写真:下川 尚子
地図を見る和気の藤公園では、7000平方mの園内に、幅約7m、全長500mの藤棚が設置されています。満開を迎えた藤の花は、まるで紫の雲のよう。けむるような薄い紫が頭上に広がるさまは、なんとも幻想的です。
では、和気の藤の説明の前に、まずは藤まつりに行くときの注意点を紹介しましょう。
まず、藤まつりの概要ですが、4月下旬から5月上旬にかけて行われ、この時期は藤公園への入園料として300円がかかります。開花状況は年によって異なりますので、必ずホームページや電話などでチェックしてくださいね。開花状況に合わせて、藤まつりの期間は決定されます。写真の日は、5月5日。藤の種類によっても異なりますが、総じて七〜八分咲きといったところです。
※参考:2016年の藤まつりの期間は4/23〜5/5(13日間)
次に混雑具合ですが、シーズンには多くの人でにぎわいます。見ごろの週末になると、藤公園前の駐車場は10時頃から混雑し、行列となることも。8時から公園はあいていますので、ゆっくりとご覧になりたい方は、早朝の観賞をオススメします。
写真:下川 尚子
地図を見る写真は、宮崎県宮崎市、宮崎神社の「大シラフジ」。珍しい白色と、バックの紫の藤、そして青空との色の調和も素敵です。
和気の藤の特徴は、なんといっても100種という種類の豊富さ。北は北海道の函館、南は鹿児島の坊津の藤まで、まさに日本全国さまざまな種類の藤が見られます。100種類という数は日本一となっており、「日本一の藤公園」と呼ばれています。
沖縄を除く(野生の藤は沖縄には存在しません)46都道府県でそれぞれ有名な藤の木がありますので、「地元の藤」を探してみてはいかがですか?また、韓国や中国など外国の藤もあります。
藤というと「藤色」と呼ばれる薄紫色の花を思い浮かべる方がほとんどだと思いますが、白やピンクなど珍しい色の藤も見られます。また、八重咲きの華やかな藤もあれば、藤棚から長く垂れ下がる藤、小さな花房をつけた短い藤など、本当にバリエーション豊かです。
花の好みは人それぞれ。自分の「お気に入りの藤」を探してみても楽しいですね。
写真:下川 尚子
地図を見る藤まつりでは、藤棚の下を散策するほか、少し疲れたら座って休憩したり、この地域ならではのグルメを楽しんだり、野点を楽しんだりといった楽しみ方もできます。野点の傘と藤の取り合わせは「日本の心」を感じますね。
会場には多くの屋台が出ており、例年、岡山の北部にある津山の「津山ホルモンうどん」などの有名なB級グルメのお店もあります。和気町の「手作りようかん」や、「祭り寿司」なども名物です。試してみてくださいね。
例年、4/29には開園イベントとして「藤まつり太鼓合戦」が行われますので、そちらにも注目です。
写真:下川 尚子
地図を見る備前焼というと、全国的にも有名な焼き物の一つ。和気町から近い備前市周辺を産地としており、土の風合いが感じられる茶褐色の地肌がその特徴。
堅く焼きしめられたつややかな表面と、ひとつとして同じものはない自然の味わいのある備前焼は、派手さはないものの根強いファンが多くいらっしゃいます。
藤まつりを歩いていると、そんな備前焼のお店を見かけることも。ぐいのみやビアグラス、茶器などさまざまな種類が揃っています。土の風合いを残しつつも、つやのあるなめらかな地肌は美しく、ひとつひとつの味わいをじっくり見ていると目移りしてしまうほど。
釉薬を使わずに焼く備前焼は、出土する場所によっても風合いが変わり、焼くときの「窯変」によってそれぞれ異なる模様が現れます。ひとつずつじっくりと見極めながら、いちばんしっくりくるものを選んでみてはいかがでしょうか。
写真:下川 尚子
地図を見る最後に、藤公園のある場所についても触れておきましょう。
和気の藤まつりに行くと、まず公園の入口には写真の大きな像があります。これは、奈良時代から平安時代にかけて活躍した「和気清麻呂」。当時の備前国に生まれ、桓武天皇の信任を得て、この地方の河川改修など治水を行ったとされています。
和気清麻呂像を正面にして、藤公園は左方向、そして正面奥には和気清麻呂をご祭神のひとつとする和気神社があります。そのほか、右方向には和気町歴史民俗資料館もありますので、これらの場所にも立ち寄ってみてはいかがでしょう。
和気の藤まつりの会場の地名は「藤野」といい、その名のとおり、昔は藤の咲き乱れる原野であったといわれています。咲き誇る藤に往年の景色を思い浮かべ、その当時に思いをはせてみてはいかがでしょうか。見頃の時期に合わせて、ぜひ、訪れてみてください。
和気町の立地としては、東に備前市、北に美作市に接しています。お時間があれば、前述したように備前市に立ち寄って備前焼のギャラリーをめぐったり、美作の湯郷温泉までドライブするのもオススメ。
また、藤まつりの期間中は、夜間のライトアップも行われます。ライトアップされた姿にはまた違った情緒がありますので、お時間が合う方はぜひご覧になってみてはいかがでしょう。
春の一日、美しい藤の花と観光をお楽しみください。
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この記事を書いたナビゲーター
下川 尚子
兵庫県出身。2013年より2年間群馬に住み、現在は横浜在住。趣味は、食べ歩きとスポーツ観戦。小さな夢は、家族で北海道スノーボードに行くこと。そして、老後の目標は、四国八十八か所踏破です。夫が転勤族のた…
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