北海道の世界遺産!知床連山トレッキングは「世界にひとつ」な魅力が満載!

北海道の世界遺産!知床連山トレッキングは「世界にひとつ」な魅力が満載!

更新日:2018/10/26 11:45

北海道の知床といえば、流氷に温泉や滝などが有名ですが、やはり2005年に世界遺産に登録された、知床五湖を含む知床の大自然が最大の魅力といえるでしょう。

長さ約70キロメートル・幅約25キロメートルの狭く細長い土地に、海抜0〜1,600メートルを超える山々が連なる知床半島。雄大なる自然と魅惑の生態系、高山植物と絶景を訪ねる知床連山トレッキングで、世界遺産の魅力に迫ってみましょう。

めぐるましく変わる景色と絶景が堪能できる知床連山縦走

めぐるましく変わる景色と絶景が堪能できる知床連山縦走

提供元:遠藤隆尚

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北海道の東端に細く長く突き出した知床半島の中心部、北東から南西に連なる知床連山は、最高峰であり日本百名山にも選ばれた羅臼岳(1,660メートル)をはじめとして1,500メートル級の山々が続く、登山経験者向けのトレッキングが人気です。羅臼岳、三ツ峰、サシルイ岳、オッカバケ岳、南岳、知円別岳、硫黄山と、おおよそ17キロメートルの登山ルートにある特徴的な山、そして知床固有種の動植物やかわいらしい高山植物などが見もので、3ヶ所ある登山口のすべてに温泉があるのも登山者には喜ばしいところです。

知床が自然遺産に選ばれたのは、細長い知床半島、そこに連なる山々、そして北東に伸びる千島列島、これらの地形のお陰といっても過言ではありません。知床半島と千島列島によりオホーツク海と太平洋が切り離され、そこにユーラシア大陸のアムール川から流れこむ淡水が塩分濃度を和らげ、結果として流氷で知られる冬にだけ海が凍る現象「季節海水域」を作り出しました。また、太平洋側から吹く湿った空気が知床連山にぶつかることで、フェーン現象が発生し、太平洋側の羅臼とオホーツク海側のウトロではまったく違う気候を生み出します。このような特異な自然環境により、複雑な生態系と食物連鎖を生み出している知床半島。それが地球上でも稀な例であるとして、世界遺産に登録されたのです。

知床連山縦走はこの自然環境を作り出した地球そのものを、じかに感じられるとても興味深いトレッキングルートといえるでしょう。

*ルートの詳細はMEMOの「知床世界自然遺産・知床国立公園 羅臼ビジターセンター」を参照してください。

まるで地獄谷?!硫黄山周辺は慎重に歩こう

まるで地獄谷?!硫黄山周辺は慎重に歩こう

提供元:遠藤隆尚

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遠くから見ると残雪?と見間違うほどに白い山肌の正体は、まるで地獄谷のような砂と小石だらけのザレ場(岩屑がこまかく小石や砂を敷いたような場所)です。

標高1562メートルの硫黄山は活火山で、今でも高純度の硫黄が大量に噴出しています。1936年の噴火の際には、溶けた硫黄を噴出、このときの硫黄の総噴出量は約20万トンにもなったのだそうです。岩肌がむき出しのザレ場が広がるこの景色は、噴火による痕跡なのでしょう。

*硫黄山縦走の最大の難関ともいえる、硫黄山周辺のザレ場はより慎重に歩を進めてください。また登山ルートを見失いやすい場所でもあります。

足元に咲くシレトコスミレはここでしか見られない絶滅危惧種

足元に咲くシレトコスミレはここでしか見られない絶滅危惧種
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ザレ場付近はとくに足元に注目!です。
知円別岳から硫黄山周辺は、知床固有種のシレトコスミレの生息地としても有名で、6月中旬〜7月上旬に見頃を迎えます。砂と小石のおおよそ植物には住みにくいと思える、非常に限られた環境に生育するシレトコスミレは、草丈5-10cmの多年草で一株にたくさんの白くかわいらしい花を咲かせます。

絶滅危急種に指定されている可憐な花は、とっていいのは写真と思い出だけ。大事に後の世に残してあげてください。

*近年、択捉島に咲くスミレと同種である可能性が指摘されています。

宿泊は点在するキャンプ指定地で!

宿泊は点在するキャンプ指定地で!

提供元:遠藤隆尚

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知床連山縦走路には羅臼平・三ッ峰・二ッ池・第一火口の4つのキャンプ指定地があり、それぞれフードロッカー(クマ対策食料保管庫)が設置されています。

雪解け水を組み上げて煎れるコーヒーに工夫を凝らした食事は、登山ならではの格別の楽しみ。明かりも何もない、あるのは自然と静寂のみの大自然の中でいただくと何倍にもおいしく感じるのは、自然の恵みを肌で感じられるからでしょう。

*避難小屋などはなく、テント泊のみです。
*ヒグマ・キツネの生息地です。食料の取り扱い・保管には十分配慮して下さい。
*その他、詳しくはMEMOの「知床世界自然遺産・知床国立公園 羅臼ビジターセンター」を参照してください。

最後はやっぱり温泉!カムイワッカ湯の滝で汗を流して

最後はやっぱり温泉!カムイワッカ湯の滝で汗を流して

提供元:遠藤隆尚

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羅臼岳側から入山した場合、下山地点となるのが有名な滝の温泉「カムイワッカ湯の滝」です。山の上の源泉と雨が交じり合った水が川となり、滝壺をつくり天然の温泉となって人々に癒やしを与える「カムイワッカ湯の滝」は、かつてアイヌの人々から「魔人の水」として恐れられていたそうです。泉質は「魔人の水」と言われたのも納得の、擦り傷もヒリヒリ・ピリピリするほどの強酸性。

バックパックにこっそり水着を忍び込ませて、おもいっきり滝壺にダイブしたいですね!

*※硫黄山登山口〜カムイワッカ湯の滝区間は落石の恐れがあり、通常通行止めとなっています。例年6月20日前後から9月20日前後は、登山者に限り「通行止区間の特例使用申請書」を事前に提出することで通行可能となっています。くわしくはMEMOの「知床世界自然遺産・知床国立公園 羅臼ビジターセンター」から、「羅臼岳・硫黄山・知床連山を登山される方へ」のページを参照して下さい。
*温泉の情報はMEMOの「無料!大自然!泉質最高!北海道・道東の「無料温泉5選」」を参照して下さい。

世界遺産に登録された自然の恵みを堪能して

知床連山縦走は1泊2日でも走破できますが、足元に咲きほころぶ高山植物をゆっくりと見て回るのであれば、やはり2泊3日がお薦めです。知床の短い夏でしか味わえない植物のいのちの輝き、山と海が奏でる絶景を探しに北海道の東端「世界自然遺産・知床」を訪ねてみて下さい。

*本コースは上級者向けです。上級者でない方はガイドを雇うことをお薦めします。
*登山計画はしっかりと立て、現地でも情報収集を心がけましょう。
*基本的に登山道沿いにトイレはありませんので、携帯トイレを持参してください。
*夏も雪渓が残ります。アイゼン、ピッケル等を持参しましょう。
*知床はヒグマの生息地です。
*その他、詳しくはMEMOの「知床世界自然遺産・知床国立公園 羅臼ビジターセンター」を参照してください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2013/08/14−2013/08/16 訪問

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