横山大観が愛した酒“醉心”に舌鼓!三原市「醉心山根本店」

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横山大観が愛した酒“醉心”に舌鼓!三原市「醉心山根本店」

横山大観が愛した酒“醉心”に舌鼓!三原市「醉心山根本店」

更新日:2015/09/10 17:01

村井 マヤのプロフィール写真 村井 マヤ 中国・九州文化的街並探検家

三原の酒造りの歴史は古く、万葉の時代からとも。本格的に銘醸地となったのは、小早川隆景の時代。良質な水と優れた技術で、美味しい日本酒を醸し出してきました。昭和30年代には9つの酒蔵がありましたが、現在は「醉心」を残すのみ。「酒は呑め呑め〜♪」の黒田節のお酒は、この三原の酒だったとも。また、日本画の巨匠横山大観が生涯愛した酒は三原の「醉心」。今回は、「醉心山根本店」の蔵見学とお酒も味わえる旅のご提案♪

今や町のシンボル!「醉心」の酒蔵

今や町のシンボル!「醉心」の酒蔵

写真:村井 マヤ

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醉心は、万延元(1860)年創業の老舗の造り酒屋。大正8年からは3回連続、全国酒類品評会で優等賞を受賞し、これによって名誉賞を受賞した誉れ高き日本酒なのです。

三原を含む広島県の酒の多くは、軟水を使用して醸造されているので、やわらかく、なめらかな味わい。でも軟水でのお酒造りは難しいと言われていました。その難題を克服したのが、三原からやや東に位置する瀬戸内海沿岸の町、広島県安芸津の醸造家三浦仙三郎(1847-1908)です。彼の体系化した軟水醸造法によって、広島の酒は大きく変化しました。これが広島酒発展の大きな転機の1つと言えるでしょう。
でも、三浦仙三郎が登場する以前より酒造りはされており、美味しかったというから素晴らしいことですよね。

お酒の産地としての要件として、以下が挙げられます。
1.良質の水があること
2.近くにお米の産地があること
3.交通手段が発達していること(良港に恵まれているなど)
これらの条件が整っていた、瀬戸内海沿いでは酒造りが盛んに行われたのです。そして三原は、これらの条件にぴったりの地だったのです。

写真は、醉心山根本店の正面玄関です。この屋根の向こうには煙突があり、三原のシンボルになっています。新幹線の高架が建設されるまでは、かなり広い敷地だったようです。写真の建物は壁の色を塗り替えていますが、姿は当時のまま。蔵見学をされると、昔の写真などを見せていただけます。かっての三原の繁栄ぶりもよく分かりますよ。

横山大観画伯との絆の結晶「大観記念館」

横山大観画伯との絆の結晶「大観記念館」

写真:村井 マヤ

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横山大観は、実はもともと下戸だった?!というお話をご存知でしょうか?
大観は、若い頃は、お酒を全然飲めなかったそうです。それが、師匠である岡倉天心に飲まされ、お酒を飲めるようになったとか。
意外ですよね。醉心山根本店の蔵見学をされますと、そんなこぼれ話が聞けて楽しい時間も過ごせます。

大観とこの「醉心」の交流が始まったのは、昭和初期のこと。当時の東京の神田にあった醉心支店に、頻繁にお酒を買いに来る上品な女性がいたそうです。店の者が尋ねると、大観夫人だったという。興味をもった「醉心」の3代目・当主山根薫氏が、その後、大観の自宅を訪ねて酒造りの話をしたところ、大観とたちまち意気投合。「酒づくりも絵を描くのも芸術だ」と大観に言わしめました。感動した山根薫氏は、一生の飲み分を約束しました。そのお礼が、「大観記念館」に所蔵されている作品なのです。
素敵なお話ですよね。当時は、お酒を東京に送るのも苦労したそうですよ。そんな裏話も蔵見学の醍醐味!面白いお話をどんどん聞き出しましょう♪

さて、写真は、大観の作品の他、河合玉堂・菱田春草・頼山陽の作品も所蔵されている「大観記念館」。記念館の公開は、ここ数年はされていないので、貴重な横山大観の作品をいつの日か見学できることを願いましょう。

「大観記念館」は、虫干しもかねて、以前は一般の方々に数年に一度公開していたそうです。もし、公開されるとしたら、季節の良い11月の初めくらい。
興味がおありの方は、まめにホームページをチェックして下さいね。

ここにしかない作品を、ご覧になれる幸運に巡り合うかも♪

江戸時代の酒造りの歴史を感じさせる蔵

江戸時代の酒造りの歴史を感じさせる蔵

写真:村井 マヤ

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写真の酒蔵は、「醉心」を創業した山根家が尾道からここ三原に移って酒づくりを始める前からあった酒蔵です。「醉心」の創業が1860年ですので恐らく200年以上の歴史があるのではないかとのこと。この蔵と同じ場所が写っている古い写真をご覧になると、ほぼ当時のままであることが分かります。
昔、この蔵の2階には蔵人たちが寝泊まりしていたそうです。

