写真:フルリーナ YOC
地図を見る皆さん、このギザギザの山、どこかで見たことはないでしょうか。実はこの山脈、輸入品店のチョコレートコーナーで時々目にするスイスのチョコレート、「Kägi」のパッケージに描かれているのです。広々とした緑の牧草地の上に、ニョキニョキと連なるクールフィルステンは、パッケージに描かれる程、一度目にしたら忘れられない風景です。
まずはこの風景に出会うために、トッゲンブルグ(Toggenburg)地方に向かいましょう。トッゲンブルグへは、チューリッヒから電車に乗り、オーストリアとの国境近くのブークス(Buchs)駅前からバスに乗換えて2時間ほど。またクール(Chur)からのアクセスなら1時間半ほどで到着します。ブークスからの車窓は、緑の谷と丘を行く絶景の連続!途中下車したくなるほどの美しい風景です。
そしてトッゲンブルグ地方に入ると、この風景が出迎えてくれます!この7つの山の一つが、“ケーザールック(Chäserrugg)”。そして、このケーザールック山頂から続くローゼンボーデンの尾根に、ローゼンヴェク(Rosenweg)という回遊式のアルペン植物園があります。
この写真はトッゲンブルグの東に位置するヴィルトハウス(Wildhaus)からの写真。今回ご紹介するケーザールックに行くには、もう少し先のバス停ウンターヴァッサー(Unterwasser)で下車します。
写真:フルリーナ YOC
地図を見るウンターヴァッサーからは、まずケーブルカーでイルティオス(Iltios)へ向かいます。イルティオスはクールフィルステンのギザギザ山がとても美しく眺められる絶景スポット!もし山々が美しく見えていたら、ロープウエイに乗る前にクールフィルステンを眺め、写真を撮ってくださいね。時間がたつと、雲が湧いてきて山の頂にかかってしまうこともありますので。
イルティオスの眺めを楽しんだら、いよいよケーザールックへ向かいましょう。ロープウエイからの眺めも最高です!ウンターヴァッサー村の北側には、スイス東部の名山・ゼンティスとアルトマン山が聳え立っています。スイスの秘境として知られるゼーアルプ湖は、ちょうどこの二つの山を挟んで反対側に位置します。
※ゼーアルプ湖に関しては、本文下のMEMOより関連記事をご参照ください。
スイスの秘境・ゼーアルプ湖へ絶景ハイキング!ホエー風呂に入れるチーズ農家も!
写真:フルリーナ YOC
地図を見るロープウエイの頂上駅ケーザールック(2262m)に、2015年6月27日、絶景レストランがオープンしました(情報・Swiss Fan Club)。絶景を楽しみながらのランチは忘れられない思い出となるでしょう!
お腹がいっぱいになったら、ローゼンボーデンの尾根に広がる高山植物園を見ながら絶景散歩に出かけましょう。ローゼンヴェーク(Rosenweg)と名付けられた遊歩道を1時間ほど歩くコースです。遊歩道はほとんど平らな道。絶景と青空をバックに咲き誇る、可愛らしい高山植物を愛でながら歩くハイキングは最高!体も心もリフレッシュできます。
この写真はローゼンヴェークの南側。チューリッヒからクールに向かう車窓から見えるヴァーレン湖(Walensee)が崖の下に見えます。ヴァーレン湖付近の車窓から見える湖の向こうに屏風のように切り立って聳えるギザギザ山が、ここクールフィルステン山脈。お花畑から見える真っ青な湖とアルプスの山々のコントラストが、最高に清々しい景色です!
写真:フルリーナ YOC
地図を見るアルプスの山々を歩いていると、可愛い花がたくさん咲いていて、名前を知りたいな…と思ったことがある方も多いのでは、と思います。でも今見ている花を、植物図鑑の中から探すのはなかなか大変。
ここの高山植物園がとっても素敵なのは、高山植物の説明が咲いている花のすぐそばに、天に透けるボードに説明されていること。大空に浮かび上がる花々の説明を読んで、足元の小さな花々を観察する。大空と草原と花々と、そして花々に集まる虫や蝶を見ていると、自然の偉大さと生命の美しさをひしひしと感じます。
写真:フルリーナ YOC
地図を見るスイスは国土の7割が山地。なだらかな丘陵帯から3000mを越す山にもたくさんの高山植物が生育しています。また、スイスの山々には、独自の進化をとげた花々も生育しています。
高山植物は背丈が低く花が小さいものが多いのですが、それは厳しい自然条件を生き抜くため。寒さを防ぐために産毛のようなものにおおわれてる葉や茎を持っていたり、乾燥地で水の蒸発を防ぐために、地面ぎりぎりで葉を放射状に広げたり、ワックスのように表面がコーティングされていたり。小さな植物の知恵の豊さに驚かされます。
この写真の花はヴァイセ・アルペン・アネモネ(Weisse Alpen-Anemone)。白いアルプスのアネモネという意味です。純白の花にうっすらとピンクの色が混じり、まるで花がはにかんで頬を染めているよう。他にもエンツィアンやトロールブルーメ、アルペン・ソルダネッレ等々、可憐な花々がたくさん!花々を見て回っていると、体も心もリフレッシュしながら、小さな花々から元気と感動を与えられます。
いかがでしたか。スイス北東部は、山々の標高はアルプス中央部より低いものの、美しい景勝地がたくさんあります。日本ではまだまだ知名度が低いので、のんびりと旅を楽しめるのも魅力です。また近くにはチーズの里アッペンツェルや美しいゼーアルプ湖、ゼンティス山など見どころの多い地域です。ぜひゆっくりと訪れてみてください。
7つのギザギザ山・クールフィルステンを見るポイントは、ヴィルトハウス(Wildhaus)の教会付近、ウンターヴァッサー(Unterwasser)からケーブルカーで行くイルティオス(Iltios)がオススメです。少々歩いても構わないなら、ヴィルトハウス、ウンターヴァッサー、アルト・ST・ヨハンの高台や、アルト・St・ヨハンからロープウエイでゼッラマット(Sellamatt)に行き、そこから少し坂道を登って行くと間近にクールフィルステンのギザギザ絶景を楽しめます!
ケーザールックのレストランとローゼンヴェークの高山植物園は、イルティオスからロープウェイにのります。スイス現地から情報を発信している「Swiss Fan Club」が、ケーザールックのレストランについて詳しい情報をご紹介くださいましたのでMemoに入れておきます。
それでは、みなさん、すてきな旅を!
この記事の関連MEMO
この記事を書いたナビゲーター
フルリーナ YOC
『私が絵を描く本来の意義は、道端にも小さな奇跡が発見できると人に伝えることにある』 大好きなスイスの画家、アロイス・カリジェの言葉です。私も、この言葉のように、旅先や日常の中で発見した小さな奇跡や感動…
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