写真:野水 綾乃
地図を見る温泉街の中心から5分ほど歩くと、「原生沼」という湿原が目の前に広がります。九州では稀なミズゴケが群生する高層湿原で、国の天然記念物に指定されています。面積は約1.2ヘクタール。沼の周囲には木道が整備され、10分ほどで一周できます。天候によって沼全体が朝霧に包まれることもあり、朝から神秘的な光景に出会えます。
写真:野水 綾乃
地図を見る原生沼から脇道を入り、高台の「満明寺」へ。木立を縫うようにして続く小径を進むと、両側にいくつもの石仏が並んでいます。これは四国八十八ヶ所のミニチュア版で、先代の住職が現地の霊場を訪ねてそれぞれの砂を持ち帰り、仏像の下に埋めて建てたもの。ひと巡りは約15分、それで四国巡礼したのと同じ功徳が得られるのです。また、境内奥の開けた場所からは、月面のクレーターのような荒涼とした風景が広がる「旧八万地獄」が見渡せます。
写真:野水 綾乃
地図を見る満明寺の境内を抜け、温泉街の中心的な通りに出たところにあるのが「温泉神社」。満明寺とともに創建された歴史ある神社なのですが、境内裏にあるパワースポットの存在はあまり知られていません。それが「夫婦柿」。樹齢200年以上という柿の木で、二本の幹が夫婦のように寄り添っています。二本を両手で抱き、下から撫でながら願いごとを唱えると叶うと言われていて、恋愛成就のほか、家内安全、子孫繁栄などにご利益があります。空気が澄んだ朝は、いっそう神聖な空気が漂っています。
写真:野水 綾乃
地図を見る昼間は観光客で賑わう、温泉街を代表する名所の「雲仙地獄」も、朝は人影がまばらで、ゆったり散策できます。ゴボゴボと音を上げながら至るところから吹き出す噴気が大地の息吹を感じさせ、体の中にもエネルギーが満ちていくようです。
写真:野水 綾乃
地図を見るたっぷり歩いた後は、温泉街のカフェでひと息つきましょう。雲仙温泉街のカフェやレストランでは、豊かな自然の恵みを受けて育った島原半島の野菜を主役にしたグルメに力を入れていて、そのひとつが旬の野菜とフルーツの栄養がぎゅっと詰まった「雲仙スムージー」です。焼きたてパンが地元の方たちにもファンが多い「かせやカフェ」では、濃厚な味わいの旬野菜のスムージー(取材時は甘酒・小松菜・リンゴのスムージー)がいただけます。
こちらのカフェ、元々は明治時代創業の老舗旅館で、貸し切り制の内湯や玄関脇の足湯で、カフェに改装された今も伝統の温泉に浸かることができます。建物の地下で湧く自家源泉を空気に触れることなく湯船に注ぐため、硫黄が香り、成分の濃さが感じられるお湯になっています。体を動かした後に温泉で癒すのもいいですね。
よりエクササイズ効果をアップさせるなら、2本のポールを使って正しい姿勢を保ちながら歩く「ノルディック・ウォーク」もおすすめ。観光協会でポールの無料レンタルができるほか、毎週土・日・月曜の早朝には、雲仙温泉街の宿泊者を対象にしたノルディック・ウォークのイベント「早朝アルクモン」が開催されていますので。参加してみてはいかがでしょうか。「かせやカフェ」の雲仙スムージー(ハーフサイズ)とセットになったプランもあります。
さらに足を延ばせば「鴛鴦の池」や「白雲の池」がありますし、絹笠山などの本格的なトレッキングも楽しめます。温泉+ヘルスツーリズムを目的に、雲仙温泉へ出かけてみてはいかがでしょうか。
この記事を書いたナビゲーター
野水 綾乃
温泉と旅をテーマに雑誌などで記事を書いているライターです。その土地のものがたりや空気感が伝わる文章を心がけています。現在は故郷の栃木を拠点にしていて、全国の温泉地を行き来する日々。栃木の温泉宿や魅力的…
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