概ねストラットフォード、オックスフォード、バースで囲まれた地域がコッツウォルズ。コット=羊、ウォルド=丘で、羊の丘の意味です。ライムストーン(蜂蜜色の石)の柔らかな色の家々と田園風景で知られる特別自然美観地区。フットパスには田園の魅力がさらにあふれています。
コッツウォルズの中心からやや東部に位置するアッパー・スローター。村の中心に建つ有名なマナーハウス、ローズ・オブ・ザ・マナーの門から塀沿いに少し下がるとフットパス入口があります。少し分かりにくいですが、道標に従い石垣と木の間からフットパスへ入っていきます。ここから林間を潜り抜け、アイ川をわたっていきます。
羊用のゲートを開けてフットパスの中へ。牧草地にひとすじのフットパスがはるか向こうまで行くてを示してくれます。決して迷うことはありません。牧草を踏みしめた跡がのんびりと草をはむ羊の楽園へ誘います。そんなフットパスに足を踏み入れてみましょう。コッツウォルズ散策のスタートです。
フットパスは、心からカントリーサイドを楽しみその環境を維持する仕組で、英国人が誇る文化です。
牧草地を通り抜けると、フットパスは再びアイ川と合流します。アイ川の向こう側は、アッパー・スローターのなだらかな丘陵地。5〜6月頃は菜の花で、一面黄色に染まります。うっすらと黄色く染まった畑が見えています。
360度ゆっくりと田園風景を楽しんでみて下さい。
アイ川沿いを進むと、写真のような黄銅のプレートに出会います。チャールズ皇太子とダイアナ妃が歩いた記念碑が、ロウアー・スローターの入口。
コッツウォルズゆかりの著名人は多く、チャーチル元首相や、古くはシェークスピア、ヘンリー八世、そして記念プレートのチャールズ皇太子などなど。コッツウォルズにも多い、〜cesterとか〜chesterなどを語尾に持つ地名は、古代ローマ人たちが開拓した名残。シーザーをはじめとして、映画テルマエ・ロマエに登場するハドリアヌス皇帝も英国に渡っています。バース(Bath=浴場)はまさに風呂好きだったローマ人駐留の象徴です。
シーザーやハドリアヌス帝もここで佇んだかもしれない、と思いをはせる楽しみもあります!
アッパー・スローターにはセント・ピーターズ教会、ロウアー・スローターにはセント・メアリー教会があり、フットパスは二つの教区教会を結ぶ路でもあります。教会が開いていれば、ステンドグラスに魅入るのも楽しいでしょう。大型バスが停車できるセント・メアリー教会前から観光客が、逆方向のアッパー・スローター方面へ歩いていきます。
セント・メアリー教会内の大木にはリスが住んでいるので、見上げて楽しんでください。
コッツウォルズの村々の中心部で必ずといっていいほど目にする記念碑。第一次・第二次両大戦の戦没者慰霊塔です。ところが、アッパー・スローターとロウアー・スローターの両村は例外的に戦死者が出なかった「幸運の村」です。
ロウアー・スローターの水辺の風景はコッツウォルズの聖地バイブリーに優るとも劣らず美しく、車が少なく静かなロウアー・スローターの水辺は、絵の好きな方には画題の宝庫になるでしょう。
セント・メアリー教会を抜けると小川が出てきます。虫が水面近くに群れ、マスが狙っているのがよく見えます。
古い水車小屋が博物館になって残り、風情のある風景を楽しめます。
アッパー・スローターとロウアー・スローター間では、馬が牧草地を駈け回る姿もあります。背筋を伸ばした外乗者はここではふつうの景色です。
蹄の音が遠くから聞こえてきます。やがて、音は大きくなり、馬は目の前を軽快に通り過ぎます。日本ではなかなか経験できない音の響きを堪能しましょう。見事な速歩(はやあし)のステップも。
乗馬好きの方たちには、外乗の理想郷の一つになることでしょう。
馬を放し飼いしている牧場も近くにあります。
コッツウォルズには観光バスや車で訪れ、短時間でいいとこどり散策ができる美しい村々がありますが、いずれも、アッパー・スローターからロウアー・スローターのフットパスのように、ゆっくりと味わいたい村ばかりです。
アッパー・スローターからロウアー・スローター間では紹介したフットパス以外にも散策コースやフットパスがいくつかあり、時間や天候、体力に合わせた散策ができます。ホテルで地図を手に入れましょう。いずれもなだらかな起伏を歩くコースですが、ウォーキング・シューズがあるとベターです。
散策の後、ロウアー・スローターやアッパー・スローターのホテルなどでのアフタヌーン・ティーやランチ休憩は特別な時間になることでしょう。宿泊すれば、英国カントリーサイドの魅力がさらに輝きを増します。珠玉のフットパス散策にでかけてみはいかがでしょう。
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