ちなみに現在、三原市東町の醉心山根本店では、酒造りは行っておらず同じく三原市沼田東町にある工場で酒造りをしています。東町の本店では、酒の瓶詰などが行われており、その様子や江戸時代からの古い佇まいが残る蔵内の見学、お酒の試飲などができます。元々は、この東町でも酒造りをしていたのですが、新幹線の開通などによって手狭になったため、工場を別に建設したのです。
戦火にも遭わず、当時の風情が随所に残っている蔵は、建築物としても貴重なものです。

蔵見学の後は、試飲のできるサロンで珍しい写真なども見学

蔵見学の後は、試飲のできるサロンで珍しい写真なども見学

提供元:醉心山根本店

http://www.suishinsake.co.jp/地図を見る

この醉心山根本店には、著名な方々もご訪問されており、貴重な写真も飾られています。
また、先ほどご紹介した大観記念館の建築祝いに横山大観より「寿」の額を贈られました。本物は、記念館に大切に所蔵されていますが、そのレプリカが本店の玄関を入ってすぐの所に飾られています。酒蔵見学に行かれましたら、是非そんなお宝をご覧ください。

写真は、試飲できるサロンです。酒蔵見学が終わるとここでも、様々な貴重なお写真やお話が聞けます。このサロンには、神棚があり、そこにはかなり古い戦前の「三原だるま」も飾られています。ダルマといえば、春を告げる祭り「神明市」。その神明市では、この「醉心」の美味しい甘酒が一杯100円で飲めるので、2月の祭りの時期にも遊びにいらしてください。

また、10年以上の熟成を経た純米酒を使用して作られた「醉心酒ケーキ」は、三原の「みはらスィーツ食べ歩きクーポン」でも交換できるお酒のケーキ。味は絶品で、ある高貴な方も召し上がって、お気に召したというから、これはお土産にぴったり!どなたが召し上がったかは、酒蔵見学をして聞いてみて下さいね。

まろやかフルーティな「醉心」に酔いしれる♡

まろやかフルーティな「醉心」に酔いしれる♡

写真:村井 マヤ

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醉心の試飲スペースで頂けるのは看板商品や季節限定酒。写真向かって左から「醉心 味濾過純米酒ひやおろし」(3本)、「純米吟醸(醉心稲穂)」、「純米大吟醸生地名誉醉心」の3種。左側から順番に試飲すると、最後の大吟醸のフルーティさが際立ちます。いずれも、飲みやすくまろやかな口当たりです。

特に、秋におススメなのが、季節限定酒「醉心 味濾過純米酒ひやおろし」。「ひやおろし」とは、早春のころ絞った新酒が、ひと夏越えちょうど良い頃合いに円熟し、まろやかに仕上がった旨みたっぷりのお酒です。醉心の「ひやおろし」は、熟成された味わいを残すため、瓶詰の際活性炭を使用せず濾過(味濾過)し、円熟した純米酒本来の味わいのお酒。首かけレシピには「美味しい飲み方」も。是非、秋の一献にはこの季節限定酒を(9月9日出荷予定で通常10月末くらいまで)!

また、大吟醸は、「全米日本酒歓評会2011」の大吟醸Bのカテゴリーで金賞受賞の日本酒。普段飲まれるお酒としては少々高級品ですが、贈答品としては喜ばれます。もちろん、ご自宅用にもどうぞ♪

中央の「純米吟醸(醉心稲穂)」は、「ワイングラスでおいしい日本酒アワード2015」メイン部門で金賞受賞の、ほのかな甘みが印象的なお酒。どれも甲乙つけがたい美味しいお酒ばかり。季節によって、試飲できるお酒も違うので、その時々のおススメを試飲してみて下さい。詳しい値段などは、下記MEMOを参照にして下さい。

日本酒は、日本の文化と誇りのシンボル・・

今回の「醉心山根本店」の蔵見学では、日本酒の酒造技術が進んでいた点も学べます。
それは、写真でのご紹介はできませんでしたが、醸造したお酒の加熱殺菌処理の工程での説明を伺った時のこと。
現在、お酒や牛乳などは、「低温殺菌法」で殺菌されています。この低温殺菌法を導入したのは、ルイ・パスツール(1822-1895)で、フランスの生化学者であり細菌学者でした。

ところが日本では、醸造した日本酒を加熱殺菌処理する「火入れ」の技法がすでに戦国時代後期から行なわれていたのです。低温殺菌法がワイン製造に導入される約300年前だったというからスゴイ!

適温は、65度前後。昔の杜氏たちは、加熱している酒の表面に指を入れて円を描けるぐらい我慢できる温度を適温という基準で行っていたそうですよ。
質問すると、お話が弾みますから、沢山聞いてみて下さいね。蔵見学が終わるころには、かなり詳しくなっていますよ。
◆蔵見学は、要予約(土日祝日はお休み、9:00-17:00)。詳細は下記MEMO参照。

掲載内容は執筆時点のものです。 2015/06/26 訪問

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