黒部ダムの「裏」に潜入!正真正銘の社会科見学「黒部ルート見学会」

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黒部ダムの「裏」に潜入!正真正銘の社会科見学「黒部ルート見学会」

黒部ダムの「裏」に潜入!正真正銘の社会科見学「黒部ルート見学会」

更新日:2015/07/09 14:02

Yuma A.のプロフィール写真 Yuma A. 観光学修士、インバウンド観光推進施設代表

黒部と聞けば、観光放水で有名な黒部ダム(通称「クロヨン」ですね)を思い浮かべる方が多いと思いますが、「クロサン」についてはあまり知らない方も多いのでは?今回は黒部第三発電所を擁する仙人谷ダムや黒部ダムの「裏」を見学する黒部ルート見学会についてご紹介いたします。自然豊かな黒部立山地域にありますが、工業遺産に興味をお持ちの方にもお奨めのスポットです。

宇奈月温泉峡〜欅平までは「観光」です

宇奈月温泉峡〜欅平までは「観光」です

写真:Yuma A.

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この黒部ルート見学会は富山県側の欅平と長野県側の黒部湖までを関西電力の運営する水力発電のための輸送設備に乗り、移動しながらその事業の歴史を学ぶ、正真正銘の見学会にして修学旅行です。観光設備ではないためなんと料金は無料!ですが、見学会への参加はシビアな抽選ですのでその点をまずはご了承ください。

ただしご安心を。最終段落に記載いたしましたが、今年から有料でツアー化(見学ルートの途中までですが)されておりますので大変参加しやすくなりました!

なお見学会は欅平と黒部湖どちら側からも参加できますが、往復は不可です。今回はツアーでも出発点になる欅平側から入る順序でご紹介いたします。

集合場所は黒部峡谷鉄道の終点「欅平駅」ですが、この黒部峡谷鉄道自体が黒部峡谷へ入っていくための現役の作業路線にして有名な観光路線(トロッコ電車)でもあります。出発駅の宇奈月温泉駅〜欅平駅間は終始開放的な窓から美しい黒部の景色が楽しめます。ここまではまさに「観光」ですのでのんびり過ごしましょう。

欅平からは「探検」です

欅平からは「探検」です

写真:Yuma A.

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欅平から黒部湖畔は登山道を歩きますと1泊2日〜2泊3日はかかるロングルートですが、この見学会では山の「中」を作業用のトロッコやインクラインと呼ばれる巨大エスカレーターを利用して移動することになります。

ここから先は観光という感じは消え、探検に近い感覚になると思います。というのもガイドの方から説明があると思いますが、ここから先は有名な「高熱隧道」の世界です。え、知らない!? 石原裕次郎主演の映画「黒部の太陽」は黒四ダムの建設時の映画ですが、先立って行われた黒三ダム(仙人谷ダム)の大工事を描いた小説が「高熱隧道」です。小説の話はほぼ実話で、戦前に死者300名を超す超難関工事のうえに築かれたトンネルにこれから入っていくのですから、ここはあえて「緊張」して臨んでいただきたいと思います。

なお写真は当時100℃を超えていたトンネル内を走る昭和14年建設の上部専用鉄道です。現在は40℃程度ですので(それでも怖い!?)ご安心のほど。

要所で外の風景も楽しめます。

要所で外の風景も楽しめます。

写真:Yuma A.

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写真は戦前に作られた黒部第三ダム(仙人谷ダム)です。要所で鉄道を降りて、このように外に出られますので、水力発電の歴史のみならず黒部峡谷の風景美も楽しめます。クロヨンではなくクロサンです。レアですよね。
ちなみにこの仙人谷付近には登山者のための山小屋が多くあります。仙人温泉小屋や阿曽原温泉小屋など温泉付きの山小屋ですので、次回はぜひ歩いて訪れてみてください。

黒三から黒四へ。発電所の内部へ潜入。

黒三から黒四へ。発電所の内部へ潜入。

写真:Yuma A.

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さて上記の鉄道は黒四ダムの発電所である黒部川第四発電所の「内部」に着きます。発電所の内部はまさに秘密基地の司令部といった雰囲気です。この黒四ダム関係の工事は戦後の昭和30年代に建設されたものですが、写真のとおりピッカピッカで古さをまったく感じさせません。なお発電所内およびそこから先に行けるのは見学会のみでツアーではいけませんのでご注意ください。

ここはジオフロントか!?インクラインで登っていく

ここはジオフロントか!?インクラインで登っていく

写真:Yuma A.

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さて黒部湖までこの発電所から黒部川の遡るように登っていくことになりますが、そこで利用される斜めに登っていくエレベーターような設備がインクラインです。一説にはアニメ「エヴァンゲリオン」の地上からジオフロントに入っていくエスカレーターのモデルと言われている設備です。山の内部を34度の傾斜で一気に上がっていきます。

インクラインで登ったあともまだ山中です。ひんやりとした黒部トンネルの中をトロリーバスに乗り換えて移動します。途中で外を眺められるポイントで停車しながら走ること40分で、ついに黒部湖畔の黒部ダムに到着します。見学会の時間自体は3.5時間程度ですが、黒部峡谷沿いの水力発電事業の軌跡を追いながらの濃密な時間ですので、黒部ダムを眺めた時には「ついにダムが完成したぞ!」くらいの気持ちに浸れること間違いなしです。

ここから先は立山黒部アルペンルートを利用して富山県側(立山方面)または長野県側(大町方面)へ移動可能です。

見学会とツアーの参加方法について

いかがでしたでしょうか?新たに開通しました北陸新幹線の新駅(宇奈月温泉駅)からもアクセスの良い黒部峡谷ですから、今後ますます人気がでてくると思います。

さて見学会への応募方法ですが下部MEMOの関西電力の特設サイトにありますとおり「ハガキ」で行います。希望日を二つまで書いて送ることになります。その際、応募状況(倍率)をサイトで確認できますので、競争率の低い日で応募しておくと抽選に通りやすくなります。

ただし!申込みは3月〜7月初旬までで、しかもその申込みから3ヵ月後の見学日に確実にお休みをとれることが確定している人のみ参加可能なシビアな設定です。

今年中に参加したい方やお休みの日程が定まらない方は、下部MEMOにあります「パノラマ展望ツアー」に参加しましょう。北陸新幹線の開通に伴い今年から始まった新サービスです。

近代化産業遺産として名高い黒部峡谷の水力発電の歴史を存分に味わってください。

では気をつけていってらっしゃいませ〜

掲載内容は執筆時点のものです。 2012/09/06 訪問

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