バギオは高地都市のため冷涼な気候で、年間平均気温は26℃。冬には雪が降るほどの冷え込みもあり、夏季シーズンには、政治家や有名人が長期滞在することでも知られた、正に国民憧れの「フィリピンの軽井沢」です。
「ベンカブ美術館」はバギオ市の郊外にあり、市内からはタクシーで20〜30分。広大な敷地に広がるモダン建築にバギオ在住のアーテイストを中心とした、有名作家の作品がテーマ別に展示されています。館内は全て撮影OKです。入場料は100ペソ(日本円で約220円)。
設立者の国民的画家 ベネディクト・カブレラ(通称ベンカブ)はフィリピン・マニラ生まれで9人兄弟の末っ子。お兄さんの影響を受けて7歳で絵を描き始め、名門フィリピン大学の芸術学部を卒業後、版画、水彩画、オイルペイントと幅広い部門で数々の賞を受賞。アメリカで最初のフルタイムの仕事を得た後、「東京ビエンナーレ」にも出展し、活動範囲はアジア、ヨーロッパ、アメリカと広範囲に広がります。ロンドンとフィリピンの2都市間で活動拠点を移しながら、80年代後半に現在のバギオアートの保護活動に加わります。52歳で日本の「文化勲章」クラスの賞を受賞後は国内不動の人気芸術家となりました。
海外での創作活動期が長いこともあり、彼の自国の歴史・文化に対する敬愛の念と、創作意欲に富んだ感性を所蔵品から見て取ることができます。
ギャラリーの建物は4階建てで、一番上が入り口になっており、3フロアーが展示スペース。1階はカフェと庭園が併設されています。
中でも注目したいのがベンカブが長年収集してきたコーディリエラ山岳地方の先住民族の生活道具を展示した「Cordillera Gallery」。博物館並みのコレクションで非常に見ごたえがあります。その他、ベンカブの作品を集めた「Ben Can Gallery」。バギオ在住アーティストとフィリピンの現代美術家の作品集「Philippine Contemporary Art Gallery」。「Indigo Gallery」はコーディリエラ地域の個性的なアーティストの個展を開催。こちらの期間展は国内外で評価が高く、マニラから6時間、高速を使って日帰りで訪れる人も多いとか。
そして、少しドキドキさせられる「Erotica Gallery」。誰もが喋るのを止めてしまう、しっとりとした雰囲気のギャラリーは大人の芸術鑑賞にピッタリ。
美術館の裏手には広大な敷地を有するファームガーデンがあります。移築されたイフガオ・カリンガ族の先住民伝統家屋を眺めながら周る、ガイド付きツアーも行われています。フィリピン北部の地域文化を感じながら自然と一体化した気分を味わうことができます。
庭園は入場無料。散策は別途ツアーガイド料 P300 (約620円)と入場者1人 P100(約220円) が必要。
最下階にある「Cafe Sabel」は、庭園でとれたオーガニック野菜やハーブを使ったヘルシーな料理を提供しています。どれもオシャレで、バギオの郊外でこだわりのある優雅な食事を取れることに驚きます。
しっかりしたワンプレートランチから、ちょっと一息つくためのコーヒー。冷たい飲み物やデザートも豊富。庭を眺めながら、美術館の感想を語り合うのに最高のシチエーションが用意されています。
美術館は大通りから離れているため、帰りはタクシーが大変つかまりにくいです。徒歩7〜8分のジプニー乗り場まで歩く。行きに利用したタクシードライバーにチップを渡して待機してもらう。または、時間を決めて迎えにきてもらうなど、帰りの交通手段を早めに手配しましょう!
バギオはフィリピン有数の治安の良いエリア。古くから日本とは関わりがあり、知ればしるほど親しみを感じるはず。現在は韓国・日本資本の語学学校が進出したため、留学生の街でもあります。マニラやセブに比べて物価も安く、大変過ごしやすい場所です。
ベンカブ美術館の他には、先住民の生活を表現したTam-awan Village 、環境教育を実践するSancutuary Gallery、バギオの歴史を伝えるBaguio museumなど見るべき場所がたくさんあります。常夏の国で、ちょっと一息、高原村へ芸術鑑賞に訪れてみてはいかがでしょうか!
記事内の料金表記は100ペソ=約220円(2016年8月のレート)にて換算しています。
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(2024/10/16更新)
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