシスコ・ザビエルも眠る「聖ヨセフ修道院と聖堂」

フランシスコ・ザビエルも眠る「聖ヨセフ修道院と聖堂」

写真:遠藤 まさみ

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イエスズ会によって1728年に設立された聖ヨセフ修道院(神学院)は、中国本土や日本など、アジアの布教活動の拠点としての役割を担っていました。遥か遠くポルトガルからインド南部の港町ゴア、マレー半島西海岸南部の港町マラッカを経て、日本にはじめてキリスト教を伝えたフランシスコ・ザビエルの上腕部の遺骨も祀られています。

中国では稀なバロック様式の聖堂には、主祭壇に聖ヨセフが祀られ、左右の両祭壇にキリストと聖母マリア像が祀られています。4つのヴォールト(穹窿(きゅうりゅう)、広い空間でも柱の数を少なく天井を支える建築様式)に支えられたドーム型の美しい天井には、イエスズ会のシンボルである「IHS」が描かれています。

■聖ヨゼフ修道院及び聖堂(聖若瑟修院大樓及聖堂, Seminario e Lgreja de Sao Jose)
住所:澳門三巴仔横街

「マカオ歴史地区」は30もの物件が登録されています

教会は他にもカテドラル、プロテスタント墓地に建つモリソン礼拝堂に、マカオで一番標高の高いギア要塞にあるギア教会、そして今はファザードしか残されていませんが聖ポール天主堂跡などがあります。中国式寺院も含めて、約3分の1が宗教施設の「マカオ歴史地区」は、植民地と宗教、そして文化の交流を街並みに残す世界遺産。ゆっくりと散歩をしながら、マカオの歴史を肌で感じてみてください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2013/11/05−2013/11/08 訪問

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