写真:小林 理沙
地図を見る1997年の10月に開館して以来、もはや街の象徴となっているのが「グッゲンハイム美術館」です。建築家のフランク・ゲーリーが設計したことでも知られています。
老朽化した港湾地区に建てられた美術館です。かつて街に繁栄をもたらした工業もすっかり衰退していましたが、このグッゲンハイム美術館の開館を機に街が活性化し、今に至ります。
不規則な波状のメタルで武装したかのような、この型破りな建築の美術館をネルビオン川の対岸から写した写真をご覧になったことがある方は多いと思います。ビルバオは鉱業と製鉄業から発展し、90年代までは工業が盛んな土地だったことから、今もその時代の名残を街の端々にまで色濃く感じさせる街です。
そんな背景を持つこの街ですが、奇想天外なグッゲンバイム美術館も浮くことなく、不思議と風景に馴染んでいます。美術館前の広場には、ジェフ・クーンズ作の花々でカラフルに飾られた犬の「パピー」が訪問客を出迎えています。
写真:小林 理沙
地図を見るグッゲンハイム美術館は現代アートの美術館です。現代アートは抽象的なものが多く、理解しがたいと思う方も、グッゲンハイム美術館では実際にアートを体で体感できる展示もありますから、ぜひ入館してみましょう。彫刻家リチャード・セラの「ザ・マター・オブ・タイム」はビルバオの工業が盛んだった時代に捧げられています。コールテン鋼製の彫刻の中を歩けます。高い壁に囲まれた狭い通路を歩く感覚はなかなか他で味わえない経験です。
90年代に衰退したとはいえ、ビルバオは鉄鋼業や造船業などの重工業で栄えました。その産業的歴史を後世に伝えるために、その時代に使われていた錆びた鉄くずの山や造船場などをあえて川沿いにモニュメントとして残してあります。そんな骨太さもビルバオの住民が街の歴史を大切にしてきた表れですね。
写真:小林 理沙
地図を見るセントロ・アスクーナ(スペイン語: Centro Azkuna バスク語: Azkuna Zentroa)は、通りのワンブロック丸ごと占領するほど大きく、荘厳な建物です。映画館、図書館、コンサートホール、展示室、プールやジム、レストランやお店まであるモールです。
1905年から1909年にかけて建築家リカルド・バスティーダにより建設されました。ところが1919年に起こった火災により被害を受け、長い間閉鎖されました。その後、著名な産業デザイナーであるフィリップ・スタルクにより改築され、2010年に文化、娯楽施設としてオープンしました。建物の内部は柱が43本あり、それぞれデザインが異なります。展示会をよく催しているので、ぜひ建物の中に入って見てください。
写真:小林 理沙
地図を見るバルは朝早くから開いていて、朝ごはんを食べるのにもピッタリです。食べ物が洗練されていることや、またおいしいことで名高いバスク地方ですが、ビルバオも例外にもれず。バル店内には、美味しそうなサンドイッチや菓子パン、クロワッサンなどが並べられています。
「ボーヨ・デ・マンテキーヤ」というバターが間に塗られたパンは、なんとコッペパン!歴史的にも、日本にキリスト教を伝えたとされる宣教師フランシスコ・ザビエルもスペインの北部出身者ですから、それを思うと、「ボーヨ・デ・マンテキーヤ」とコッペパンが同一のものであってもおかしくはありません。
バスク州は、スペインでも独特の文化を持ち、スペイン語の他にバスク語が話されたり、バスク人独特の名前も多く興味深い地方です。北部特有の人も街も落ち着いた雰囲気、街もきれいで人は親切。また、食べ物もおいしく、飲食店ではあまりハズレがありません。奇天烈な建物それ自体が前衛的な芸術作品のグッゲンハイム美術館も、一度は見ていただきたいものです。また、美術館の前を流れる川を船で渡るのも風情がありお勧めです。ではみなさん、スペイン北部最大の都市ビルバオに行ってみませんか。
この記事の関連MEMO
トラベルjpで250社の旅行をまとめて比較!
このスポットに行きたい!と思ったらトラベルjpでまとめて検索!
条件を指定して検索
(2024/12/4更新)
- 広告 -