渋温泉街は、すべて石畳の道になっている。
目抜き通りのこの道は、ゆるやかな坂とカーブが続き、道沿いには金具屋旅館を代表とする古い木造旅館と温泉まんじゅう屋、そして青いのぼりが目印の外湯が点在している。
この道は一方通行で車の往来はほとんどない。宿に車で来る場合、一度旅館前に停め、宿の人に川沿いの共同駐車場まで移動してもらう。景観に現代的な部分を感じないのは駐車場がないからかもしれない。
渋温泉に車で来る場合、もしレンタカーを借りるならなるべくコンパクトな車の方がおすすめだ。温泉街の道もしかり、近くの地獄谷へ足を伸ばす時もしかり、道幅が狭いので大型車だと通りづらいからだ。
渋温泉の最大の魅力は9箇所の外湯めぐり。まずは外湯めぐりがてら、温泉街を散策しよう。細い路地を入ったり出たり。レトロな情緒に浸りながらそぞろ歩いていくうちに、気がつけばぐるっと一周しているはず。のんびり歩いても30分足らず。勾配の少ない石畳を、宿で下駄を借りてカラコロと鳴らしてみよう。
メイン通りの緩やかな坂を上っていくと、右手に何本もの細い細い路地が伸びている。左右は古い民家と旅館。そこにひっそりとお店があったりもする。影と陽の美しいコントラスト。
渋温泉と聞いて、まずこの宿を思い浮かべる人も多いはず。
金具屋はその名の通り、250年ほど前までは鍛冶屋だった。その後、土砂崩れにより敷地内から温泉が湧き出たことをきっかけに温泉宿として開業した。
金具屋の魅力は、何といってもこの手のかかった木造建築である。要所要所に凝った意匠の灯篭が下がり、通りの面した客室の欄間も階ごとに造りが違う。
館内も、文化財指定されているしつらえがあちこちにあり、複雑に入り組んでいる旅館の中を散策するだけでもため息が出る。
この宿に泊まるなら、食事と温泉だけでなくぜひ館内をゆっくり見て回りたい。
館内の温泉は、複数の源泉による大小8箇所の浴場があり、貸切もできる。
他の温泉宿もすべてそうであるように、もちろん源泉かけ流しである。
この記事の関連MEMO
この記事を書いたナビゲーター
えんべる
海外よりも日本。大げさな旅よりはさらっと行く旅。複数よりは一人旅。一人でも優雅に楽しくのんびりと。旅先のジャンクな情報もシニカルにお届けします。メイン情報はもっぱら湯と飯と自然!
このスポットに行きたい!と思ったらトラベルjpでまとめて検索!
条件を指定して検索
旅行ガイドを検索!
(2025/2/13更新)
- 広告 -